「FXを始めたいが、必ず出てくるチャート分析って何なの?」
「チャート分析はどんな時に使うものなのか知りたい!」
そんな風に思っている方は、FX初心者にはたくさんいます。
もちろんFXで有利に利益を上げていくためには、チャート分析を使ってトレードしたほうが確実に便利です。
しかし、多くの個人トレーダーは数種類とあるチャートの動きのパターンだけを覚えて、その覚えたチャートのパターンがあらわれた時に売買をしようします。しかし、そのようなやり方では、チャート分析を使っているとは言えません。そのままではFXで利益を出し続けていくのは難しいでしょう。
ここで必要なのは、なぜトレードをするのにチャート分析を使うことが利益をあげるために有利に繋がるのか、という基礎の部分を深く知ることです。チャート分析の基礎を理解して正しい使い方が出来れば、格段に利益は出しやすくなります。
この記事では、チャート分析を使うメリットやデメリット、そして、どのように使うべきなのか、などの4つの基礎ポイントをお伝えしていきます。
2:【ポイント1】現状を分析しエッジを見つけ出す
2-1:エッジを見つけだすのが基本
2-2:チャート分析で発見し、ファンダメンタルズ分析で確認
3:【ポイント2】価格を動かす材料が出たら必ずチャートにしるしが表れる
4:【ポイント3】チャート分析で使う指標は2種類
4-1:相場の上昇・下降を調べるトレンド系指標
4-2:買われすぎや売られすぎを調べるオシレーター系指標
4-3:2つの指標が異なるサインを出す場合もある
5:【ポイント4】チャート分析と「確率」を利用する
5-1:「エッジ」の重要性
5-2:トレードにおける勝利の方程式
6:まとめ
1:チャート分析のメリットとデメリット
チャート分析とは、現在の相場の状況をチャートの動きをもとに分析し、将来の値動きを予測する手法のことをいいます。チャート分析の基礎となる4つのポイントを解説する前に、まずチャート分析のメリットとデメリットを覚えておきましょう。
■メリット
買うタイミング、売るタイミングを教えてくれる。
私たちが知ることが出来ない早耳情報でもチャートは教えてくれる。
■デメリット
完璧に将来を予測できるチャート分析はない。種類が多く、どう使ったらいいのかが分かりにくい。
チャート分析の売買シグナルにはたびたびダマシ(※1)がある
チャート分析には上昇シグナルが出ているのに上昇しない、下降シグナルが出ているのに下落しないというように、シグナルと実際の動きが一致しないことがあります。これをダマシと呼びます。
2:【ポイント1】現状を分析しエッジを見つけ出す
チャート分析を使う上で、絶対に覚えておいてほしいのは、「将来を予想することよりも現状を分析する方に重要性がある」という点です。そして、現状を分析する中で利益を得るために有利な動きをしている、つまりエッジ(※2)がある状態を探し出すことが基本です。
エッジとは強み、有利さ、優勢ということです。
相場には絶対、完璧、完全ということがないため、わずかな強み、有利さ、優勢さ、つまりエッジを自分のトレードに取り入れることがトレードでの成功につながります。
2-1:完璧な予測は無理
価格は売り手と買い手のバランスで決まります。価格が決まった時点では、売りと買いがほぼ等しく張り合っています。そのため、今後の価格が上がるだろうと考えているトレーダーと下がるだろうと考えているトレーダーの数もほぼ等しいことになります。
ところが、今後ここまで価格が上がるだろうと予想していたラインを超えた時、またはここまで価格が下がるだろうと予想していたラインを割り込んだとき、そのバランスが崩れ、買い方優勢、売り方優勢という状況が一時的に発生します。それを買い(または売り)にエッジがあると言います。
チャート分析を使うことで、このエッジがある状態がはっきりとわかるため、売買の行動が起こしやすくなります。しかし、ここで気をつけなくてないけないのはチャート分析はあくまでもエッジがある状態を見つけ出すというものであるということです。将来の値動きを完璧に予測できる手法ではないということを十分に覚えておきましょう。
