どんなイメージがありますか?
大変そう。とか 自由そう。とか
いろいろなイメージがあるとおもいます。
ぼく自身去年の1/20に前職を辞めたので、
フリーで働くようになってからちょうど1年が経ちました。
そこで、一年間フリーで働いてきたぼくが
実際に感じたこと、学んだことを書いていきます。
なにかの参考になると嬉しいです。
◎デメリット
1. 収入が不安定
これは誰もが思うことだとおもいます。
普通に会社に勤めている会社員には
「固定給」というものがあります。
毎月必ずもらえる給料のことですね。
体調を崩して休んでも、会社の売り上げが落ちても
これは貰うことができます。そういった意味では
とても安定しています。会社にいれば自然と昇給も
していきます。
一方、フリーで働いた場合これはありません。
固定給ではなく、働いた分に対する報酬、上げた成果や
価値に対する報酬がもらえるパターンがほとんどです。
現にぼくは今
柔道整復師という国家資格をもちながら
整体師としてフリーで活動しているのですが、
会社と契約して完全歩合制で報酬をいただいたり、
オンラインショップを使って出張治療をしたり、
レンタルサロンを使っての施術をしています。
そういった働き方をしていると
固定給というものはありませんし、
働いたら働いた分だけの収入が入るので
自分との戦いになります。ゆえに不安定です。
戦ってる感覚はありませんが(笑)
2. 社会的信用がない
ないとまでは言いませんが低いです。
会社員であればバックに会社という強い味方が付きます。なのでたとえば銀行からもお金が借りやすいですし、ローンを組んだり、住宅や不動産系の契約にも強いです。
ようは審査に通りやすいんですね。
個人事業主の場合、収入が不安定という見られかたをされるので、上記審査にも不利な場合が多いです。もちろんクレジットカードや銀行口座開設などは問題ありませんが。
3. 税務処理がめんどくさい
これもありますね。
ぼくも税務関係については会社員をやめてから自分で調べたのですが、通常会社に属していると、もろもろの納税を会社が代わりにやってくれます。
そのへんをいろいろ省略して
わかりやすく書いてみるとこんな感じ
・会社員は先払いシステム
そしてこの給料から税金が事前に差し引かれていることを「源泉徴収」といいます。給料(源泉)からの徴収ですね。この事前に差し引かれて納税する " 制度 " のことをいいます。
そして会社側が年末に " 最終的な納税額の調整 " をします。それが「年末調整」です。そこでもし税金を払いすぎていた場合には還付金が返ってきて、不足している場合には徴収する。という手続きがあり、納税が完了します。
年収2,000万円を超える人と、副業での所得の合計が年間20万円を超える人は、会社とは別に自分で確定申告が必要です。
・個人事業主は後払いシステム
自営業やフリーランスの場合、給料や報酬がダイレクトに入ってきます。自分が自営業でカフェをやっていて、そのカフェの売り上げから税金が天引きされてたらおかしいですよね?会社に属していないので、そもそも天引きする人がいません。
なので自分で申告するんですね。「確定申告」というカタチで。2月中旬〜3月中旬にかけて、前年度の収入や、かかった経費などを自分で申告するんです。税務署に。そしてその金額から、いくら税金を払うのかが計算されて請求書がくるので、まとめて払うんです。後払いなんですね。
◎補足:ここでいう経費とは、交通費(定期代)やカフェ代(接待交際費)や自宅で仕事している人なら家賃(事務所代)などです。
人によっては、旅行代を研修費として申告したり、服代をユニフォーム代として経費で落としてうまく節税しています。内容によりますが、だいたいの場合ちゃんと領収書をとっておけば計上できます。
確定申告をするならクラウド会計ソフトfreeeがめちゃめちゃ便利です。
4. 福利厚生がない
個人で活動していると、これもないです。
会社員の場合、社会保険というものに会社が加入しているパターンが多いので、福利厚生というものがあります。
これは具体的にどんなものがあるのかというと
・健康保険
このおかげで医療機関にて3割の負担で治療や検査が受けられたり薬がもらえます。国民皆保険制度というものが日本にはあり、みんななにかしらの保険に加入して保険料を払って保険証をもっているとおもいます。そして会社が社会保険に加入していれば会社が保険料を半分負担して払ってくれます。
・厚生年金
これは会社が年金を上乗せして払ってくれる制度です。本来個人が払うべき年金額に加え、会社が厚生年金というカタチで上乗せして払ってくれるので、将来もらえる年金がけっこう増えます。
