2016-01-24

今こそが暴力と野蛮の時代

過去時代が美しい、というセンチメンタルな人々には与しないが、過去が野蛮だというこの人のセンスには、もっと賛成できない。

昔のエピソードとかを見たり聞いたりすると、本当に荒々しくて粗雑で野蛮だと感じることが多い。現代に生まれてよかった。

http://anond.hatelabo.jp/20160124080221

ハトは最も残酷だ』という話を思い出す。強力な牙も爪も持たない無力なハトは、群れることで生き延びている。そんな彼らは、しばしば仲間イジメをする。そのやり方とは「全員でなぶるようにつついて集団から追い出す」だ。一撃一撃はソフトだが、集団でやればそのダメージは計り知れない。そして、元々無力なハト集団から追い出されれば死ぬしかないのに、追い出す側は「オレは一突きつついただけだ」と、罪悪感を感じない。

この人の言う「現代メディアの『配慮』」とやら、そして、それらが煽り立てる匿名集団による炎上行為は、ハト残酷さを思い起こさせる。誰も責任を取るつもりのないソフトリンチがまかり通る社会。日ごとに悪ふざけのような発端で祭り上げられる犠牲者と、次の犠牲者を指さしながら、巧みに被害を被らないようコソコソ「善良に」語ろうと「配慮」する強者メディア)たち。個人の強い意思人間性といった尊いものが、その中でどんどんと失われていく。ハトリンチに誰もが脅え、身を隠そうとすり減らす毎日

『荒々しくて粗雑で野蛮な時代』というのは、一体いつの時代ことなのか?

あるいは、こう言うべきなのかもしれない。

我々が『荒々しく粗雑で野蛮』でなくなったと思っているとすれば、それは幻想だと。

トラックバック - http://anond.hatelabo.jp/20160124191212

記事への反応(ブックマークコメント)