日刊ゲンダイDIGITAL

  • facebook  
  • twitter  
  • google+

染料工場で「膀胱がん」多発…原因は厚労省の“ザル規制”

 被害がどこまで拡大するのか心配だ。染料や顔料を製造する「三星化学工業」(東京)の福井県内の工場に勤務する従業員ら5人が、相次いで膀胱がんを発症した問題。三星化学は4~5年前から、取り扱っている化学物質の「発がん性」を認識していたというが、なぜ、最悪の事態は避けられなかったのか。

 今のところ、膀胱がんのきっかけは「オルト―トルイジン」という化学物質とみられている。オルト―トルイジンはもともと液体だが、乾燥させると粉末状になり、空中に飛散しやすくなる。口や鼻から吸い込んだり、皮膚に付着して汗に溶け込んだりして体内に入ると、発がん性物質に変わるとされる。従業員らは粉末を袋詰めする作業に就いていたといい、作業中に何らかの原因で体内に入ったとみるのが一般的だろう。

 三星化学の従業員から、「膀胱がん多発」を打ち明けられた業界労組「化学一般関西地方本部」の担当者はこう言う。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のニュース記事