・介護保険
40歳を過ぎた月に加入します。本人が介護が必要になったときに、その家族の負担を減らすための保険です。
・労災保険
働いたら強制加入の保険。バイトでも。通勤中や業務中に労働災害がおきた場合におりる保険。このときの治療費に関して、労働者の負担はなし。
・雇用保険
労働時間などの条件を満たすと加入できる。これに入っていると、労働者が離職した際に失業保険がおりる。
あとは良心的なところだと、
住居手当(社宅・寮・家賃補助)や社員食堂や子育て支援なんかもありますよね。
5. ボーナスがない
もちろんボーナスもないです。
ボーナス(賞与)のしくみから言うと、
これは社員のモチベーションを上げたり
日ごろからがんばってくれている社員のために
ねぎらいの意味で支給されます。
会社が上げた売り上げの余剰分から出されます。
上がりすぎた売上を社員に還元しようというものですね。それをそのまま利益として残しておくと、そこから税金が発生してしまうので
社員にボーナスというカタチで還元します。
つまり節税にもなります。だからもらえる金額が変動するんですね。売り上げに応じて。
これを社員旅行というカタチで還元する会社も
あります。お客さんに還元するときは利益還元祭や
セールみたいなものを行います。
6. イメージがよくない
上記の項目を見た通りですね。
会社員にはたくさんの安定するための保障があります。
会社も社員に気持ちよく働いてもらいたいですし、辞めてほしくないですからね。辞めない理由となるものがしっかり用意されています。
日本には「安定=良い」という文化があるので
不安定であるフリーランスはイメージが悪くなりがちです。とくに女性からの(笑)
女性は早い段階から結婚を意識する人が多いの
かもしれません。なので「結婚を前提に」という彼女はできにくいということをよく耳にします(笑)
あとは親も心配するパターンが多いですね。
まあそりゃそうでしょう。
◎メリット
次にメリットです。巻き返していきますよ〜。笑
1. 時間の自由
まず時間が自由です。働き方によりますが。
自分が社長みたいなものなのでスケジュールも自分で組みます。
ぼくの場合、働く日にち、時間、日数まで
自分で決めています。
出社時間も毎日同じ時間に決まってるわけでもないですし、終わりの時間もとくに定時みたいなものはありません。朝起きてから寝るまでの時間を自分でデザインするような感覚です。
2. 場所の自由
場所も自由です。
インターネットを使う仕事ならカフェでもできますし、
もし働きたい場所があるならばその付近で仕事を作ればいいです。
組織に属していない分、自分一人で身軽です。
3. 精神の自由
自由の提唱が3つ続いて
なんだか思想家のルソーみたいになりましたね。笑
会社員として働いていると精神的なストレスというものが大きい人も多いのではないでしょうか? たとえば理不尽な上司がいたり職場の人と全然合わないこともあるでしょう。
しかしフリーなら上司という存在がいません。
そして働く人も選べます。自分が好む人とタッグを組んだり、良いとおもう会社と契約することもできます。無理だとおもったら簡単に切れます。身軽なんですね。
そして離れてからわかったことなのですが、
上司というか " 評価してくれる人がいる " というのは
ありがたいことだったなあと思います。
外側からちゃんと見てくれる人がいると、
自分の成長を実感しやすいんです。
フリーだと評価をくれるのがお客さんだけなので、
以前の自分とくらべて成長したのか実感することが
なかなかむずかしくなってきます。
4. 頑張り次第で会社員より稼げる
これもあります。
固定給というものがないので頑張れば頑張るだけ
収入は増えていきます。ダラければダラけるだけ
収入は減りますが。
自己管理が大切になってきます。
現にぼくは今、前職に勤めていた頃より
収入は多いです。
固定給というものがあると安心ではありますが
頑張った分だけ収入が上がるというのは
短期的にはむずかしかったりするので
モチベーションが上がりにくいのが難点です。
5. 成長できる
これが一番ありました。
会社員の頃と比べて成長スピードが5倍くらいにはなりました。あの頃もけっこうなスピードで成長しているつもりでしたが、今はものすごく早いと感じます。
具体的に成長したことを挙げると
・判断力、決断力
上司などもいないので自分で全部選択して決断します。まかせっきりというのができないので何をするにも自分の判断であり、自分の責任になります。
・行動力
