2016年1月22日 (金)

(福島県および福島県立医大に対する)「小児甲状腺がんについての質問と回答」(「子ども脱被ばく裁判」 の会)について

前略,田中一郎です。

 

このほど「子ども脱被ばく裁判」 の会の事務局が、福島県及び福島県立医科大学に対して文書で質問状を送付したところ、その回答が返ってきました。以下、その質問と回答内容をご紹介申し上げるとともに、それについての私の若干のコメントを付記いたします。ご参考までにご覧ください。なお、「子ども脱被ばく裁判」 の会では、第2弾の質問状送付を検討される計画のようです。

 

以下,メール転送です。

-----Original Message-----

(情報提供)小児甲状腺がんについての質問と回答

 

みなさんへ

子ども脱被ばく裁判の会・事務局です。昨年12月に、小児甲状腺がんについて、福島県および福島県立医大に文書による質問を行っていました。先日、双方より文書による回答がありましたので、ご参考まで、下記に貼り付けます。なお、質問文に続いて→で福島県、福島医大の回答を掲載しました。

 

・質問01 直近の報告(第21回県民健康調査検討委員会)では、県民健康調査により小児甲状腺がん乃至疑いと判明した患者数は、152人と公表されていますが、この人数について、貴職は、どのような根拠の下に"多発"と判断されたのか、その根拠についてご教示ください。

 

→(福島県回答) 何らかの症状があり受診し診断され治療、報告された数(がん登録)を基にした数と、無症状の方を対象として広く実施しているスクリーニング検査(「甲状腺検査」)により発見された数を比較し、多数発見されていると考えています。

 

→(福島医大回答) 第21回検討委員会への報告において、先行検査で114人(口頭での追加分を含む)、本格検査で39人が甲状腺がんまたは甲状腺がん疑いである旨の報告をしたことは事実です。福島県県民健康調査の甲状腺検査のように、症状のない方を検査して、甲状腺がんまたは甲状腺がんの疑いのあるとされる方の割合は、国立がん研究センターのがん登録における甲状腺がん(一部に偶然検査で発見された方を含むが通常は症状等があり病院を受診し診断された甲状腺がん)の割合と比較してかなり高くなる旨は認識しております。これらは比較できるような同じ条件ではありません。これまで、同条件での比較において、福島県で甲状腺がんが多発しているという判断をしたことはありません。

 

・質問02 貴職は、小児甲状腺がんが"多発"と認識し、手術を施行した症例については、手術適応症例であり、その施行の判断は適切であったとしています。その一方で、発生要因として、福島原発事故による放射線被ばくの影響は考えにくいと述べられています。そこで、これら当該疾患の発生要因について、どのような可能性をお考えか、具体的にご教示ください。

 

→(福島県回答) 県民健康調査検討委員会及び甲状腺検査部会においては、一生涯無症状で経過するがんの発見等の可能性が示唆されています。

 

→(福島医大回答) 特に若年層の甲状腺がんの自然史には分かっていない部分が多くございますが、検討委員会および甲状腺検査評価部会では、生涯にわたって症状の出ないがんが存在している可能性が示唆されています。すなわち手術を選択された方の割合から原因を推測することは不適切だと思われます。放射線以外の一般的な要因でがんが発生していると考えられますが、今後適切に検査を繰り返し、その結果を惧盤に見ていくとともに、第20回検討委員会で発表した、平成27831日付「放射線被ばくの影響に関する調査研究について」にて掲示した3つの調査研究および、今後追加で必要と判断した調査研究等を通じて、福島県における放射線被ばくの影響の解明に取り組む所存です。

 

・質問03 これまで、県民健康調査で発見された小児甲状腺がんについては、放射線被ばくの影響は考えにくいとの見解に立脚すると、「①福島県以外の都道府県でも、同様の発見率となる可能性」や、「②放射線被爆以外が原因で福島県内に特異的に好発している可能性」の、この2つの可能性が排除できないと思われます。そして、②については、つまり、放射線被ばくの影響以外で、小児甲状腺がんが福島県内で特異的に多発することは、経験則からも可能性が極めて低いと考えられます。

