国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の世界遺産の選定で、専門家が非公開で行っていた事前審査に申請国が出席し、意見交換する場を設けるよう制度が変更されました。
この変更は、2016年夏に登録の是非が決まる申請分から適用が開始となります。
従来の「密室」で審査を行うことへの批判を受けたことによる今回の制度変更ですが、世界遺産のうち、建築物や遺跡を対象とする文化遺産が対象です。
ちなみに、この新制度は日本が登録を目指している「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」に対しても適用されることになります。
文化遺産の登録では、ユネスコが諮問機関である、国際記念物遺跡会議(イコモス)に各国の申請内容の事前審査を委託します。
委託を受けたイコモスは内部会議を経て、毎年5月ごろ登録の是非を勧告し、各国代表による世界遺産委員会が最終決定するという流れですね。
この勧告は、同委員会の1~2か月前に提出されますが、その最終決定に大きな影響力を持っています。
尚、国際記念物遺跡会議(イコモス:ICOMOS/ International Council on Monuments and Sites)は、文化遺産保護に関わる国際的な非政府組織(NGO)です。
1964年にユネスコの支援を受けヴェニスで開かれた、第2回歴史記念建造物関係建築家技術者国際会議で、記念物と遺跡の保存と修復に関する国際憲章(ヴェニス憲章の名で知られる)の採択を受け、1965年にイコモスが設立されています。
さて、今回の制度変更ですが、何故いままでは「密室審査」だったの?という疑問が逆に湧きますが、公平性を期すにはとてもいいことですね。
申請国としては、直接アピールできる機会でもありますし、当の本人が説明しないと伝わらない(伝わりにくい)ことだって世の中にはいくらでもありますからね。
こうやって、すこしづつでも改善を重ね、世界遺産に限らず、あらゆる分野の評価機関の信頼性が継続的に良くなっていって欲しいものです。
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