25日北陸70cm、東北60cm降雪予想
日本列島は24日、上空にこの冬一番の寒気が入り込んだ影響で厳しい冷え込みとなり、西日本や北陸を中心に記録的大雪となった。九州などでは各地で観測史上最低気温を記録。鹿児島県・奄美大島で115年ぶりに雪が降ったほか、沖縄県でも本島(名護市)で観測史上初、久米島で39年ぶりのみぞれ(観測分類上は雪)が観測された。気象庁は25日も吹雪や暴風などに警戒するよう呼びかけている。
気象庁によると、24日午後7時現在、観測史上最低気温を記録したのは、兵庫県香美町(兎和野高原)で氷点下10.2度▽福岡市博多区で同4.3度▽長崎県五島市で同4.4度など。また午後11時までの24時間降雪量は、新潟県長岡市65センチ▽島根県邑南(おおなん)町58センチなど。長崎市では積雪が1906年の観測開始以来最深の17センチとなった。
東日本では雪の事故も相次いだ。新潟県阿賀野市の上江川で堰(せき)を除雪していた土木作業員、榎本良夫さん(63)と妻の美佐子さん(59)が約870メートル下流で発見され、死亡が確認された。同県柏崎市では80代とみられる男性が家庭用除雪機の下敷きになって死亡。青森県田子町の無職、中村シゲさん(79)は物置小屋の雪下ろし中の転落とみられる事故で死亡した。
気象庁は、25日午後6時までの24時間降雪量を多い所で、▽北陸70センチ▽東北60センチ▽関東甲信、東海、近畿、中国50センチ▽九州北部40センチ−−と予想。大雪による交通障害、なだれや着雪による農作物の被害、路面や水道管の凍結に注意するよう呼びかけている。
気象庁によると、25日にかけて全国的に非常に強い風も吹く見通しで、予想される最大風速(最大瞬間風速)は、中国、北陸23メートル(35メートル)▽伊豆諸島、九州南部、奄美22メートル(35メートル)▽関東、東海、近畿など20メートル(30メートル)。
24日は交通も乱れ、空の便は西日本の空港の発着便で欠航が相次いだ。日本航空は、滑走路が積雪した長崎空港や鹿児島空港で終日運航を見合わせるなど計122便が欠航。全日空も170便が欠航し、両社で計約2万5000人に影響が出た。日本航空は25日の長崎や北九州空港発着の始発便など11便、全日空は29便の欠航を決めた。【まとめ・島田信幸】