サムスンの一部でも「稼いだ分を投資しなければならず、手元に残らない」として、半導体事業の未来に疑問を投げかける意見が台頭したことがあった。しかし、最高経営陣は「他社が苦しい時に格差を広げなければならない」と大規模投資を継続した。サムスン電子は現在、来年に稼働開始を目標とし、15兆6000億ウォン(約1兆5300億円)を投じ、京畿道平沢市に世界最大規模の半導体団地を建設している。
石油化学や移動通信で安定的な利益を上げていたSKグループにとっても半導体事業はかなりの冒険だった。SKはハイニックス買収の初年度に3兆8500億ウォンの設備投資を行い、研究開発投資も前年より1000億ウォン以上増やした。それが呼び水となり、SKハイニックスは最近まで7四半期連続で1兆ウォンを超える利益を上げた。今年は半導体景気が低迷する中でも2期連続で過去最大規模の6兆ウォン台の投資を行うことを決めた。
今年に入り、中国をはじめ世界景気が急速に後退している。主要企業は一斉にリストラや事業売却など縮小傾向の経営に走っている。もちろん企業にとって生き残りが当面する最重要課題であることは否定できない。だからといって、景気が回復するまで待っているような消極的経営で危機を突破することは難しい。一時的に苦しくてもすぐに投資を縮小したり、事業から撤退したりすれば、今日の「半導体コリア」神話はなかったはずだ。未来に向け準備する経営者の粘りと慧眼(けいがん)が求められる時期が来ている。