北朝鮮が4回目の核実験を強行して以降、韓国政府は対北朝鮮制裁で協力を引き出すための外交努力を重ねている。こうした中、「中国が北朝鮮を見捨てるように韓国が望むならば、韓国は南シナ海紛争で中立的立場を維持すべきだ」という主張が浮上した。
中国のインターネットメディア「和訊網」によると、評論家の邱林氏は「韓国は南シナ海の領有権紛争に関する言及を控えているが、それは望ましい姿勢だ」と指摘した。
報道によると、今月16日に東京で開かれた韓米日の次官級協議で、ブリンケン米国務副長官は対北朝鮮制裁への参加を迫るため、韓国に南シナ海の領有権紛争をめぐり、米国を明確に支持するよう求めたが、韓国外交部(省に相当)の林聖男(イム・ソンナム)第1次官は同問題に関する言及を控えたという。
韓国は米日両国と距離を置く姿勢を示した格好で、これまでの報道によれば、韓国政府は一貫して南シナ海問題に直接介入することを避けている。韓国は「国際法と平和的解決の原則に従い解決すべきだ」という原則を繰り返している。
南シナ海問題には経済的、戦略的側面と航行の自由が絡んでいるが、米国は戦略的側面で韓国に立場表明を求めている。しかし、韓国は米中のどちらかを支持することはできないと判断した。
昨年11月にマレーシアのクアラルンプールで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)拡大国防相会議(ADMMプラス)で、韓国の韓民求(ハン・ミング)国防部長官は「南シナ海紛争の平和的解決と航行・飛行の自由保障が韓国の確固たる立場だ」と述べ、紛争当事国に国際規範を速やかに履行するよう求めた。これが韓国政府による圧力としては最も踏み込んだものだ。和訊網は「米国がいくら圧力をかけても、韓国の言及はその線を超えないだろう」と予測した。
和訊網は米中両国の狭間で韓国が沈黙する理由について、韓国が中国から多くの経済的利益を得ており、現時点で中国から得る利益は米国から得る利益よりも大きいほか、南シナ海の領有権紛争に韓国は直接関係がないためだと指摘した。
和訊網はまた、朴槿恵(パク・クンヘ)政権が過去数年にわたり、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権と距離を置くよう中国側に求めてきたほか、今月13日の国民向け談話でも中国が強硬な対北朝鮮制裁に同調するよう求めたと指摘した。
和訊網は、韓国が南シナ海問題に安易に干渉すれば、北朝鮮の核問題をめぐりこれまで確保した突破口が脅かされるとし、中国政府が北朝鮮を見捨てるまで、韓国は少なくとも南シナ海問題で中立的な立場を保つべきだと強調した。
こうした報道は、中国が北朝鮮を見捨てることが事実上あり得ないとみられる中、韓国が南シナ海問題に介入することも絶対に認められないとする韓国への警告と言えそうだ。