2-2:チャート分析で発見し、ファンダメンタルズ分析で確認
チャート分析で買い(または売り)のシグナルが出たら、ファンダメンタルズにどのような変化が起こったのかを確認することをお勧めします。
ファンダメンタルズ分析(※3)で大きな価格変動の材料を発見した場合は、それが正しければチャートにも必ずその影響が表れます。もし、チャートに何も影響が出てこない場合は、それは大した情報ではなかったということです。
もしテクニカル分析(※4)とファンダメンタルズ分析が、逆の売買シグナルを出している場合は、はじめからトレードを仕掛けるのをやめるか、すぐに市場から逃げられる準備をしたうえで仕掛けるのが鉄則です。
■ファンダメンタルズ分析
長期的にはみると価格は企業の価値と一致することを前提として、会社の業績や資産などを分析して、実際の価格と照らし合わせることで、今している投資は割安なのかどうかなどを判断する手法をいいます。
■テクニカル分析
過去の価格の値動きなどをもとに今後の価格の動向を分析したり、現在の価格が買われすぎている・売られすぎている状態にあるかどうかを判断する手法をいいます。
3:【ポイント2】
価格を変動させる材料が出たら必ずチャートに影響が表れる
株でもFXでも、価格を変動させるすべての情報を把握することは、継続的に利益を得ているようなプロでも不可能です。ところが、価格変動につながる材料があらわれた場合、それは必ずチャートに目印となって表れます。そしてあらわれた材料が価格に大きな変動を与えるものであればあるほど、チャートにも大きな目印となってあらわれ、読み取ることができるのです。
例えば、2011年3月11日に東日本大震災が発生しました。大きな被害をもたらしたこの災害により円が下落するのは、ファンダメンタルズ分析でも簡単に予測がつきます。しかしファンダメンタルズ分析では、現在の価格の動きを細かに分析する手法ではないため、災害の発生の直後に為替が大きく円高に振れたのを予想できた人はいないはずです。
しかし、この災害の直後にチャートでは明確に円高の道筋を表していました。このように、たとえ海外で起こったことなど、私たちがすぐに知ることが出来ない情報でも、チャートからは、確実に「価格に大きな影響を与える何かが起きた」ということを読み取ることが出来るのです。
4:【ポイント3】チャート分析で使う指標は2種類
チャート分析で使う指標にはトレンド系とオシレータ―系の2種類があります。
このトレンド系とオシレーター系の指標は、全く違う観点で相場を見ます。相場の状況によってどちらが有効に活用できるか等があるため、トレンド系とオシレーター系のテクニカル分析を組み合わせて使っている人が多いです。
4-1:相場の上昇・下降を調べるトレンド系指標
上昇トレンドの過程で買いサイン、下降トレンドの過程で売りサインを出すのがトレンド系の指標の特徴です。そのため、トレンド系の指標はトレンドフォロー(※5)のトレードで使います。
トレンド系の指標は、ローソク足の上に重ねて描写するのが一般的です。
下記のようなイメージです。
(例 移動平均線)
■主なトレンド系指標
移動平均線、一目均衡表、パラボリック、HLバンドなど
上昇トレンドがあると思えば買い、下降トレンドがあると思えば売る、トレンドの流れに乗って利益を上げるタイプのトレード手法です。
4-2:買われすぎや売られすぎを調べるオシレーター系指標
相場を見て、買われすぎや売られすぎを判断するのがオシレータ―系の指標です。買われすぎとみると売りシグナルを出し、売られすぎると買いシグナルを出すのがこの指標の特徴です。トレンドフォローとは逆の発想で、基本的に逆張り(※6)時に使います。
オシレータ―系の指標はローソク足の下に別枠を設け、折れ線グラフで表示するのが一般的になっています。下記のようなイメージです。
(例 ストキャスティクス)
■主なオシレータ―系の指標
RSI、ストキャスティクス、RCIなど