 そうなると、福島県以外の都道府県でも、県内と同様に、小児甲状腺がんが多発し、それらはほとんどが手術適応症例であることが予見されますが、その点についての貴職のお考えをご教示ください。

 

→(福島県回答) そのように予見されると考えます。

 

→(福島医大回答) 他都道府県で福島県と同様の検査をした場合に、類似する結果となる可能性は高いと思われます。

 

・質問04 貴職は、県民健康調査(甲状腺検査)で発見された小児甲状腺がんは、福島原発事故による被ばくの影響は考えにくいとの見解ですが、逆に、どのような場合に、福島原発事故による被ばくと因果関係があると判断するのか、その判断基準をご教示ください。

 

→(福島県回答) このことについては、福島県立医科大学への県民健康調査の委託の中で示していくよう依頼しています。

 

→(福島医大回答) 第20回検討委員会で発表した、平成27831日付「放射線被ばくの影響に関する調査研究について」にて掲示した3つの調査研究および、今後追加で必要と判断した調査研究等を通じて、福島県における放射線被ばくの影響を解明に取り組む所存です。もし個人線量がある程度正確に推計可能で、かつ自然放射線や医療被ばくその他の人工的な被ばくの揺らぎより大きい線量の被ばくが今回の事故により認められ、疾患と線量の関連性が疫学的に認められた時は、因果関係が推測されると考えています。

 

・質問05 これら小児甲状腺がん患者については、県民健康調査での基本調査から、外部被ばく線量(推計値)とがん発症との関連性は検討可能と思われますが、内部被ばくと発症との関連性を検討することは不可能と思われます。そこで、貴職は、これら小児甲状腺がんと内部被ばくとの関連性については、どのように検討なされているか、具体的にご教示ください。

 

→(福島県回答) 国において行われている初期内部被ばく線量推計に関する研究事業を注視しているところです。

 

→(福島医大回答) 環境省の委託率業として、放射線医学総合研究所が、原発事故後初期段階における内部被ばく線量の推計に着手しております。

 

・質問06 貴職は、県民健康調査で判明した小児甲状腺がんについては、福島原発事故による放射線被ばくの影響は考え難いとしながらも、その影響を科学的根拠をもって全面的に否定できない状況です。このように、放射線被ばくの影響が全面的に否定できないのであれば、せめて、その結論を得るまでの間は、予防原則に基づいた何らかの行政施策やその助言が求められるべきと考えています。その上で、貴職は、これまでに、どのような予防原則に基づいた施策や助言を実施しているか、あるいは、実施していないのであれば、その理由についてご教示ください。

 

→(福島県回答) 「予防原則」については、定義、解釈が統一されていないものと認織していますが、「人の健康、環境に対する深刻かつ不可逆なリスクがあると予想される場合は、因果関係について十分な科学的確実性がなくとも完全な科学的証拠がそろうのを待たずに、費用対効果を考慮した上で、事前に予防的措置を取ることを求めるリスクマネージメントの方策の一つ(平成133月(社)日本化学工業協会作成資料より)」だとすれば、今般行われている行政施策等については、これに外れたものではないと考えます。

 

→(福島医大回答) 「予防原則」については、定義や解釈が統一されていないものと認識していますが、「人の健康、環境に対する深刻かつ不可逆なリスクがあると予想される場合は、因果関係について十分な科学的確実性がなくとも完全な科学的証拠がそろうのを待たずに、費用対効果を考慮した上で、事前に予防的摺脛を取ることを求めるリスクマネージメントの方策の一つ」(平成133月(社)日本化学工業協会作成l資料より)だとすれば、今般行われている行政施策等については、これに外れたものでないと考えています。助言という観点では、放射線被ばくの健康影響についての国内外の知見を行政担当者に紹介する等の役割を担っております。

 

