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外国人旅行者さらなる増加 さまざまな課題
1月19日 18時45分

外国人旅行者さらなる増加 さまざまな課題
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去年1年間に日本を訪れた外国人旅行者が1973万人余りと、過去最高を更新しましたが、今後さらに多くの外国人旅行者を迎えるためには、羽田空港と成田空港で、国際便の発着回数を増やせるかどうかなど、さまざまな課題があります。
羽田空港は、すでに深夜・早朝を除く国際線はフル稼働していることから、国は風向きによって東京の山の手上空の飛行ルートを新たに認めることを計画しています。
4年後の東京オリンピック・パラリンピックまでに国際線の発着回数を今の1.7倍に当たる年間最大9万9000回に増やすとしています。
都心を低い高さで飛行することから、住民などの不安に応えようと、国土交通省は先月から、都内などで2巡目となる説明会を開いていて、最終的な飛行ルートをことしの夏までにまとめる方針です。
ただ、住民からは「騒音や事故が気になるため見直してほしい」という声も寄せられているということで、国土交通省は丁寧な説明を心がけて理解を広げたいとしています。
また、成田空港でも発着回数を増やそうと、去年、国や周辺自治体などで作る協議会で、3本目となる滑走路の建設などについて具体的な検討が始まっています。
成田空港会社は仮に滑走路ができると、発着回数は今の1.5倍に当たる46万回に増えると試算しています。

クルーズ船受け入れの港湾整備は

日本を訪れる外国人観光客のうち最も大きな伸びを見せているのが、宿泊施設や娯楽施設を備えた大型の客船「クルーズ船」を利用する人たちです。
去年、クルーズ船で日本を訪れた外国人の数はおよそ111万人で、おととしの41万人に比べて2.7倍に増えています。寄港回数も年間1452回と過去最多になりました。
一方、多くのクルーズ船が寄港する博多港や那覇港など、西日本を中心に接岸できる港が不足する状況になっています。さらに定員5000人を超える全長360メートルの世界最大級のクルーズ船が日本への寄港を検討していますが、岸壁の強度が不足し、現時点で対応できる港がないということです。
国土交通省は今年度、緊急対策として29億円余りの補正予算を組み、岸壁の強度を上げる対策を急ぐことにしています。

どうなる宿泊施設の確保

外国人旅行者が急増するなか、都市部を中心に宿泊施設の不足が課題となっていて、国はマンションなどの空き部屋を有料で貸し出すいわゆる「民泊」の推進に向けた検討を進めています。
観光庁によりますと、都市部の観光客向けホテルの客室稼働率は、年々増加傾向にあります。東京では5年前の平成23年は69.6%でしたが、24年には79.9%、25年には85%になりました。その後も稼働率は高い状態が続き、おととしは83.2%、去年は10月までの統計で83.5%となっていて、休日などはホテルの予約が取りにくい状態が続いているということです。
こうした状態を受け、外国人旅行者の間では「民泊」が人気となっています。しかし、「民泊」は特区などで例外的に認められているものの、利用者の安全が確保されないなどとして旅館業法では、原則認められていません。去年12月には、京都市のマンションで、無許可で民泊を行ったとして、東京の旅行会社などが旅館業法違反の疑いで警察に書類送検される事件が起きました。
このため観光庁は厚生労働省と共に、「民泊」の活用に向けた有識者会議を開き、利用者の安全の確保や地域住民とのトラブルの防止するための対策を検討しているほか、旅館業法など関係する法律の規制を緩和することなどの検討を進めています。

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