正直、勉強は微塵もしていないので徹夜になるし、寝過ごしてテストを受けられなくて単位を落とす可能性まであるからタチが悪い。
前日の真夜中には大島渚作品を何も考えず見てテスト対策をしている気になっていた。
見終わり、食事をコンビニまで買いに行った。
その帰り道、容姿がいい、性的魅力に溢れる特権階級に属する恐らく同じアホ大学の女が自分の前を歩いていた。
どうやら、自分に対して警戒しているようだった。
世の中の人間は、容姿の醜い自分に対して警戒している女を絶対的に肯定するのは自分は分かりきっている。
ただ、警戒されるだけあぁ自分はキモいんだなと思うし、世の中は自分のような醜い人間を大切にはしないということを頼んでもいないのを自分の脳に叩きつけてくれる。
掲示板の美容整形板を見たら、自分のような肌はあまり良くならなそうだ。
クリニックのページを見ていると内臓系の持病があると無理だというものもある。
自分はどうやらマトモな容姿にはならないし、しようとすることも許されないらしい。
しようとしてもどうにもならないだろうから良いのか。
あまりにも肌が汚くて、隣席の人間から嫌われるだろうから隣席に人が殆ど座らないグリーン車に乗る。
容姿がよければ5300円なんか払わないでも顔を上げて座れた。