これはドキュメンタリー映画。
こんなにもショッキングな事実を、私は今まで、知らずに、考えもせずに生きてきた。
ごはんを食べる前には「いただきます」と言う。
ごはんを作ってくれた人
食材となる野菜を育ててくれた人
食材となった植物や動物へ
自分が生きるために使われた、すべての命に感謝をこめた「いただきます」。
子供のころからしつけられた、当たり前のあいさつ。当たり前の感謝。
じゃあ服は?
服を買うとき
服を着るとき
自分が着るその服を
作ってくれた人のことを考えたことはあった?
作ってくれた人に感謝したことはあった?
なぜ、食事を作ってくれた人には、こんなにも当たり前に感謝できたのに
服を作ってくれた人には、感謝のかの字も感じてこられなかったんだろう。
なぜ、食材を作る光景は容易に想像できるのに
服を作る過程はわからないんだろう。
全部ロボットが作ってるとでも思ってた?
そんなことを、考えもせず、気づきもせずにいた
今までの自分が、本当に恥ずかしい。
※公式サイトから引用
安価な服を買うということは
その服を作ってくれた人の技術を、労働を安く買うということだ。
その労働に値する正当な対価を払わないということだ。
私が服を安く買っていたせいで
貧困に苦しむ人たちがいる。
最愛の子供たちと離れ離れに暮らしているお母さんがいる。
過酷で危険な条件下の労働で、命を落とした人がいる。
人権を踏みにじられている人がいる。
むごい方法で殺された人がいる。
私が
ユニ〇ロや
無〇や
H&〇や
G〇Pや
g〇や
しまむらや
フォー〇バー21や
ZA〇Aで
安価な服を喜んで買ったせいで。
ファストファッションとは
流行を採り入れつつ低価格に抑えた衣料品を、大量生産し、短いサイクルで販売するブランドやその業態のこと。安くて早い「ファストフード」になぞらえた造語。
※ コトバンクから引用
「早くて安い」ファストフードになぞらえて、2000年代半ば頃から呼ばれるようになった。2009年新語・流行語大賞のトップテンにも選ばれた。
手頃な価格でお洒落を楽しめるとされる一方で、中国やベトナム、バングラデシュなど、衣類の生産を受け持つ発展途上国の工場や、ショップで働く従業員の人権問題、また、工場を置いている国での環境汚染問題などが度々メディアで取り上げられ、悪しき大量消費社会の象徴と批判
※ Wikipediaから引用
2013年、バングラディシュのダッカの縫製工場が倒壊し、1100人以上の犠牲者が出た。
この縫製工場は、日本を含め先進国のファストファッションをつくるための工場。
ファストファッション各メーカーに買い叩かれているため、コスト削減、仕事の効率が最優先で、安全管理は後回し。倒壊直前も、従業員からビルの壁や天井の亀裂の指摘があったにも関わらず、それを無視して作業に戻らせ、結果、前述の事故が起きた。
この事故は、私が安い服を喜んで買っているせいで起きた。
※公式サイトら引用
この写真の女性の名前はシーマ。
バングラディシュの縫製工場で働いている。
週7日働き、しかし街の物価は高く、その労働に支払われる賃金では5歳の娘と暮らしていけない。
休みなく働く彼女たちに支払われる最低賃金は、現地のお金で月約1600タカ。
お米はキロあたり35タカ。1か月休みなく働いて、お米5キロ分のお給料。
シーマは、娘を郊外の親戚に預けることにする。
日本の単身赴任とは訳がちがう。
お休みも交通費もない彼女は、この先、年1回程度しか娘に会えない。
そんな残酷な暮らしが終わることはない。
私が、何の躊躇も疑問も持たず、安い服を買い続ける限り。
シーマが娘と暮らせないのは、私のせいだ。
別れの日の朝、とびきりのおしゃれをしてシーマに抱かれ、シーマのほおに何度もキスをしていた5歳の娘と、長女が重なり、思い出すたびに涙がこぼれる。
映画の中で、H&〇の代表者は「生活に必要な賃金は従業員の方から申し立てがあって検討するものです」と話していた。
しかし。
シーマは、従業員の要望をまとめた嘆願書を工場長に提出したところ、鍵を閉められ、大勢の男性から殴る蹴るの暴行を受けた。
カンボジアでは、最低賃金の引き上げを求め、服飾工場の従業員がデモを起こした。そのデモに対し警察が出動し、実弾を発砲。5人が命を落とし、23人が逮捕された。一般人が警察に撲殺された。映画では、警察に攻撃されて血まみれの人が映され、目を覆った。先進国のファストファッションメーカーが、コストを上げたら仕事を他の国に回すと、政府に圧力をかけているせいだ。
H&〇以外のファストファッションメーカーは、映画のインタビューへの回答を拒否している。
アメリカ政府は、服飾工場で働く人の人権や生活に必要な最低限の賃金を保障し、児童労働を規制する法案の成立を、各ファストファッションメーカーに打診したが、企業側はそれを拒否した。
服飾メーカーの経営者が乗るような飛行機のビジネスクラスには、こんな広告があるそうだ。
『ローザの自給は50セント。今は30セントに』
この広告の意味がわかりますか?
