AWS利用の勘所

AWSへの移行要件とは--目標の確認と遂行

田村謙介(アイレット) 2016年01月25日 07時00分

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 前回は「Amazon Web Services(AWS)利用をはじめる際のポイント」を紹介した。「とにかくAWSを始めてみよう」と前向きに考えることはできても、現実にはまだ少し漠然としていて、次の一歩が踏み出せないのではないだろうか。特にオンプレミスで稼働しているシステムをAWSに移そうとするならなおさらだ。

 今回は、オンプレミスのシステムをAWSへの移行を進める際の勘所について解説したい。


移行の目的を再確認する

 文字通り、AWSに移行する目的をもう一度確認してほしい。目的が明確になっていたという認識でも、途中で何度でも再確認したほうがいい。クラウドに移行するつもりが、気がつかないうちにオンプレミスの思考に戻ってしまいがちだからだ。

 くわしくは後述するが、オンプレミス向けに設計したシステムをそのままAWSに移行しようとすると、期待した効果が発揮できず、企画倒れになってしまうことも少なくない。

  • 企業の経営方針の変更や時代のニーズの変化に機敏に反応できる「アジリティ」を求めたい
  • ピークに合わせて調達しているサーバ投資を抑えて「コストを削減」したい
  • 震災以降、課題に挙がっているものの、現実的なコスト感のある解決策が見つからない「ディザスタリカバリ」を実現したい

 など、さまざまな目的があるだろう。

 これら従来のオンプレミスでは、なかなか実現できなかったことをクラウドの特性を活かして達成しようと目論むならば、規模の大小はあれど従来のオンプレミスのやり方を見直し、クラウドの流儀に合わせる必要がある。そこでようやく期待した効果が発揮されるからだ。

AWSに最適化するためのポイント

 では、クラウドの流儀とは一体何だろうか。前述したクラウド移行の目的を例に挙げてみよう。

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