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「キリシタン遺物」否定 国東市教委専門家委が16点調査

 国東市内に点在するキリシタン遺物を調べた市教委専門家委員会(大石一久委員長)は24日、キリスト彫刻で知られる「INRI(インリ)祭壇石」など対象16点について「全てキリシタン遺物と認められない」という結果を明らかにした。時期的矛盾や神仏モチーフとの混同などを確認。行政や民間団体が解説板を立てたり観賞ツアーを開いてきたものもあり、学術的裏付けを期待してきた関係者は対応を迫られそうだ。

 調査対象は国見町15カ所、国東町1カ所にある墓石や灯籠などの主に石造物。2014~15年度、元長崎歴史文化博物館研究グループリーダーで石造物研究の第一人者大石委員長(64)ら5人が現地で調べた。
 この日、市内で関係者報告会を開催。魚の絵と「INRI」(「ユダヤ人の王ナザレのイエス」の頭文字)の彫刻が遺物の証しとされてきた祭壇石(国見町櫛来)は(1)彫刻の拓本はいずれにも読み取れず、近くの「永福寺中世墓群」宝塔の装飾とほぼ同じ(2)近くで見つけた類似形態の石造物の銘文などから祭壇石の製作時期は17世紀後半~18世紀初期と推定。当時は禁教期で碑面に刻む時代的環境にない―と説明した。
 岐部神社(国見町岐部)の石灯類の十字の彫り込みなど、松林寺(同)の「三位一体像」はそれぞれ神道、仏教に一般的な様式とした。近く報告書にまとめる。
 国見町はカトリック福者ペトロ・カスイ岐部(1587~1639年)の出身地。国東市は県内5市町とキリシタン遺物の活用に向けた連携協定を結び、日本遺産申請の準備も進めている。三河明史市長は「ペトロ岐部が存在した事実は変わらず、顕彰活動に影響はないと考えている」と話した。

<メモ>
 1998年に旧国見町を訪れた東大教授がINRI祭壇石を「学術的に貴重な発見」と認めたのを機に町文化財調査委が関連遺物を調査。2006年に報告書「北浦辺かくれキリシタンの遺跡」を発行した。今回は報告書を基に専門家委が「可能性がある」としたものを調べた。
※この記事は、1月25日大分合同新聞朝刊1ページに掲載されています。

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