・質問07 県民健康調査で小児甲状腺がん乃至疑いとされた子どもたちの大半が、福島県立医科大学で手術などの治療を受けていると伺っています。彼らやその保護者は、唐突にがんを宣告され、その苦悩は計り知れないものがあります。加えて、福島原発事故後の福島県や福島県立医科大学の県民への対応は、時に適切さを欠くものであり、県民からの信頼回復はその途にあると思われます。

 その上で、医療の基盤が信頼関係であることを踏まえれば、貴職には、その信頼回復に向けての努力が求められるはずですが、これまでどのような信頼回復のための対策を講じたか、また、今後、信頼回復に向けてどのような対策をお考えか、ご教示ください。

 

→(福島県回答) 今後とも適切に県民健康調査を実施していくこととしています。

 

→(福島医大回答) これまで、結果のお知らせやパンフレット等のツールの見直しを適宜行い、分かりやすい情報発信を心がけております。また甲状腺検査や健康診査では検査対象の方向けの説明会や相談会を実施し、県民の皆さまと対話する機会を設けてまいりました。今後も県民健康調査の適切な運営を継続しつつ、その結果やその解析結果を県民の皆さまにできるだけ分かりやすくお伝えしてまいります。

 

・質問08 これら小児甲状腺がんの患者やその保護者を対象とした、中立的な立場での医療相談などの窓口の設置が必須と思われます。そこで、今後、そのような中立的な、あるいは第三者機関による相談窓口を設ける計画の有無、仮に設けないのであればその理由についてご教示ください。

 

→(福島県回答) "中立的''という意味が不明確ですが、甲状腺検査で二次検査の対象となった方等を対象としたサポートチームを設置し精神面での支援を行っています。また、御本人等の判断による他の医療機関等への相談について何ら妨げるところではありません。

 

→(福島医大回答) 甲状腺検査の二次検査対象者向けには、専用のWEB相談窓口を設けております。また、福島県立医科大学附属病院においては、二次検査実施時には、臨床心理士などの医療スタッフによる「こころのケア・サポート」を行っております。診療に移行した後は、患者様と医師の信頼関係に基づいて、個別に診療の過程で相談が行われております。

 

・質問09 これら小児甲状腺がんの患者やその保護者が、いわゆる「患者の会」などを設立して、横のつながりを持つことは大切なことと考えています。そこで、今後、中立的な、あるいは第三者による、いわゆる「患者の会」の設立の働きかけについて、仮に行っているのであればその内容、行わないのであれば、その理由についてご教示ください。

 

→(福島県回答) 県民健康調査甲状腺検査における直接の取組ではありませんが、福島県立医科大学の診療現場において「患者会」としての動きがあると聞いています。

 

→(福島医大回答) 中立的な、あるいは第三者による会ではありませんが、福島県立医科大学で甲状腺がんの治療をした、あるいは治療中の方の親睦会を、福島県立医科大学甲状腺内分泌学講座主催で複数回開催しております。県民健康調査の甲状腺検査で甲状腺がんが見つかった方も参加していると思われます。

 

・質問10 健康調査で小児甲状腺がんと診断された患者について、再発を認めた患者数、死の転帰を辿った患者数について、貴職が把握している範疇でご教示ください。

 

→(福島県回答) 把握しておりません。

 

→(福島医大回答) 福島県立医科大学で把握している範囲で、県民健康調査の甲状腺検査においてがんまたはがん疑いとなられた方で、お亡くなりになった方はいらっしゃいません。それ以上の情報につきましては、患者様の個人的な診療情報のため、公表は控えさせていただきます。

以上

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(ご紹介は以上です)

 

(田中一郎コメント)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1.この回答は、「原発・原子力・核兵器の推進に伴い犠牲者が出た場合には、どのように放射線被曝がごまかされ、矮小化され、歪曲され、そして被害を受けた人々が切り捨てられていくか」の1つの具体的なプロセスとして見る、ということがポイントです。脱原発・脱被曝・被害者完全救済は、原子力ムラ・放射線ムラと闘って勝たない限りはいつまでたっても実現しないでしょう。

