ジメジメして蒸し暑い日本の梅雨。それが終わったと思ったら、やはり蒸し暑い日本の夏。「夏バテ」という言葉は、あまり他の国では聞かないはず。
それに筋肉が多いと体感温度も高くなるため、トレーニーにとって夏はもう最悪の季節といってイイ。暑いジムは・・
話を戻そう。夏は露出が多くなる。だから頑張ってカラダを作り上げた。なのに夏バテで筋肉が落ちてしまった。こんなマヌケな結末だけは避けたいものだ。ということで、これから完璧なる夏バテ対策を紹介していくことにする。
■ 夏バテの原因と対策
夏バテの症状とは、「ダルい、やる気が出ない」とか、「よく眠れない」、「食欲が出ない」といったものがある。では、なぜこのような症状が起こるのだろうか。
1.水分代謝の問題
まずは水分代謝の問題。気温が高くなると、カラダは汗を流して体表を冷やし、体温を調節しようとする。しかし水分代謝が悪くて汗がうまく出ないと、カラダに熱がこもって熱中症のようになり、体調を崩してしまうわけだ。
またカラダのエネルギーとなるATPは、体温が37℃程度のときにもっとも効率よく合成されるようになっている。しかし汗が上手く出なくて体温が異常に上がると、ATPはスムーズに合成されなくなり、パワーや持久力が明らかに低下してしまう。
逆にカラダから汗が出すぎて「脱水」になってしまうこともある。だいたいカラダから2%の水分が失われると、パフォーマンスに顕著な低下がみられるとのこと。
酷くなるとパフォーマンス低下どころではなく、生命の危機にも関わってくる。具体的には7%の水分が失われると幻覚などを見るようになり、10%が失われると意識喪失も起こりうるのだ。
また水分摂取が足りていないということは、血液もドロドロになってしまうということでもある。こうなると栄養素や酸素も上手く運搬されないし、身体のさまざまな代謝機能が円滑に進まなくなってしまう。
さらに気をつけたいのは、腎臓の機能についてだ。脱水状態が度重なると、腎臓に流れる血液量が減り、それによって腎機能が低下してしまう可能性が高くなる。
それでなくてもタンパク質は腎臓に負担をかけるので、トレーニングで脱水状態になったところにプロテインを飲んだりしたら、さらに追い討ちをかけることになってしまう。だからトレーニング前~後にかけては、できるだけ多めに水分を摂取するようにしなくてはいけない。
さて水分代謝を正常に保つためには、何よりもまず「十分に水分を摂ること」。普段から水を多めに飲むように心がけよう。
具体的には、最低限として「体重の20分の1」を一日に飲むようにする。70kgだったら3.5リットルということ。
そして喉が渇いたと感じるときは、既に脱水が始まってしまっている。だから喉の渇きを感じる前に、早め早めに水分を補給するように心がけよう。
ここで重要なのは「どのような形で水分を摂取するか」。
コーヒーなどのカフェインを含む飲み物には利尿作用があって、かえって脱水を促進してしまう。またアルコールも同じ理由でNG。
トレーニング後のビールは美味しいものだけど、これだけでは水分補給になっていないことを肝に銘じておこう。
正しい水分摂取としては、普通の水やミネラルウォーター、カフェインを含まないハーブティー、100%果汁ジュースなどを選ぶようにすること。次回で書く予定のミネラルのことも考えると、普通にスポーツドリンクとして売られているものも悪くはない。
さて、水分補給のための簡単お勧めレシピを。
・ 1リットルの水
・ 1リットルの100%グレープフルーツジュース
・ 塩をひとつまみ
これだけでビタミン・ミネラル豊富なドリンクが完成。2リットルのペットボトルを利用して冷蔵庫に作り置きし、適宜飲むようにする。
BCAAやクエン酸などもお好みで追加してOK。炭水化物も摂取できるため、トレーニング中のドリンクとしても非常に有効だ。