「調査に時間」来月4日までに
甘利明経済再生担当相(66)は、自身や秘書が千葉県の建設会社から口利きの依頼を受け、見返りに現金を受け取ったという週刊文春の報道について、2月4日にニュージーランドで行われる環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の署名式に出席する前に、第三者を交えた調査結果を公表する考えを示した。21日夜の記者会見で「できるだけ早く(報告)できればと思う」と述べた。ただ、野党は同日の参院決算委員会での甘利氏の説明に納得していない。週明けから本格化する国会論戦で、甘利氏が野党の厳しい追及に遭うのは必至だ。
甘利氏は決算委で「(調査結果の)中身に問題が生じ、訂正を繰り返すことにならないようにしたい」と述べ、調査期間を明言しなかった。しかし、会見では「TPP署名式に間に合わせるか」という質問に「そうだ」と答えた。そのうえで「私宛てに招待状をもらった。国会の許可が得られれば出席したい」と出席に意欲を示した。
さらに、2013年11月に大臣室で、14年2月に地元事務所でそれぞれ現金50万円を直接受け取ったと報じられたことに対しては「私の記憶と報道に食い違いがある。時間をいただき、整理したい」と述べた。
甘利氏は決算委で、民主党の安井美沙子氏から閣僚を辞任する考えがあるかどうかを問われ、「託された職務を全力でまっとうする」と否定した。安倍晋三首相は「甘利氏は速やかに調査を行い、政治家として説明責任を果たしていくと言っている。そのようにすると確信している」と擁護した。
菅義偉官房長官は21日の記者会見で、甘利氏が予定通り22日から世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)出席のためスイスを訪問するとの見通しを示した。【青木純】