辻健治
2016年1月25日07時00分
天国から憧れのJリーガーに――。サッカーJ2・東京ヴェルディの「選手」の一員になれる企画で、脳腫瘍(しゅよう)で10歳で亡くなった少年が「新加入選手」として紹介された。
稲城市にあるヴェルディのクラブハウス。今月17日、2016年シーズンの新体制発表会見に続き、サポーターが選手を疑似体験できる商品「ヴェルズ」(Verdy Expanded Roster System)の「新体制」発表会見があった。
「背番号55番 岩田和磨選手」。アナウンスに促され、岩田浩明さん(48)=江戸川区=が写真パネルを胸に会見場に姿を見せた。写真の中でにっこりとほほ笑む息子の和磨さんに、本物の選手と同じ緑色の小さなユニホームを着せた。
■「空から頑張りたい」
契約書に署名し、冨樫剛一監督やクラブの羽生英之社長と握手した。「おそらく日本で最年少のプロサッカー選手になることができました。10歳です。ゴールキーパーをやっています。空からですが、ぜひ頑張りたいと思います」。浩明さんのあいさつを、羽生社長は涙を拭いながら聞いた。
小学校に入学してからサッカーを始めた和磨さん。アルゼンチン代表のメッシ選手が大好きだった。初めて観戦したプロサッカーの試合は、国立競技場であったヴェルディ戦だった。
両親が和磨さんの異変に気づいたのは3年生の夏。練習中に他の選手とぶつかることが多くなり、家ではテレビに近すぎるぐらい近くで見るようになった。
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