この映画に映し出される惨状は、たとえばカンボジアの少年兵や、南アフリカのスラムや、インドの残酷なカースト制度とは根本的に違う。
その残酷な現実の加害者側に、私がいるということだ。
ユニ〇ロなどのファストファッションメーカーが服を大量生産するようになり、服の原料となる綿花も大量生産されるようになった。
季節を無視した栽培には、大量の窒素肥料が必要で、その負担に耐えられるよう、遺伝子組み換えの綿花の種が開発された。
『オーガニックコットン』という表示のない綿は
ほぼ100%、遺伝子組み換えの綿花だ。
その遺伝子組み換え綿花の種は、モンサ〇トという企業がほぼ独占販売している。モンサ〇トの遺伝子組み換え作物の種の世界シェアは90%以上だ。
綿農家はメーカーの要望に応えるため、高価な遺伝子組み換え綿花の種をモンサ〇トから買う。その種には殺虫作用のある遺伝子も組み込まれているが、耐性をもつ害虫が出れば、殺虫剤をまく。しかし耐性をもつ害虫は増えていく一方で、殺虫剤の量も増えていく。その殺虫剤を販売している企業も、モンサ〇トだ。
大量の殺虫剤のせいで農場は汚染され、村では先天異常を持って生まれる子供が増え、農場で働いてきた50歳前後の人にはガンが増えている。脳腫瘍になる人が多いので、村のそばには手術ができる脳外科がある。
高価な遺伝子組み換えの種と殺虫剤で借金は増え、インドの綿農家の年間自殺者は25万人。農場で殺虫剤を飲んで命を絶つ。30分に1人が、そんな風に亡くなっている。
私が、大量生産されている安価な綿製の服を買っているせいだ。
お金は、手段。
映画の中の言葉を胸に刻んだ。
この映画の上映数はとても少ない。
パンフレットもない。
私が見に行ったのは、渋谷アップリンクという、とても小さな映画館。
座席数はたったの32席。
上映は平日も休日も、昼間の1日1回だけ。
私が見に行ったのは日曜日だったけど、それでもたった32席が埋まることはなかった。
鑑賞後、服に対する価値観が根底から変わるそんな映画。
予告だけでもぜひ見てほしい。
私はこの映画を見て、服に対する考え方が永久に変わった。
服を選ぶときに重要視すること。
服の扱い。
もう二度と服を床に置いたり、踏んずけて歩いたりしない。
そして毎朝、袖を通すときには必ず心の中で
「ありがとうございます」
つぶやく。
つぶやくたびに、泣きそうになるけれど
忘れない。
私にできることはささやかだ。
それでも知ることができて本当によかった。
関連書籍
映画館で購入して、いま読んでる本。
これも買った。
NAKED FASHION ―ファッションで世界を変える― おしゃれなエコのハローワーク
- 作者: サフィア・ミニー(ピープル・ツリー/グローバル・ヴィレッジ代表),発行:フェアトレードカンパニー株式会社
- 出版社/メーカー: サンクチュアリ出版
- 発売日: 2012/10/03
- メディア: 単行本
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この本は、服のフェアトレ-ドのメーカー『ピープル・ツリー』の紹介が主なので、読み物としては、先にあげた本の方が充実してると思う。
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