米国ラスベガスのCES 2016会場より。CESの開催期間中ラスベガスでは、様々なIT関連イベントが併催されているのをご存知でしょうか。その1つ「Storage Visions」は、半導体やメモリ、サーバー、ネットワークなどをテーマに様々なカンファレンスや技術関連の展示が行われています。
内容はBtoB向けですが、たまに面白い発表や展示があり、そこで「Rogue Maker Kits」というお裁縫で電子工作が学べるキットを見つけました。
電子回路の仕組みを学ぶ子ども向けの教材は、リアル、バーチャル問わずいろいろありますが、「Rogue Maker Kits」の最大のポイントは半田付けを使わず、裁縫や手芸用品とその手法を取り入れているところ。ボタンやスナップ、ホックなどに見立てたLEDライトやチップ、コンデンサーを電気を通す特殊な糸で布に縫い付けることで、電子回路の基本が学べるのです。
開発者のTenaya Hurstさんは、ハンドメイド感覚で電子工作を学べる教材を開発するため、2014年にRogue Makingを立ち上げたと言います。
「私は子どもの頃から電子工作が大好きだったけど、女の子は手芸や裁縫を勉強しなさいという風潮があって、女友達も電子工作に興味を持ってくれなかった。でも、両方一緒にできる教材があれば、男女関係なく両方のスキルを学べるし、何よりも半田付けを使わないから安全なのよ」
キットは基本パッケージが20ドルからと価格も抑えられていて、学校教材として手軽に購入できるようになっています。新しい教材の開発も続けていて、ブローチやブレスレットなどのアクセサリーキットも発売されています。
Tenayaさんは普段は、学校やメイカーズ関連イベントで「Rogue Maker Kits」を使ったワークショップを開催していますが、アーティストとして作品を発表したり、著書を執筆するなどの活動もしているそうです。
最近のお気に入りは、小型PCのARDUINO<http://www.arduino.org/>を使った電子アクセサリーの制作で、展示会場でも、センサーの反応に合わせてLEDが点滅するティアラや、ブローチなどを身に付けていました。
今年の「Storage Visions」では、女性のプログラミング教育がテーマの1つに取り上げられており、「CODE GIRL」<http://www.codegirlmovie.com/>というドキュメンタリー映画の上映会が行われるなど、テクノロジー関連分野への女性参加を後押しする動きは、アメリカでもようやく始まったところのようです。
日本でも家庭科の授業に「Rogue Maker Kits」をぜひ取り入れて、ハイブリッドな才能を磨くチャンスにつなげてほしいものです。