一般的にみんながやっている上昇トレンドの時に買い、下降トレンドで売るといった行為を「順張り」と言います。しかし、そういった状況とは逆に上昇トレンドで売り、下降トレンドで買う、この行為を「逆張り」といいます。
4-3:2つの指標が異なるサインを出す場合もある
相場が上昇していくと、トレンド系の指標は買いシグナルを出す一方で、オシレータ―系の指標は相場の買われすぎを感じ取り、売りシグナルを出します。そのため、同じ状況でもトレーダーはトレンド系とオシレータ―系で異なるシグナルを目にすることになります。
こうした状況は、大きなトレンドが発生すると遭遇しやすくなります。このような状況になったときは、慌ててとにかく手仕舞ってしまおうとするのではなく、そろそろ反動が出てくるかもしれないと注意して相場を観察することが基本です。
オシレータ―系が売りシグナルを出しているのは、相場が大きなトレンドが発生して勢いがあるという証拠でもあります。オシレータ―系の売り(または買い)シグナルは注意信号が出たというふうに捉えて、今後の動きに備えましょう。
5:【ポイント4】チャート分析と「確率」を利用する
相場に必勝法は存在しません。どんなに情報を手に入れても勉強をしても未来の値動きが予測できるようにはなりません。しかし、チャート分析を極めれば、FXでコンスタントに利益を出し続けることができやすくなります。個人トレーダーが狙い澄まして勝ちやすくなる唯一の方法が「チャート分析を利用して大数の法則で勝つ」というやり方です。
【ある一定の確率は少ない試行回数では、確率通りにならないが、試行回数を重ねれば重ねるほど、確率通りの結果が得られるようになる】という科学的な根拠のある理論です。ですから、6:4で勝てる勝負があるとしたら、6の方に賭け続けることで最終的には絶対に勝つことができるのです。
例えば、サイコロを振って「1」の目が出る確率は6分の1です。だからと言ってサイコロを6回振れば必ず1回は「1」の目が出るというわけではありません。10回、20回と振っても一度も「1」の目が出ない場合もあります。しかしこれが1000回、10000回と振ると「1」の目は極めて6分の1に近い確率で出現するのです。これが大数の法則です。
5-1:「エッジ」の重要性
サイコロの「1」の目が出たら掛け金は10倍、その他の目が出たら掛け金は没収、という賭けがあったとします。これは有利な賭けで、こういう賭けを「エッジがある」といいます。ただしエッジのある賭けでも、賭ける回数が少なければ勝てるとは限りません。6回振って「1」が1回も出なければ負けてしまうからです。ところが、回数が多くなれば大数の法則に従って「1」の出現率は限りなく6分の1に近づくので、賭け続ければ最終的にはトータルで賭けに勝つことが出来るのです。
どんな投資でもエッジのある取引を続けなければコンスタントに利益を得ることは出来ません。
5-2:トレードにおける勝利の方程式
チャート分析の目的は価格変動の中で、買いまたは売りに「エッジがある状態」を見つけ出すことです。そして「エッジがある状態」とは、買いと売りの勢力のバランスが崩れている状態を意味します。価格変動の中でそういった瞬間を見つけ出すのがチャート分析です。そしてその見つけ出した優勢な方に賭けていくのがトレードにおける勝利の方程式です。
もちろん、エッジのある方に賭けても外れることはいくらでもあります。でも、一度や二度外れたからと言って諦めては、そこで負けが確定してしまいます。何十回、何百回と当たり外れを繰り返していくうちに、気が付いたら利益が上がっていたというのが大数の法則、つまり確立を利用した勝ち方なのです。
6:まとめ
個人トレーダーが利益を得続けていくためにはファンダメンタルズ分析だけでは難しく、やはりチャート分析が重要となります。ただチャートのパターンを覚えて理由もなく使うというスタンスではなく、この記事でご紹介した4つの基礎ポイントを意識して、利益を上げるための基盤としていただけると幸いです。
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