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【中国ネットウオッチ】
黄色い大地にネット詐欺旋風…4億人超=人口の3分の1が被害未遂に 巧妙化・悪質化するネット犯罪
中国で昨年、メールや携帯電話で、振り込め詐欺や架空請求詐欺などのアプローチを受けた人が、4億3800万人に上ったことが、このほど公表された統計データで分かった。全人口の32・2%、実に3人に1人の割合だ。各地の警察は、公式サイトなどで注意を呼びかけているが、犯行手口は日進月歩で巧妙化しており、対策が追いついていない。
統計は、中国インターネットサービス大手、テンセント(広東省)や広東省公安庁など、官民でつくる「反情報詐欺連盟」が公表した。
それによると、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)やメール、携帯電話などに何らかの通知を受け、振り込め詐欺をはじめとする犯罪の被害にあった人は全国で55万人。被害総額は200億元(約355億円)に上った。
事案の詳細は不明だが、1回の被害額の最高は1600万元(約2億8000万円)だったという。
ネット犯罪は年々、悪質化しているが、数多く報告されているのが、コンピューターウイルスを使って個人情報を盗む手口だ。
パソコンのメールや携帯電話のショートメールなどに記載されたURLをクリックするとウイルスに感染し、ユーザーが端末に保存している銀行口座番号やパスワードなどが流出。“犯人”はそれを基に、現金をせしめるというわけだ。
広州市警察は中国版ツイッター「ウェイボ」の公式アカウントで、次のような事例を紹介している。