会社名。
耳慣れてくると、特に違和感はありません。
でも、街で看板を見かけたり、TVのCMなどを見ていて「何でこの社名にしたのだろう」って思うことはありませんか?
そこで、由来を調べてみたら、これが実におもしろかったのです。
会社の使命や創業者の想いが反映されたもの、中には「洒落」っぽいのもありました。
その中から、「へぇ~」っと感心したものを、ご紹介します。
ネーミングの妙もあわせて、お楽しみください!
IT・ゲーム会社系
10の100乗を意味する「googol(グーゴル)」という言葉にする予定でした。
が、検索エンジンの名前を考えて、それをドメイン登録した際に「google.com」と綴りを間違えて命名してしまったため、そのまま社名にも採用したとか。
当初、「Cadabra.com」との社名だったが、「cadaver(死体の意味)」と聞き間違えられたため、変更することに。
目立ちやすい「A」 から始まる名前にしようということで、辞書を調べていたら、「Amazon」という言葉を発見。
「エキゾチック、独特な、様々な」という意味と、世界で1番長い川「アマゾン川」(本当はナイル川)が、会社のイメージにピッタリだったことから採用されたとのこと。
なお、ロゴの「aからzに伸びる、笑った口元のような矢印」は、全ての商品が揃っていることと、お客様の満足の笑顔の両方の意味が込められています。
英語の「Yet Another Hierarchical Officious Oracle」(もう一つの気の利いた階層構造のデータベース)の略。
ただし、創設者は自分たちのことを「ならずもの」と考えており、「粗野な人」という意味がある「Yahoo」(「ガリヴァー旅行記」に登場する野獣の名前)という言葉を選んだと主張しているそうです。
「!」は、「ヤッホー!」を意味する英語の感動詞「yahoo」と掛けているとの説も。
ドワンゴ(dwango)とは、「Dial-up Wide Area Network Gaming Operation」というインターネット対戦ゲームの仕組みの頭文字からとった造語。
旧エニックスは、世界初のスーパーコンピュータ「ENIAC」(エニアック)と不死鳥「PHOENIX」(フェニックス)を足したもの。
旧スクウェアは、ゴルフのアドレスやグリップ(構え)で使われる「スクウェア」が由来で、問題に対して、直視していく企業体を目指す意味で名付けられたとのこと。
ゲームソフトのクリエーター達が集まる広場「スクウェア」と、会社生誕の地である四国(四角形から)への謝意も込められているそうです。
旧社名「サービス ゲームス ジャパン株式会社」のSERVICEとGAMESという単語の頭2文字のアルファベット「SE」と「GA」をつけた造語。
「GungHo(ガンホー)」は、「熱烈な」「熱心な」「忠誠な」という意味があり、「任務を熱心に遂行する」「職務に非常に献身的な」という、想いを表しているそうです。
語源は、中国語の「工和」という工業共同組合運動推進のスローガン。
中国大使館勤務のアメリカの海兵隊中佐が、自分の部隊で「協力してやろう!」という意味のモットーとして採用し、海兵隊全体に広まりました。
今では、アメリカで一般的な言葉として使われているようですね。
三代目の社長となる山内溥氏が、「人生一寸先が闇、運は天に任せ、与えられた仕事に全力で取り組む」と定義し、そこから命名されたとのこと。
故事・格言系
中国の兵法書「六韜」の中の「永久に変わらないモノ」という意味を持つ言葉「萬代不易(ばんだいふえき)」に由来。
唐の詩人・杜甫の『春望』「国破れて山河あり・・・」に由来。
同社のCFでも、この詩が使われていましたね。
(「国破れてサンガリア ・・・ ♪ 1・2サンガリア、2・2サンガリア」)
国破れて山河ありとは、戦乱で国が滅びても、山や川の自然はもとのままのなつかしい姿で存在しているということ。
中国の古典、四書五経のひとつ「易経」の一節「至哉坤元 萬物資生」に由来。
読みは「至れる哉(かな)坤元(こんげん)、万物資(と)りて生ず」で、意味は「大地の徳は、なんと素晴らしいものであろうか。全てのものはここから生まれる」。
中国の古典、「論語」の中の「吾日三省吾身(われ日に三度わが身をかえりみる)」という言葉に由来する。
毛利元就の「三本の矢」の考えが由来。
一つの目標に向かって直進する矢(Arrow)を束ねた(United)ものという意味が込められているとのこと。
造語?・略語系
モスバーガーのMOSはそれぞれ、Mountain(山)、 Ocean(海)、Sun(太陽)の頭文字。
「山・海・太陽」にはそれぞれ、「山のように気高く堂々と」「海のように深く広い心で」「太陽のように燃え尽きることのない情熱を持って」という意味が込められています。
音という意味の英語「SONIC」の語源となったラテン語の「SONUS(ソヌス)」と、坊やという意味の英語「SONNY」から。
正式名称AUTOBACS SEVEN。
Appeal、Unique、Tire、Oil、Battery、Accessory、Car audioに、Serviceを付加したもの。SEVENは常にお客様のために第7の商品を探し続けるという理念から。
DHC
Daigaku Honnyaku Center(大学翻訳センター)の頭文字。
もともとは、委託翻訳業務から始まった会社なんですねぇ。
恋人を意味するスペイン語の女性名詞「novia(ノビア)」と男性名詞「nobio(ノビオ)」を組み合わせ、「恋人たち」という意味を与えた造語。
カルシウムの「カル」と、ビタミンB1 の「ビー」を組み合わせたもの。
