取り組み前、背を反らす琴奨菊=両国国技館(撮影・今野顕)【拡大】
★TV局ハシゴ
表彰式、優勝パレードの後、琴奨菊は東京都内のホテルで行われた佐渡ケ嶽部屋の千秋楽祝賀会に出席。約700人の関係者から喝采を浴びた。その後はNHKの「サンデースポーツ」、フジテレビの「すぽると!」に生出演した。同番組内では、上体を反るルーティンの命名について感想を求められると「『琴バウアー』か(アニメのドラゴンボールの技)『元気玉』ですね」と答えていた。
データBOX
◎…国内出身力士の優勝は平成18年初場所の栃東以来59場所ぶり。ちょうど10年ぶり
◎…新入幕から所要66場所で初めて賜杯を抱くのは、史上2位の遅さ。初土俵から84場所は史上6番目のスロー記録
◎…31歳11カ月で初めて制するのは、年6場所制となった昭和33年以降では3番目の年長記録
琴奨菊 和弘(ことしょうぎく・かずひろ)という男
★生まれ、サイズなど 本名・菊次(きくつぎ)一弘。昭和59(1984)年1月30日生まれ、31歳。福岡・柳川市出身。得意は左四つ、寄り。1メートル79、180キロ
★相撲との出会い 小学3年の時に祖父の一男さんの勧めで相撲を始め、小学校卒業後は明徳義塾中・高へ相撲留学
★入門 高校個人7冠に輝き、鳴り物入りで佐渡ケ嶽部屋入門。平成14年初場所で初土俵。当時の師匠、先代佐渡ケ嶽親方は「胸板は薄いし、下半身も細い。相当鍛えんと、ものにならんぞ」と当初、辛口だった
★出世 16年名古屋場所で新十両。17年初場所で新入幕。23年九州場所で大関昇進
★琴バウアー 23年秋場所から「新しい自分をつくる」と模索し、「琴バウアー」と呼ばれるルーティンを始める。取組前、最後の塩を左手で取って振り向き、両腕を大きく広げて上体を思い切り反らす
★タイヤ特訓 大型車用のタイヤ内部に重りを詰め、部屋近くの公園で週2~3回、約2時間押す特訓を昨年から敢行。8キロ、12キロ、24キロと3種類のやかん型ダンベルを連日30分以上も上下させる、ブルース・リーも行っていたというトレーニングも取り入れた
(紙面から)