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音楽図鑑:近況報告

2009-08-25

[][]すぎやまこういち最高傑作の巻

http://www.amazon.co.jp/dp/B002E1HL0K/
やっと出た「イデオン総音楽集」。もちろんレコードは持っていて、擦り切れるほど聴いているのでほぼ完璧に記憶していたとはいえ、こうしてようやくCDを入手できると嬉しさもひとしおです。20年ぶりくらいに聴きましたよ。ひとつひとつの曲に思い入れがあって、何もかもみな懐かしい…。涙、涙です、本当に。特に好きなのが未使用だった「エレジー」って曲で、これ絶対にハルルが泣くところだろう、「ダラム…助けて…」しかないだろう、みたいな感じで(泣)。でも使われなかったんだけど(泣)。第三者が編曲している曲も多いですが、このBGM集(特に発動編)は間違いなくすぎやま先生最高の仕事です。すごいのは全編にわたってライトモチーフ書法が徹底されていること。主要曲はすべて「ラ・ソ・ド・ラ」という4音(イデのテーマ)から成り立っていて、ちょっとしたブリッジはもちろん、使われなかった主題歌(でも名曲)「海に陽に」も、とにかくぜんぶラ・ソ・ド・ラ。私は事情があって映画を見るより先にサントラを聞いたのですが、なんかもうオーケストラと合唱団が一体になって脳汁を振り撒きながらラ・ソ・ド・ラ!ラ・ソ・ド・ラ!ドッカンドッカン!(←ティンパニ&大太鼓)とパワー全開で攻めるフィナーレ「カンタータオルビス」の前に「あわわわわ…これはもうアニメサントラのレベルじゃない〜〜〜」とビビるばかりでした。BGM的な驚きだと、これが歴代最高値です。*1
いまだから看破できるけど、サンライズはガンダムの儲けをこのイデオン劇場版に投入しすぎです。作画面ではほとんど湖川氏withビーボォーで外注少なそうだし、BGMにいったいどのくらい予算をつぎ込んだのか想像もできません。配給を担当した松竹も初代ガンダム三部作が大ヒットしたので「好き勝手にやっていいですよ」という姿勢だったらしく、お富さんのリミッターがはずれてしまいました。その結果がアレですアレ。人間の業を最後までガッツリ描ききったという点では、イデオン以上のアニメはこの世に存在しません。
というわけで、すぎやま先生最高傑作「カンタータオルビス」の歌詞を掲載しておきます。ラテン語なのよ。*2

Cantate "ORBIS"
(Mortem) Quam Pulchra est Vita 
(Deus) Quam Pulchra est Vita
(Mortem) Quam Grandis Gratia est Vita
Amor (Amor)
deus deus Messiah Messiah Animus Dominus
Diem Natalem Gratulari Natalem Vitalis Felicito Quam Pulchra est Vita Quam Pulchra est Vita Diem Natalem Gratulari Natalem Vitalis Felicito Quam Pulchra est Vita Quam Pulchra est Vita
Quam Grandis est Dominus est Vitalis Vis Quam Grandis est Dominus est Vitalis Vis Animus Mortem Vitas Orbis Diem Natalem Gratulari Vitalis Gratulari Natalem Vitalis Felicito Deus Vitas Ortus Orbis est Vita Atque Mors Orbis est Vita Atque Mors Orbis est Vita Atque Mors Orbis est Vita Atque Mors
Quam Pulchra est Vita Diem Natalem Gratulari Quam Pulchra est Vita

ほんとにどうでもいいけど、イデオン聴いてたら全然眠れなくなってしまった(笑)。ちなみにDVDを入手した日もそうでした。いろいろ考えてしまうんですよね。この映画、最後は全人類が死んでしまいますが、描きたかったのは「死」ではなくて明らかにそこに至るまでの「生」でしょ?憎しみあい、決して理解しあえず、滅びの道しか残されていないとわかっていても、突き進むしかない。ドバさんじゃないけど、本当に業が深い。けれどその業こそが人間じゃないの?それでいいんじゃないの?私はそう考えるようになりました。業から開放された生命体を望んだイデは究極の理想主義(=現実にはありえない)の神様だなあと思ってます。
でもこんな神は、私は否定したいです。この点、ナウシカ(原作マンガ)はすごかった。あちらは旧世代の生体コンピュータが、遺伝子操作で業から開放された生命体を作って、その卵を守っていたんです。しかしナウシカはそれを完全に否定し、巨神兵を使って殲滅しました(笑)。最高に痛快で、罪深く、考えさせられたラストだったと思います。

*1:当時はオルフのカンタータを聴いたことがなかったせいもある。

*2:高校生だった私は「メシア」とか「ドミナス」くらいしか聞き取れなかった(笑)。

abcdefghijklabcdefghijkl 2009/08/30 06:00 歌詞のせていますけど、著作権大丈夫ですか?(素人ですけど)

HarnoncourtHarnoncourt 2009/08/30 09:14 グチャグチャうるせえこと言うな(笑)。
歌詞は問題ありません。「法解釈は置いといて、インターネットに載せるのは勝手にやって良いよ。」「わざわざ摘発する意味ないし、誰かに損失与えてるわけでもないし」というのが現在の運用です。ちょっと調べればわかりますよ。(私も調べた)

owlowl 2012/09/16 22:53 俺この曲大好きなんだよな、神は命の力というところが好きだ
なんのために生きてきたのかと言っていたカーシャが
コスモにそんなことはないと言うラストのあとに来るこの曲は
救いのない物語を考えさせてくれるものに変えてくれる

HarnoncourtHarnoncourt 2012/09/20 02:41 いろいろ考えさせられる映画ですよね。
最近は、以下のように、ごくごく軽く解釈しています。

「さわらぬ神に祟りなし」系の神様なのにあちらから強引に接触してきやがった!→なんとしても逃げよう!→スペースラナウエイ!!→だめだー逃げられない!→カンタータオルビス大合唱→The End

おそまつでした。

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