野々村被告の身柄拘束 初公判に強制出廷へ
政務活動費をだまし取ったとして詐欺罪などに問われ、昨年11月に予定されていた初公判を欠席した元兵庫県議、野々村竜太郎被告(49)に対し、神戸地裁が25日、野々村被告を強制的に出廷させる勾引の手続きを取ったことが分かった。26日午前10時半開廷の初公判に強制的に出廷させるため、身柄を拘束した。拘束場所は明らかにされていない。
在宅起訴されていた野々村被告は昨年11月24日朝、弁護人に「精神的に不安定になった」とメールで連絡し、同日に予定されていた初公判を欠席した。神戸地裁はこの理由に正当性はなく、改めて開かれる今月26日の初公判も不出廷の恐れがあるとみて20日に勾引状を発付していた。
検察関係者が25日午前、大阪市住之江区の自宅を訪問。野々村被告は不在だったとみられるが、神戸地裁への取材によると、関係者が身柄を押さえ、午前11時40分に地裁に連行した。野々村被告の身柄がどこにあるのか、地裁は明らかにしなかった。
刑事裁判の被告が正当な理由なく出廷しない場合、裁判所は刑事訴訟法に基づき、強制的に出廷させる勾引という手続きを取ることができる。勾引状が発付されれば、検察官の指揮の下で検察事務官や警察官が被告を裁判所に連行することが可能になる。【神足俊輔】