2016-01-24 自らの無能ぶりを無視してドヤ顔報道する大新聞の厚顔無恥社説
■[メディオ]自らの無能ぶりを無視してドヤ顔報道する大新聞の厚顔無恥社説
前回の22日のエントリーでは、当ブログとしてスクープを連発する週刊文春について取り上げました。
2016-01-22 文春無双!!〜週刊文春がスクープ連発する3つの理由
文春がスクープを連発する理由として、「突出した取材力」、「圧倒的なたれ込み数」、「記者クラブに加盟してない出版系の強み」の三点をあげました。
●理由1:突出した取材力
週刊文春は、反響の大きそうなネタの場合、5〜10人ほどのチームを組み、時間をかけ入念に取材を進めるかたちをとります。
これは他誌には経済的に絶対まねのできない編成です。
一般週刊誌で10年以上発行部数トップを独走し、この出版不況の中唯一潤沢な取材費を確保できている文春ならではの編成なのです。
●理由2:他の追随を許さない圧倒的なたれ込み数
文春には毎日のように内部リーク、いわゆる「たれ込み」情報がもたらされています。
今週号の3大スクープにしても、甘利明大臣の件とベッキーさんの件は間違いなく「たれ込み」情報です。
●理由3:記者クラブに加盟してない出版系の強み
そして週刊文春の最大の強みは、なんといっても日本記者クラブに加盟していないことにあります。
今回の甘利明大臣賄賂疑惑の実名告発スクープ記事も、間違っても新聞社系の週刊朝日やサンデー毎日には掲載されることは不可能だったでしょう。
まあ週刊誌の中では5〜10人の記者編成をしてしっかりとした取材をする文春なのですが、情けないのは、何百人も記者を抱えながら、政治家のスキャンダル報道に絶えず及び腰のチキンメディア、日本記者クラブ会員のこの国の大新聞の不甲斐なさであります。
22日付け各紙社説は、一斉にこの週刊文春がもたらした甘利氏の献金疑惑を、恥ずかしげもなく取り上げています。
【朝日社説】甘利氏の疑惑 全容解明の責任果たせ
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12171287.html?rm=150
【読売社説】甘利氏献金報道 疑惑解明へ説明から逃げるな
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20160122-OYT1T50106.html
【毎日社説】甘利氏の疑惑 「あいまい」では済まぬ
http://mainichi.jp/articles/20160122/ddm/005/070/038000c
【産経社説】政治とカネ 甘利氏は明確に説明せよ
http://www.sankei.com/column/news/160122/clm1601220001-n1.html
【日経社説】経財相は真摯に疑惑に答えよ
何ですか、「全容解明の責任果たせ」(朝日社説)とか「疑惑解明へ説明から逃げるな」(読売社説)とか、タイトルだけは勇ましいですが、全社説とも情報ソースは一週刊誌のスクープ記事だけです、何百人も記者抱えていながら、この体たらくであります。
それでいて情報ソースである週刊文春に対しての敬意がまったくないのはどうゆうわけでしょう。
例えば朝日社説では「週刊文春」の記述は二箇所だけ。
週刊文春が報じた疑惑は、
週刊文春の記事には
読売社説は一箇所のみ、あっさりしたもんです。
疑惑は、週刊文春が報道した。
毎日社説も一箇所。
一連の疑惑は「週刊文春」が報じた。
産経社説も一箇所。
週刊文春の記事によれば、
何だろう、他人の報道で社説を掲げているわけだから、いわば他人のふんどしで相撲をとっているようなものなのだから、もっと文春に敬意を払うべきだし、同じメディアとして自分たちの無能さを謙虚に反省すべきなのに、この人を馬鹿にしたような上から目線は。
週刊誌など三流メディアだと言わんばかりの、プライドばかり異様に高いこれらの社説群なのであります。
で、日経社説であります。
社説には一行も「週刊文春」という単語が出現していません。
これはひどいです。
著作権法上、報道目的のための「引用」であれば許可は必要しませんが、引用先を明示することが著作権法第48条に定められています。
また、報道に携わる者の倫理として、読者に正確な情報を伝えるという観点からも、情報ソース・引用先を明示することが求められるわけです。
日経新聞よ、あなたがたの社説は報ステと同じです、情報ソースへのリスペクトが全くないのです。
(参考記事)
週刊文春2016年01月22日 18:07「週刊文春」が甘利大臣報道で「報ステ」に抗議
・・・
何百人もの高給の記者たちをはべらしているのに、いつもいつも週刊誌に政治家スキャンダルのスクープ記事を先を越される自らの無能ぶりを反省することもなく、他人のスクープを利用して高飛車な社説を堂々と後おいで、ドヤ顔報道するその厚顔無恥ぶりなのです。
読者の皆さん。
閉鎖的な仲良しクラブの和を尊び、自ら政治家スキャンダルをスクープする勇気など微塵もないくせに、週刊誌がスクープすると、一斉に後追いでドヤ顔社説を並べて涼しい顔でジャーナリズムをきどっているわけです。
これが日本記者クラブの主要会員メディアの実態なのであります。
ふう。
(木走まさみず)
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