ペットボトルのお茶は、毎日飲むのに適しているのか?
■急須のお茶とペットボトルのお茶の違い
「ペットボトルのお茶も急須で淹れるお茶も、基本工程にはあまり差がありません。年々ペットボトルのお茶の抽出技術は向上しており、メーカーにもよりますが急須で使用する茶葉の約1/3ほどの少量の茶葉で、効率よく作られています。単純計算では急須で淹れるお茶の成分のほうが3倍濃いことになりますが、実際には抽出温度や浸水時間なども関係してきますのでそこまでの違いはないです。ペットボトルのお茶と急須で淹れたお茶の一番の違いは、やはり添加物が入っているかどうかでしょう。ペットボトルのお茶には酸化防止のための『ビタミンC』が入っています」(中澤さん)
中澤さんによると、ペットボトルのお茶は大きなステンレス製の容器に茶葉とお湯を入れ、フィルターを通して充填するので、大きな急須でお茶を入れたようたようなものだそうだ。さらに1/3量の茶葉で美味しく淹れられるのだから、製造面でコストメリットがあるといいえる。
しかし、ペットボトルのお茶に酸化防止剤として入っている「ビタミンC」は、単なる栄養素にも聞こえるが、実は化学物質で作られたものである。そのため、健康への悪影響が懸念されるとの意見もあるそうだ。では、毎日飲むお茶として最適といえるのはどちらのお茶なのだろうか。
■毎日飲むのに適しているのは
「毎日飲むには、やはり急須で淹れるお茶がおすすめです。急須のお茶のよいところは自分好みのお茶を淹れられることです。渋いお茶が飲みたければ90℃以上の熱湯で淹れることで、カテキンが多く抽出できます。旨味のあるお茶が飲みたければ60℃以下の湯冷まししたお湯で淹れれば、テアニンが多く抽出できます」(中澤さん)
さらに中澤さんは毎日お茶をたくさん飲む人には、特にほうじ茶がよいと教えてくれた。緑茶よりも低カフェインで、油っこい食事でも口の中をサッパリとさせてくれるそう。後味がスッキリしていて何杯でも飲めるので、水分補給にも最適なのだ。
ペットボトルのお茶と比べれば少々手間はかかるが、自分好みのお茶を見つけるのも楽しい。茶葉の種類だけでなく、温度や淹れ方にまでこだわってみてはいかがだろうか。
「教えて!goo」では「ペットボトルのお茶を毎日飲み続けることについてどう思う?」ということで、みなさんの意見を募集中だ。
●専門家プロフィール:中澤 司
株式会社 京都利休園代表取締役。寛永3年に朝宮茶生産農家として生産に従事し、昭和32年に第11回関西製茶品評会にて農林大臣賞受賞。昭和49年株式会社利休園を設立、平成11年に社名を(株)京都利休園に変更し、小売業として百貨店などを中心に商品を展開している。
教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)