<常磐共同火力>報告の94%虚偽
常磐共同火力(東京)の勿来発電所(いわき市)が排出ガス量データを改ざんし、市に報告していた問題で、同社は22日、社内調査結果を公表した。記録の残る2000年10月〜15年10月に報告したデータ331件のうち94%の312件が虚偽で、発電所の環境グループが組織ぐるみで改ざん。現在の担当取締役はかつてグループのリーダーで、不正を認識していた。
小泉俊彰社長は、いわき市役所で清水敏男市長に結果を報告し、陳謝。自らを含む関係役職員を減給処分などにすると伝えた。
調査によると、環境グループは6〜9号機の排出ガス量が、国への届け出値を超えた場合、届け出値以下にするなどデータを平均6〜10%改ざん。実測値は極秘文書として保管した。発電所長の指示はなかった。
原因として(1)実測値は誤差があり、理論値の届け出値が正しいとの認識があった(2)発電所の安定運転を優先した(3)事実を知る次長など上位職が是正しなかった−などと説明。00年10月以前も、改ざんの可能性は否定できないとしている。
15年1月に社内で問題が指摘されたが、担当の取締役が、排出ガス量増加の原因究明などを重視し、同年12月までトップに改ざんの情報が上がらなかった。
2016年01月23日土曜日