 

 また、水俣病その他の経験から鑑みると、政治と政治家を大きく入れ替えない限りは、きちんとした形での脱原発・脱被曝・被害者完全救済はできないだろうと思われます。放射能と被ばくは軍事や国策=支配権力の統治方針と密接にかかわっており、企業犯罪のレベルであった水俣病よりも、より多くの困難や妨害が待ち受けていると思われます。このことは、「福島原発告訴団」が告発した東京電力幹部らの起訴問題が、東京地検の公安部=昔で言うところの「特高警察・特高検察」=反体制派を取締り弾圧するための部署が担当していることからも垣間見えます。裁判が公正にさばいてくれる、などという甘い発想は持たない方がいいでしょう。日本の司法や裁判所こそ、行政よりももっとグロテスクな権力機関です。

 

(こう申し上げたからと言って、決してこの問題が絶望的なのではありません。簡単な話、自民党と民主党、及びその補完政党の政治家達を選挙で一掃してしまえば、状況はガラッと変わります=もちろん、それだけではだめですが。原発・原子力は政治の力だけで進められていますし、原発・原子力の息の根を止めれば、放射能や被ばくを歪曲・矮小化する必要性も乏しくなくなります)

 

2.子ども甲状腺ガンの多発は、旧来のガン統計と比べて多発であるだけではなく、例えば、2000年以降に毎年実施されている青森県の(再処理工場対策としての)県内小児がん等がん調査(下記)や、多くの臨床医の経験と比べても多発なのです。スクリーニング効果では説明できない、と「福島県民健康調査検討委員会」下の甲状腺専門部会は結論を出したのですから、上記は回答になっていませんね。

 

(関連)青森県がん情報サービス - 青森県小児がん等がん調査事業報告書

 http://gan-info.pref.aomori.jp/public/index.php/s14/c54-001/1894.html

 

(関連)小児がん等がん調査事業 平成26年度報告書

 http://gan-info.pref.aomori.jp/public/attachments/article/1894/H26shouniganhoukokusho.pdf

 

(上記報告書でガンの種類を分類した「ICCCコード」の「11」番「上皮性腫瘍および悪性黒色腫」の中に「甲状腺ガン」が含まれています。甲状腺ガン以外にも、例えば副腎皮質ガン、鼻咽頭ガン、悪性黒色腫用、皮膚上皮ガンなどが含まれ、2000年から2014年までの15年間で、合計9件(男子3人、女子6人)でした:田中一郎)

 

3.また、子ども甲状腺ガンの手術についても、福島県立医大は「必要不可欠だった」と言っています。そして、「福島県民健康調査検討委員会」も、それを認めているわけですから(手術は適切だったと)、「検討委員会および甲状腺検査評価部会では、生涯にわたって症状の出ないがんが存在している可能性が示唆されています」などという言い草は、もう許してはいけないだろうと思われます。いったい手術をした子供たち115人のうちの何人がそうだったのか、そして、その方々に対しては福島県立医大は医療ミス=過剰診療をしたということになるが、それでいいのか、ということも認識したうえで説明せよ、ということです。くだらない一般論のおしゃべりはもういりません。

 

4.質問03 「①福島県以外の都道府県でも、同様の発見率となる可能性」について

→(福島県回答) そのように予見されると考えます。

→(福島医大回答) 他都道府県で福島県と同様の検査をした場合に、類似する結果

となる可能性は高いと思われます。

 

 よくもまあ、こういうことをぬけぬけと言っているものだと思います。そうだと本気で思うのなら、全国での子ども甲状腺の緊急一斉調査が必要でしょう。何故なら、152人の子ども甲状腺ガンの多くの子どもたちが手術をしなければ危なかったわけですから、そういう子どもたちが全国に何千人・何万人もいることになります。しかし、「福島県民健康調査検討委員会」の星北斗座長は、「全国的に疫学的な健康調査・甲状腺検査を大規模に行う必要性を感じさせる事実はない」などと記者会見でずっと言い続けているのです。矛盾しているでしょう。二枚舌はやめていただきたいものです。

