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大統領の思惑を忖度して国家が動く-中世のような韓国の権力システムを目の当たりにした…加藤前ソウル支局長の衝撃手記を一部公開
しかし、仮にメディアという存在がなかったら、あるいは、存在はしていても、その機能が国家権力によって抑えつけられていたとしたら、国家権力の顔色をうかがうばかりだったら、私は誰にも見つからず、暗闇の中でぐったりとしたまま、鳴き声を失っていったでしょう。そう考えると、本当にぞっとします。
検察からの出頭要請があったばかりの14年夏ごろは、あまりの圧迫感から吐き気を催したこともありました。しかし、そもそも、私のコラムは刑事訴追されるようなものだっただろうか。何度も自問してきました。結局は安易な謝罪、遺憾表明をしなくてよかったと心の底から思っています。水面下で話し合いを持って、遺憾の意など示して折れてしまえば、将来も問題を蒸し返されて延々と弱みになりかねないことは、日韓の歴史が証明しています。中途半端な妥協をしなかったからこそ、無罪になったと私は確信しています。
なぜ私は韓国に勝てたか。その問いかけには、この不可解な隣国と今後も付き合っていく上での有効なヒントがあるような気もします。
私がコラムを書いた日から無罪判決まで約500日に及びました。この間、洞窟のカナリアが何を見、何を聞き、何を考えたのか、ここにすべてを書き記しておきます。
※『なぜ私は韓国に勝てたか-朴槿恵政権との500日戦争』(本体1400円+税、産経新聞出版刊)は29日に発売されます。ご購入予約はこちらへ。
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