朝鮮日報、大韓商工会議所、韓国貿易協会、インド工業連盟(CII)が共催し、先週ニューデリーで開かれた「韓国・インドビジネスサミット」は、両国を代表する企業人、政界関係者ら約500人が集まる盛況ぶりだった。両国の交流の歴史で、これほど大規模に政財界のリーダーが集まったことはなかった。その上、モディ首相が韓国代表団19人を首相官邸に招き、45分間にわたり対話を行った。モディ首相は「サミットが両国関係発展の試金石になる」と述べた。
しかし、インドをめぐっては、ビジネスの相手としてはまだ不足な部分が多いとの意見も根強い。インドの道路、電気といったインフラは、韓国にとっては非常に不十分なものであることが現地で分かった。道路事情は悪く、時速60キロメートル以上で走ることは難しかった。停電も頻発した。「インドのデトロイト」と呼ばれる南部のチェンナイでさえ、1日9時間に及ぶ停電で、工場ごとに発電機を稼働しなければならない有り様だ。
しかし、インドは希望の光に満ちた国だ。13億人の人口の65%以上が35歳以下という若い国という潜在性ばかりではない。実質的な変化が始まっているからだ。インド商工省のウェブサイトにはさまざまな許認可の所要期間が明示されている。デリー周辺の工業地帯ノイダの経済区事務所には、陳情の処理期限が示されている。他の官公庁でも同様だという。
これまでインドで2-3年かかったビジネス関連の手続きを2カ月以内に処理するという意思の表れだ。外国からはまだまだだと見えるかもしれないが、インドを長年ウォッチしてきた人々にとっては「革命」だ。インド在住18年のイ・ゴンジュン・デリー大兼任教授は「モディ首相の力はインドが変われるという希望を国民と共有させるものだ。韓国も振り返ってみれば、希望を共有し、国全体を変えてきたではないか」と指摘した。
これは単なるバラ色の見通しではない。サミット会場で大韓貿易投資振興公社(KOTRA)主催で開かれた韓国中小企業輸出商談会では、我々がなぜインドに進出すべきかを確信できた。飽和状態の国内市場で競争に直面していた中小企業27社は、「拡大するインド中産階級に輸出の活路を見いだした」と異口同音に語った。デリーに近いラジャスタン州には韓国企業専用の工業団地がある。既に40社以上が視察を行い、2社は進出を決めた。
韓国製造業は今、成長の限界という袋小路に直面している。再び成長の道に歩み出すためには新たな市場を求めなければならない。いくら探してもインドほどの潜在力を持つ市場はない。1960年代に韓国は不可能だと言われた産業化に挑戦し、成功を収め、それを土台に半世紀にわたる成功の時代を謳歌(おうか)した。インドは今後50年間の繁栄に向け、チャレンジしなければならない韓国にとっての新たな飛躍の舞台だ。