 

5.第2巡目の子どもたち39人のうち、37人の子どもが1巡目はA1,A2判定だった、特にA1だった子どもが20人くらいいます。これについて、どう説明するのか、回答がありません。甲状腺ガンは進行が遅い、などと言っていたこととも平仄が合わない。

 

 また、子ども甲状腺ガンは原発事故直後の放射性ヨウ素131による初期被ばくのみならず、その後4年半以上にもわたる恒常的な低線量被曝(外部被爆・内部被曝)=特に放射性セシウムや放射性ヨウ素129などによる内部被曝が影響している可能性があります。これについての警戒が全くありません。

 

6.福島第1原発事故直後の時期に’(2011年前半)、初期被ばくを計測せよ、計測してくれ、という話は、たとえば飯館村の佐藤さんをはじめ、たくさんありましたが、それに対して、まともに対応した組織も人間も皆無でした。また、福島県庁や「福島県民健康調査検討委員会」をはじめ、多くの行政機関や御用学者たちが、初期被ばくを計測しようとする動きを妨害していた事実も発覚しています。こうした初期被ばくの計測を妨害していた事実はもっと徹底的に事実を明らかにし、その責任を追及しないといけません。何故なら、肝心な時に初期被ばく計測を妨害したり、対応しなかったり(不作為)した連中が、「福島県民健康調査検討委員会」や国の放射線被曝防護・放射能対策の委員などになり、ぬけぬけと「さまざまなデータが大切」などと言っているからです(例:放射線医学総合研究所の明石真言や福島県庁職員ら)。

 

7.甲状腺ガン以外の健康障害はどうなっているのでしょうか? また、甲状腺疾患でも、ガン以外もありうるでしょう(たとえば橋本病=甲状腺機能低下症)。何故、調べないのでしょうか?、何故言及しないのでしょうか? また、甲状腺検査だけでなく、それ以外の検査(心電図、尿検査、WBC、血液検査、染色体・遺伝子検査、バイオアッセイ(乳歯、髪の毛、大便、その他)を何故充実させないのでしょうか? 白血病、セシウム心筋症による突然死、白内障、その他は、福島第1原発事故後4年半を経過して、今現在どうなっているのでしょうか?

 

8.死亡統計がいい加減です、このままでは、突然死された方の死因が分からないまま、闇から闇へと消されてしまう可能性大です。放射能汚染・放射性セシウム環境拡散の実態から鑑みて、セシウム心筋症による心臓ショック突然死はありうる話です。

 

9.福島県内の子どもたちの置かれた居住環境の放射能汚染の状況や放射線被曝の実態もわからないし、調べられてもいない。妊婦さんについても同様です。特に意図せずして受けるホット・スポットからの外部被曝や、呼吸による内部被曝が心配です。この国はいったいどうなっているのでしょう? 「福島県民健康調査検討委員会」も福島県庁も福島県立医大も、何の問題意識も懸念もないのでしょうか?

 

(最後に)

 「福島県民健康調査検討委員会」と福島県・福島県立医大、そして国や国の関係機関などの「原子力ムラ・放射線ムラ」連合がやっていることの出鱈目を、もっと広く日本の全国の有権者・国民や福島県民に知らせないと、このままでは危ない=もみ消されてしまいます。また、脱被曝運動のこれからの運動の在り方も見直さなければいけないだろうと思われます。

 

 福島県の子ども甲状腺ガンの多発の原因は、放射能や被ばくの可能性がないとは言えない、どころの話ではなくて、今のところ、それ以外に考えられる原因はない、ということです。100%断定はできないけれども、これ以外には今のところは考えにくい、そしてそれには、事故直後の初期被ばくだけでなく、その後の恒常的な低線量被曝(外部被爆・内部被曝)が影響している可能性も否定できない、ということです。「放射能や被ばくの影響とは考えにくい」ということの方こそ、その根拠が薄弱なのです。彼らに対しては、最初に結論を決めてかかるなと言わなければいけません。

