【社説】城南市長のポピュリズム

 京畿道城南市は李在明(イ・ジェミョン)市長の旗振りで、20日から市内に住む若者を対象に無償で「城南愛商品券」を給付した。ところがこれがインターネットのオークション・サイトなどを通じ、額面価格の70-80%で早くも取り引きされている。城南市はサイトの管理会社などに削除を要請しているが、もちろん一部では取り引きが成立したケースもある。若者の福祉や就業力向上を目的に給付された商品券だが、最終的にチケット業者にばかり金儲けをさせる結果をもたらしているわけだ。

 城南市が行った若者への商品券給付について、韓国政府は「福祉ポピュリズム」を理由に反対を表明していたが、それでも李市長は実行に移した。今回は城南市に3年以上居住した満24歳の若い世代を対象に、資産や所得、就業状況などに関係なく、年間50万ウォン(約5万円)の商品券が給付される。その結果、年収5800万ウォン(約575万円)を手にする大手企業の正社員も、その年齢であれば例外なく給付の対象になった。給付に必要な予算は113億ウォン(約11億2000万円)。これだけの紙幣を文字通りヘリコプターからばらまくようなものだ。

 もしこの種の給付が失業で苦しむ若者たちへの支援として行われるのであれば、誰も文句は言わないだろう。しかし若年失業は現金をばらまくだけで解決する問題ではない。今回のような商品券の配布は雇用拡大に何の効果もなく、ただ若い世代を福祉に慣れさせてしまうだけだ。城南市が本当に若者たちの就職を支援したいのであれば、必要な職業教育や情報提供を行うことの方が先ではないか。また新しい事業のアイディアを持つ若者に対し、起業に向けた支援を行うことなども必要だろう。

 今回、問題の商品券が各所で取り引きされているとの指摘がネットを通じて広がると、李市長は「それなら現金で給付しようか。いずれにしても今回の商品券は城南市内の店舗で使用されるはずだ」と反論し、給付の弊害について真剣に考えるどころが、非常に軽い言葉で対応した。城南市は今回、上記の若者向けの給付のほか、今年から中学に入る新入生を対象とした制服の支援、さらに産後処理の支援も行っている。もちろんこれらも全て無償だ。今回のような給付政策は一度始めると、後からやめることが非常に難しい。そのため弊害が表面化する前に、市民が先頭に立ってやめさせなければならない。今回の給付は文字通り「福祉ポピュリズムのバラマキ政策」に他ならないからだ。

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連ニュース