組織にいると、その中で役割がありいろんな歯車が噛み合ってモノゴトがうまく進んでいくとおもいますが、個人の場合自分が動かないとまず初動がありません。波が立たないんですね。きた波に乗ればよかった会社員時代とはちがいました。
・知識
これはたくさんつきました。まず、会社から出ると自分がなにも知らないことに気付きます。社会のこと、会社のしくみ、世の中のしくみ、お金の流れ、税金のこと、などなど。ひたすら本を読んで人に聞いてネットで調べて学びました。会社にいると、知らなくてもやっていけちゃうんですよね。デメリットのところで挙げた内容も知らなかった人は多いかとおもいます。
自分で生きていく力がついて、自立するんですね。
6. マネジメントスキルがつく
会社にいると経営者や上司から知らず知らずのうちにマネジメントされていると思いますが、
フリーの場合自分でしなければなりません。
これをセルフマネジメントといいます。
大きく分けて3つあります。
時間管理ですね。出社時間や定時がないため全部自分で決めないといけません。自分で決めるとダラけやすいんですね。一日の予定をこまかくスケジューリングするようになりました。
・マネーマネジメント
お金の管理です。収入と支出を計算していきます。売り上げとそれにかかった経費などですね。家計簿をつける主婦の気持ちがわかります。笑
・メンタルマネジメント
会社には朝礼やミーティングや昇給や昇進、ボーナスや社員旅行や上司からの評価など、たくさんのモチベーションを上げるしくみが用意されているわけです。それによって社員のモチベーションが上がり売り上げにつながっていきます。
しかし個人でやっているとそれがまったくありません。なので自分でモチベーションの上がる要素を見つけて維持したり、目標設定やショートゴールを作ってやっています。意外とこれがむずかしい。
あとはプライベートで悩んだり落ち込んだりしてパフォーマンスが下がると収入も下がる可能性があります。会社員は彼氏と別れて落ちてたとしてもとりあえず出社していれば同じ給料がもらえますが、個人だとそうはいかなかったりします。パフォーマンス次第になってきます。
自由であるがゆえに、自分で管理しないといけないというリスクがつきまといます。
なので自然とマネジメントスキルがつきます。
7. まとめ
読んでいて感じたかとおもいますが、
会社員は会社というものに予想以上に守られています。会社という敷地の中にいればとりあえず安心なのです。力を発揮するフィールドを作ってくれるし、そのための武器もくれます。ときにそれが羨ましくもあります。
ぼくがフリーで働き始めたときは、
ジャングルに放り出された感覚でした。
そこでなんの武装(知識)もないことに気づき
勉強し始めました。
どっちが良い悪いはないと思いますし、
どっちも素晴らしいとおもいます。
人が働くというだけで社会に経済価値を生みます。
しかし会社員の怖いなあとおもうところは、
会社に守られてるが故に努力をしなくなることです。
毎日出社して働いていれば
パフォーマンスの高さに関係なく固定給はもらえますし手厚い保護もあります。ゆえにダラけやすいですし、めちゃくちゃ頑張ってもなかなか給料が上がらず周りのサボっている同期と同じ収入だったりします。
自分がやりたいことがあっても
会社の方針と違えばできませんし、自分という人間はもっと価値があるはずなのに上司という1人の人間の評価ひとつで価値が決まります。どうしても向上心を削がれる環境だなあというのは感じていました。
副業禁止という会社が多いなかで外の世界を見せてもらえず、他の世界を知らないままにいると、いざリストラや転職するとなったときにどうしようもなくなります。自分で生きていくサバイバル能力みたいなものがないんですね。
ぼくはフリーにならないかぎり
これらのことを勉強しなかったと思いますし
あれこれ行動して飛び込んでみたりもしなかったと思います。
自分で社会に価値を生み出そうなんて
考えもしなかったです。
だからこの記事がそんなだれかの勉強したり行動するキッカケになったらなあ。なんて思いながら書きました。自分の経験がだれかの役に立ったなら嬉しいです。
フリーで働いているぼくの目線で書いたので
けっこうコッチ寄りの意見になってしまったかと思います。誤解を生んでしまったならすみません。会社組織というのはほんとうに素晴らしいとおもいますし、ぼくのいた会社も素晴らしいところでした。
まだ24歳の若造ですが馬鹿みたいに行動力と好奇心だけはあります。まだまだいろいろなこと学んでいきたいので別の意見があったら聞きたいです。
読んでくれてありがとうございました。