 

 「福島県における今日の子ども甲状腺ガンの多数の発見が、おそらくは福島第1原発事故による放射能の影響である」ということに関して、「そうではない」と科学的実証的に反論するためには(「放射能や被ばくの影響とは考えにくい」を立証するには)、全国レベルで子どもの甲状腺ガン検査を数十万人単位で一斉実施する以外にないだろうと思われます。

草々

2016年1月16日 (土)

「原発・原子力の出鱈目てんこ盛り」シリーズ再開(11):東京電力と東芝、このどうしようもない原子力企業を退場させましょう、おかしいよ福島県庁 他

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

(最初にイベント情報その他です)

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1.東京都北区のイベント情報

(1)(別添PDFファイル)16 2 8なくそう戦争法!実行委結成総会ビラ完成版(東京都北区)

 日 時:2016年2月8日(月) 午後6時開場 6時30分開会

 場 所:北とぴあ・第2研修室7F(JR王子駅徒歩5分)

 講 演:清水雅彦氏(日本体育大学教授(憲法学))

 

(2)(毎年恒例)北区民「脱原発」集会

 日 時:2016年3月13日(日) 13:30開始

 場 所:JR王子駅前の三角公園

 (集会終了後、デモ行進を予定)

 

2.(別添PDFファイル)「3 11から5年後の福島」講演集会(in 松戸)

 本田雅和朝日新聞南相馬支局長が語る (サブ)

  *復興はどこまで進んいる?、*原発汚染水はどうなっている? *除染? 廃炉の見通しは? *住民の健康状態は?

 日 時:2016年4月9日(土) 13:00開場 13:30開始

 場 所: 松戸市勤労会館ホール

 参加費: 500円

 

3.放射性物質を含む廃棄物最終処分場建設に断固反対する10万人署名のお願い 宮田の環境を守る会(長野県伊那地方・宮田村)

 http://miyadakankyo.officialblog.jp/archives/507664.html

 

4.キャンペーン · 原発回帰のエネルギー基本計画案に反対します/昨年夏の国民的議論の結果を反映し、「原発ゼロ」を明記してください · Change.org

https://www.change.org/p/%E5%8E%9F%E7%99%BA%E5%9B%9E%E5%B8%B0%E3%81%AE%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E5%9F%BA%E6%9C%AC%E8%A8%88%E7%94%BB%E6%A1%88%E3%81%AB%E5%8F%8D%E5%AF%BE%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99-%E6%98%A8%E5%B9%B4%E5%A4%8F%E3%81%AE%E5%9B%BD%E6%B0%91%E7%9A%84%E8%AD%B0%E8%AB%96%E3%81%AE%E7%B5%90%E6%9E%9C%E3%82%92%E5%8F%8D%E6%98%A0%E3%81%97-%E5%8E%9F%E7%99%BA%E3%82%BC%E3%83%AD-%E3%82%92%E6%98%8E%E8%A8%98%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%81%A0%E3%81%95%E3%81%84?tk=WPCBiyXRrKg_XqB1eoqSZM61fAqF5BTNVJEdkTycrhI&utm_source=petition_update&utm_medium=email

 

5.高浜・川内原発も調査を! ケーブル不正問題についての緊急署名

 https://fs224.formasp.jp/f389/form1/

 

●詳しい内容を知りたい方は「美浜の会」の見解をまとめた資料が下記で見られます。

 Http://www.jca.apc.org/mihama/takahama/kenkai_cable160114.pdf

 

6.玄海原発反対の仲間から

(1)2016年1月20日、「免震重要棟」などで九州電力本店交渉

 1217日、九州電力は川内原発の免震重要棟建設を放棄することを明らかにしました。更に九州電力は17日、「2015年度中に完成予定」としてきた玄海原発の免震棟の建設の是非も「再検討」することを表明しました。再稼働の前提条件さえも崩れた川内原発の稼働をただちに中止すること、玄海の再稼働申請も撤回することを求めて、九電本店と交渉します。地元同意、使用済み核燃料など、住民の命軽視の九電の姿勢も糺します。再稼働が迫っています。ぜひご参加ください。参加できる方、事前に連絡をください!

