半保存的複製
新しくDNAを合成する際は2本鎖が解け、それぞれ新しいDNAを合成するための鋳型となる。半分は元のDNAがベースになって複製されることを半保存的複製と呼ぶ。メセルソンとスタールによる実験
半保存的複製を証明したのはメセルソンとスタールである。彼らは窒素(14N)の同位体15Nを用いて大腸菌のDNAを複製させた。- 1度目の複製では、15Nと14Nの中間の重さを持ったDNAが複製された。
- 2度目の複製では、15Nと14Nの中間の重さを持ったDNAと、14Nだけの軽いDNAが複製された。
DNA複製の仕組み
DNA複製は以下の順序で起こる。①二本鎖の開裂
複製の始まりとなる部分を複製基点(レプリケーター)と呼ぶ。複製基点においてDNAヘリカーゼと呼ばれる酵素がDNAの2重らせん構造を解き、1本ずつのヌクレオチド鎖となる。
②プライマーの結合
プライマーと呼ばれる短いRNAが、解かれたヌクレオチド鎖に結合する。③ポリメラーゼによる合成
プライマーを目印としてDNAポリメラーゼと呼ばれる酵素が解かれた1本鎖DNAに結合する。DNAポリメラーゼは相補的な塩基を持つヌクレオチドを結合させていく。DNAポリメラーゼは鋳型DNAを3'から5'の方向に進行し、5'から3'の新しいヌクレオチド鎖を合成する。3'、5'とはデオキシリボースの炭素の番号のことである。デオキシリボースの5番目の炭素がある方向を5'、3番目の炭素がある方向を3'と呼ぶ。それぞれの鎖のヌクレオチドの向きは逆向きになっている。
④リーディング鎖とラギング鎖
1本のヌクレオチド鎖は、DNAヘリカーゼが開裂する方向に向かってDNA合成するため、連続して合成できる。そのDNA鎖リーディング鎖と呼ぶ。しかい、もう一方のヌクレオチド鎖は、DNAヘリカーゼの進行方向と逆向きに合成を進行するため、不連続なDNA複製を行う。この不連続な合成を行う鎖をラギング鎖と呼び、合成された短いヌクレオチド鎖を岡崎フラグメントと呼ぶ。岡崎フラグメントはDNAリガーゼによって連結される。また、複製が終わると、プライマーが分解される。その後DNAが合成され、DNAリガーゼによって結合される。DNA複製。不連続な複製を行う鎖をラギング鎖、連続した複製を行う鎖をリーディング鎖と呼ぶ。http://imgur.com/
中央がヘリカーゼ、上がラギング鎖、下がリーディング鎖https://plus.google.com/
別アングルhttps://plus.google.com/
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コメント
コメント一覧
DNAポリメラーゼの鋳型DNA上の進行方向は3'→5'と書いたつもりでしたが、わかりづらい文章で誤解を招いてしまい申し訳ありません。
ご指摘の通り、新しく合成されたDNAは5'→3'です。何とか訂正してみましたが、まだわかりづらい文章です:w:すみません