ダイコー会長、壱番屋以外の冷凍食品も横流し
2016年1月22日14時40分 スポーツ報知
「CoCo壱番屋」の廃棄カツが横流しされた事件で、廃棄委託を受けた産業廃棄物処理業者「ダイコー」(愛知県稲沢市)の会長が、愛知県警などの任意聴取に対し「壱番屋以外の冷凍食品なども横流しした」と話していることが22日、捜査関係者への取材で分かった。廃棄カツ以外の横流しを認めたのは初めて。
環境省は事件を受け、食品廃棄物を扱う全国の事業者に立ち入り検査して転売の有無などを調べるよう、都道府県と政令市に通知した。20日付。29日までに結果を報告するよう求めている。
会長は代理人弁護士にも同様の説明をしている。弁護士によると、会長は冷凍食品以外にも福島県産の「じゃこ」なども横流ししていたと説明。また「横流しした食品が店頭に並ぶかもしれないという認識があった」との趣旨の話もしている。いずれも販売先は岐阜県羽島市の製麺業者「みのりフーズ」だった。会長は乳製品などの貯蔵も頼んだと話しているという。
会長は横流しした理由について、ダイコー側は廃棄物を処分せずに済むほか、みのりフーズ側は商品を安く買えることになり「双方の利害が一致した」と説明。みのりフーズの実質的経営者と以前から友人だったといい、東日本大震災のころに雑談の中で廃棄食品を販売する話が出たという。
代理人弁護士によると、ダイコーの会長は「みのりフーズも廃棄物と分かっていたはずだ」と話している。一方、みのりフーズの実質的経営者(78)はこれまでの取材に「ダイコーから買ったものが廃棄物とは考えなかった」と主張している。
丸川珠代環境相は22日の記者会見で「他の業者でもこういう(不正転売の)可能性がないか調べ、指導を徹底するよう要請していく」と述べた。