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News Up “号泣”元県議 出廷に向けた奥の手
1月25日 17時05分

News Up “号泣”元県議 出廷に向けた奥の手
大きく話題になったあの“号泣会見”から1年半余り。詐欺などの罪に問われている兵庫県議会の元議員、野々村竜太郎被告を巡って、あることばがネットで話題になっています。
それは「勾引状(こういんじょう)」。野々村元議員が去年11月に予定されていた初公判を欠席したことを受けて、神戸地方裁判所が出したものです。ネット上では、「勾引状ということば初めて知った」「勾引状って何?」「泣きながら連れて行かれる姿想像してしまう」といった反応が相次ぎました。
お堅い法律用語としては異例の注目を集めているこの「勾引状」、どんなものなのでしょうか?

なぜ出された?勾引状

兵庫県議会の議員だった野々村竜太郎被告は、おととし7月までの3年間に、兵庫県の城崎温泉や東京などに344回にわたって日帰り出張をしたとするうその報告などで、政務活動費910万円余りをだまし取ったとして、詐欺などの罪に問われています。
初公判は去年11月に神戸地方裁判所で開かれる予定でしたが、野々村元議員は弁護士に「精神的に不安定になっている」として欠席しました。裁判所は、正当な理由がなく欠席したという見解を示していて、26日に改めて開かれる初公判も正当な理由なく欠席するおそれがあると判断し、先週、この「勾引状」を出したものです。

勾引状にどんな力が?

ネット上では、この「勾引状」について、ツイッターなどにさまざまな書き込みがされ、注目が集まっています。「勾引状というもの初めて知ったけど、そんなに“強い”んだね」「勾引状で逃げれないってさあーあ勾引状すげえ強い」「病人でも勾引やるのかねー」など驚きや疑問が書き込まれています。

では、この「勾引状」、具体的にどういうものなのでしょうか?
「勾引」は刑事裁判の被告が、正当な理由がないのに裁判を欠席するおそれがある場合に、強制的に法廷に連れてくる手続きです。「裁判に出ることは健康上支障がある」といった内容を盛り込んだ医師の診断書がある場合などは、正当な理由となります。しかし、複数回にわたって裁判を欠席した場合や、行方が分からなくなった場合などに、裁判所が最長で24時間被告を拘束することができる「勾引状」を出します。
勾引状が出ると、検察は、被告を強制的に法廷に連れてきたり、拘束して拘置所に移したりすることができます。

在宅起訴では異例

裁判に強制的に出廷させる「勾引状」。裁判所の統計によりますと、全国の裁判所が被告や裁判の証人に対して勾引状を出した件数は、おととし(H26)は88件だったということです。
ただ、専門家によりますと、野々村元議員のように、捜査機関が身柄を拘束せず任意で捜査を行い、在宅のまま起訴した被告に勾引状が出るのは異例だということです。

政治とカネを巡って、より高い透明性が求められるなか、この「勾引状」をきっかけに、今度こそ初公判は開かれるのか?注目です。

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