 

1.20九州電力本店交渉★

 2016120日(水)

   13時半 本店1階ロビー集合

   14時~16時 交渉

◆詳細はコチラ→

 http://saga-genkai.jimdo.com/2016/01/13/1-20九州電力本店交渉告知/

 http://saga-genkai.jimdo.com/2015/12/21/九電-免震重要棟建設放棄/

 

(2)1.21 原発避難計画全国集会 in 東京

 川内、高浜、伊方、柏崎刈羽、玄海…各地の原発避難計画を徹底検証!

 日 時:2016年1月21日(木) 13:00~(16:00~政府交渉、18:00終了)

 場 所:参議院議員会館101

 詳細はこちらをご覧ください→

  http://saga-genkai.jimdo.com/2016/01/13/原発避難計画全国集会告知/

 

(3)原発ケーブル不正問題緊急署名:柏崎刈羽原発で発覚した「ケーブル不正問題」。

 http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2016010600040

 

 ◆署名はコチラから→

 https://fs224.formasp.jp/f389/form1/

 ◆紙版はこちらです。印刷してお使いください

 http://kiseikanshi.main.jp/wp-content/uploads/2016/01/syomei.pdf

 ◆詳しくは下記URLの美浜の会見解をごらんください。

 http://www.jca.apc.org/mihama/takahama/kenkai_cable160114.pdf

 ◆上記121日の政府交渉でも追及します。

 

(ここから本文)

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「原発・原子力の出鱈目てんこ盛り」シリーズ再開(11)をお送りいたします。原子力ムラの出鱈目は新年になってもその勢いのとどまるところを知らず状態です。危険です。

 

 <別添PDFファイル>

(1)数字で会社を読む:東芝(『週刊ダイヤモンド 2016.1.16』)

(2)東芝、全国で上がる訴訟の火の手(『日経ビジネス 2016.1.18』)

(3)東電、見せかけの料金値下げ(『日経ビジネス 2016.1.18』)

(4)明確に説明されない汚染水の増加(木野龍逸『科学 2015.12』)

(5)凍土壁に新たな課題、地下水の水位に影響も、規制委は慎重姿勢(日経 2016.1.4

(6)学校給食の県産食材活用、3割近くに回復 27年度(福島民報 2016.1.15

(7)放射性物質検査 27年産米基準超ゼロ(福島民報 2016.1.8

(8)太陽光発電入札、不正には懲役も、経産省(日経 2016.1.13

 

1.風前の灯火「東芝」(一刻も早く退場してください。原発・核施設は日本にも世界にもいりません)

(1)数字で会社を読む:東芝(『週刊ダイヤモンド 2016.1.16』)  

 http://dw.diamond.ne.jp/articles/-/15865

 

(田中一郎コメント)

 ポイントは、①今般、過去に粉飾されていた欠損や不振部門のリストラなどで当期純損失5500億円、②その結果、自己資本は4300億円まで減少し、自己資本比率は10%以下へ、③しかし、リストラの対象となったのは白物家電やパソコン、半導体事業の一部などで、諸悪の根源であるアメリカのWH(ウェスチングハウス)他の原子力部門にはメスが入っていない。入っていないどころか、今後も原子力部門は「主力事業」とするとのこと、④東芝の資産には、このWHの「のれん代」や繰延税金資産が1兆円近い金額で計上されており、その償却は時間の問題、⑤その結果、東芝は債務超過へ転落が必至の状況(倒産)、⑥当面の注目点は、東芝の不正を見逃して罷免された新日本監査法人に代わる新監査法人が、このWHの「のれん代」(実質減損状態)や繰延税金資産の計上をどれだけ認めるか(償却を迫るかどうか)と、取引銀行団が東芝の借入要請にどこまで応じるか、である。

