スキーバス転落事故はどうすれば防げたのか?~「小泉時代の規制緩和が原因」説を検証する

2016年01月18日(月) 高橋 洋一
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行政の処分は適切だったのか

国交省の統計でチェックしてみても、規制緩和によって事故率が大きく増えたとはいえないことが分かる。新規参入が多かった貸切バスについて、規制緩和の前後で有意な変化は見られない(新規参入の変わりがなかった乗合バスで変化があるように見えるが、規制緩和のタイミングではなく、別の要因だろう)。このデータから見て、「規制緩和によって事故が増加している」とはいえない。

新規参入が増えたことによって、事実上行政のチェックが甘くなることも考えられたが、今回の件では、それもなかった。というのは、バス運行会社である株式会社イーエスピーは、事故2日前の13日に行政処分をうけていたのだ。つまり、行政チェックはある程度働いていた、ということだ。

このことは、関東運輸局のサイトに掲載されている(下図、https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/page3/kasikiri/date/27/2801/kashikiri280113.pdf)。


もっとも、この処分が適当であったかどうかは、今後精査すべきだ。今回の事故を起こした運転手は、大型バスの運転経験がほとんどないとも報じられている。それが事実ならば、株式会社イーエスピーの責任は重大である。事前に営業停止していても不思議でなかった。

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