マガジン・マガジン(Magazine Magazine)の略。
ペインティング(PAINTING)の「ぺん」と、パステル(PASTEL)「てる」を組み合わせた合成語。
英語で「ぞうきん」のdustclothと、雑巾から。
シャチハタ
本社所在地である名古屋市のシンボル「シャチホコ」に「旗」をあわせたもの。
セメダイン
接合材であるセメント(CEMENT)と、力の単位を表すダイン(DYNE)との造成語。
また、イギリス製接着剤である「メンダイン」を市場から「攻め(セメ)」出すという意味で、「攻め(セメ)出せ、メンダイン」もあるそうです。
洗顔用石けんの呼称である「顔石けん」の、顔が花王に。
「DENIM」の「D」と「E」を逆転、「NIM」を180度反転させ「WIN」にして「EDWIN」に。
「江戸」が「勝つ」(WIN)という説は俗説。
ユニチャーム
「ユニ」はUnited、Universal、Uniqueの3単語、「チャーム」は「女性には常にチャーミングでいて欲しい」との思いが組み合わせされた造語。
ドコモ
Docomoは、Do Communications Over The Mobile Networkの頭文字。
ですが、日本語の意味合いのほうが大きいのでは?と思います・・・。
fly(フライ=ハエ)の「フ」とmosquito(モスキート=カ)の「モ」にkiller(キラー=殺す)を合わせた造語で、発音しやすい様に「モ」を「マ」にしたもの。
実にストレートなネーミングですね。
Affection(愛情)、Confidence(信頼)、Moderation(節度)の頭文字。
Affection(愛情や優しさ)、Improvement(努力や進歩)、Faithfulness(忠実や信頼)、Unity(結束)、Liveliness(活気良い)の頭文字。
Sservice(奉仕)とTtrust(信頼)の頭文字。
商品の最高を目指す(Super Top)の意味合いも持つそうです。
創業者の名前系
創業者である石橋正二郎の苗字から、「ブリッジ」(橋)と「ストーン」(石)を合成し、逆さにしたもの。
そのまんまです。
工藤淳さんの名前をひっくり返したもの
もともと工藤淳さんがやっていた「大同書房」のあとを継いだ息子さんが、社名を変えるとき、洒落でつけたそうです。
創業者・鳥井信治郎さんが、自分の名前である鳥井(トリイ)と、「赤玉ポートワイン」という商品の「赤玉」である太陽(サン)をくっつけたもの。
時代劇で超有名?な「越後屋」の「越」と、創業家の「三井」の姓からの「三」を採って命名されたもの。
杉浦六三郎さんが創業した「小西屋六兵衛店」という薬種問屋さんのカメラ、から。
途中で、小西六写真工業株式会社に社名変更されています。
カシオ
創業者の名前が、樫尾忠雄さん。
「KASHIO」ではなく、「CASIO」としたのは、世界で親しまれる企業になるという目標があったためだそうです。
創業者である小池和夫の名前から。
小池の “小” の字を “湖” に変えたのは、会社を大きく成長させたいとの思いから。
その他
社名は、旧社名の立石電機株式会社時代に本社を置いていた京都仁和寺の通称「御室」(おむろ)から。
「BIG」ではなく「BIC」です。
「ビック(bic)」とは英語の方言で、「外見だけでなく中身も大きい」との意味や「偉大な」という意味も含まれているそうです。
ワコール
滋賀県・近江の古い呼び名である『江州』にちなみ、「江州に和す」という思いから。
なお、「ワコール(Wacoal)」は、当時の社名・和江商事の『和江』を英語風に表現したもので、「和江の名を永遠に留める=(和江留)」という意味も込められているそうです。
観音様にあやかって、初のカメラ試作機「カンノン」と命名。
そのカンノンに発音が似ている英語の「Canon」は、「規範」「標準」の意味があり、社名ふさわしいということで命名された。
ちなみに、発音は「キャノン」だが、表記は「ヤ」が正しいとのことです。
ロッテ
創業者である重光武雄さんがゲーテの名作「若きウェルテルの悩み」に感動。
誰からも愛されるヒロイン「シャルロッテ」は永遠の恋人とされており、永遠に「お口の恋人」でありたいと「ロッテ」としたとのこと。
セブン・イレブン
朝7時から夜11時まで営業していることに由来となっている社名。
ちなみに、ロゴは「ELEVEn」と、nだけが小文字です。
ニッカウイスキー
「大日本果汁」の略がニッカだそうです。
マッサンこと、創業者の竹鶴さんは、寿屋(サントリー)から独立し、小樽にウィスキーの蒸留所をつくりました。
しかし、実際に商品ができるまで何年もかかるため、その間リンゴのジュースをつくって売っていたのです。それが「大日本果汁」、略してニッカとなりました。
ポッカ
もともとニッカウヰスキーに、果実原料を販売する会社でした。
社名を変更する際に「ニッカ」と言えば「ニッカボッカ」、だから「ボッカ」にしようとしたのです。が、語呂が悪いので「ポッカ」が採用されたとのこと。
ライオン
17番目に開発したチューブ入り歯磨き粉が大ヒット。そのNo17をひっくり返して「Lion」になったとのことです。
アデランス
「接着・くっついている」を意味するフランス語の「adhérence」から。
一度、ユニヘアーに社名変更しましたが、2011年にアデランスに戻しています。
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いかがでしたか?
「名は体をあらわす」といいますが、それぞれの会社の想いや歴史を知ることができますね。
覚えておくと、ちょっとした雑談なんかで使えるかもです。