物件が供給過剰の現代、不動産屋によって扱う物件が違うというのは殆どなくなりました。特に私たちのいる東京エリアは9割以上が流通している物件です。要は、どこの不動産屋に行っても扱う物件は変わらないわけです。不動産屋によって家賃や敷金・礼金などの契約内容が変わることもありません。なぜなら、家主は一人なので。
では、何が変わるのか?
一番は、”仲介手数料”です。仲介手数料は賃貸の場合、賃料の1ヶ月分(消費税別)が上限と決められていて、一昔前まではどこの不動産会社も1ヶ月満額でしたが、今では半額でやる会社もあれば私たちのように無料でやる会社もあります。
ということは、不動産屋で紹介された物件を他の不動産屋に持ち込むことが可能ということです。
「この物件、他の不動産屋で紹介されたのですが御社でもっと安くできませんか?」これが可能ということです。家電と一緒です。扱う商品が同じなら、どこよりも安いお店を探しますよね。
逆にお店側からすれば、他の店で見てきた商品も自分のところで買ってほしいわけです。
よく不動産屋の営業マンが口にする「他の不動産屋で何みてきましたか?その物件が気に入ってるならウチならもっと安くしますよ」これですね。
そんな営業しててバカなんじゃないの?と言う方もいますが、今の不動産屋でこの営業をしてなかったら逆にバカだと思いますね。お客さまが他の物件と迷ってるときに、「それと比較してもらってこちらの物件がよかったら決めてくださいね」と、営業している人がいるなら、その人は相当営業レベルが低いと思います。そこは「その物件はどの物件ですか?ウチでもできますよ、ウチならもっと安くしますよ」これ、当然の営業だと思います。
ここでよく問題になるのが、不動産屋の”取った取られた問題”です。一生懸命紹介した物件を、何もしてない不動産屋に取られた。営業マンとしたら心穏やかにいられる訳がないですよね。ここで大半の不動産屋の怒りの矛先は取った不動産屋に行くわけです。「ふざけんじゃねえ」となるわけです。
気持ちはわかりますが、本来は相手の不動産屋を責めるのではなく、取られた自分を責めなければいけないのです。自分は一生懸命やったかもしれないのですがそれがお客さまに響いてなかったのです。
忘れてはいけないのが、選択する権利があるのは、不動産屋ではなくお客さまということです。
不動産屋側が”取った取られた”と騒いでるのは甚だおかしいのです。
お客さまは、どんどん天秤にかけて自分にとってより良い不動産屋で決めればいいのです。ホスピタリティ溢れる会社で決めるのも、安い不動産屋で決めるのも、すべてお客さまの自由です。
私たち不動産屋がやるべきことは、サービスの形はどうあれ最終的にお客さまに選んでいただけるように努力することなのです。