阿部、いいとこ取りの救世主になる

　巨人・阿部慎之助内野手（３６）が２１日、チームの誰よりも早く宮崎入りを果たし、自主トレを公開。映画「ナルニア国物語」のアスランに自らをたとえ、チームの救世主になると誓った。

　宿泊先のホテルからジョギングで現れた阿部は、そのまま約４０分、木の花ドーム内を走り続けた。「マラソン選手じゃないから速く走る必要もないし、体脂肪が燃やせる。１人の世界に入れるし」と、ジョギングがお気に入りのよう。借り物のキャッチャーミットでキャッチボールとノックを行い、バッティングで約２時間半の練習を締めた。

　今季は少しゆったりとした調整。「若い選手に触発されてハイペースにすると、ぶっ壊れるのは年寄りの方が早い。１年間戦える心と体をこの期間に磨ければいいかな」。スローペースぶりを競走馬のディープインパクトに例えられると、「だったら俺が最近見てる映画と一緒。ナルニア国物語。アスランになるんだよ」と、自らを作品の中に出てくる救世主に例えた。「ずっと雲隠れしてるけれど、最後にどーんと出てきてお国を救うんですよ」

　シーズンの目標は「もちろん優勝。ことしから新たに何連覇かできるように」。巨人の主砲はアスランのように「いいとこ取り」するための力を蓄える。　（園田佳子）