 

 通常の企業であれば、ほぼ倒産は必至の情勢だ。しかし、東芝は「腐っても原発企業」、どんでん返しの可能性がある。それは日本のインドへの原発輸出。何故なら、インドの日本への原発発注先は東芝で、それを具体的に請け負うのは、今問題となっているWHだというのである。この話、本当なのか、もしそうなら、日本政府・安倍政権が東芝救済のために、核拡散防止の基本政策を捻じ曲げてでも、原発企業・東芝のために奔走していたことになる。

 

(2)東芝、全国で上がる訴訟の火の手(『日経ビジネス 2016.1.18』)

 http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/NBD/15/depth/011200174/?ST=pc

 

(田中一郎コメント)

 ポイントは3点。①室町正志現社長を含む東芝経営者10人が、新たな株主代表訴訟の被告となる。東芝自らが株主代表訴訟を封じ込める目的で起こした旧経営陣5人への訴訟を上回る責任追及がスタート、②その原告団が東芝自身の起こした5人の旧経営陣への損害賠償訴訟に参加、損害賠償請求額がたったの3億円から、金融庁処分の73億円課徴金納付命令を含む80億円超になりそう、③全国各地で東芝旧経営陣への株主代表訴訟が提訴される情勢、

 

2.いつまでたっても変わらない出鱈目会社・東京電力

(1)東電、見せかけの料金値下げ(『日経ビジネス 2016.1.18』)

 http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/NBD/15/depth/011200172/?ST=pc

 

(一般ユーザーの平均実態以上の大口ユーザーの割引を事例に挙げての過大な値引き広告、一過性のサービスがほとんど、キャッシュバックではなくポイント追加、などなど、東京電力の料金値下げは「見掛け倒し」。肝心の脱原発・再生可能エネルギーはどうなっているの?:田中一郎)

 

(2)明確に説明されない汚染水の増加(木野龍逸『科学 2015.12』)

 http://www.iwanami.co.jp/kagaku/

 

(一部抜粋)

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 東電や政府が強調している, l日に300m3の増加というのはあくまでも「原子炉建屋やターピン建屋に流入している地下水の量」に限ったもので,タンクに留まっていく汚染水の増加量はさらに,護岸に設置したウェルポイントからくみ上げた汚染地下水や,ALPSで汚染水を処理する際に注入する薬液量などを加えたものになる。これが1日に200m3以上にもなるのだが,東電は増加分の内訳をきちんと説明していないことを指摘した。その後,これらの情報がどうなったのか,顛末を紹介してみたい。実は後になって,東電がほぼ毎週, 資源エネルギー庁にこのデータを報告していたことがわかった。

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(どうしてこの会社は、こうしてウソばかり公表して、そのあとそれがバレて叱られるという愚かなことを繰り返すのでしょうか?:田中一郎)

 

(木野さん関連)

 http://twilog.org/kinoryuichi/month-1412

 http://togetter.com/li/886265

 

(3)凍土壁に新たな課題、地下水の水位に影響も、規制委は慎重姿勢(日経 2016.1.4

 http://blog.livedoor.jp/bbgmgt/archives/2016-01-04.html

 

(この日本経済新聞記事は、現時点での福島第1原発の汚染水問題をコンパクトにまとめている意外にいい記事です。時間の無い方には最適の「汚染水問題解説記事」ですので、汚染水問題に詳しくないかたはぜひご覧ください・:田中一郎)

 

3.おかしいよ福島県庁=放射能汚染と恒常的な低線量被曝(外部被爆・内部被曝)の危険性を甘く見るな

(1)学校給食の県産食材活用、3割近くに回復 27年度(福島民報 2016.1.15

 https://www.minpo.jp/news/detail/2016011528061

 

(こんなこと、自慢することなのかしら? 私が親だったら、子どもにはこんな学校給食は絶対に食べさせません。要するに、福島県産食材も、その他の放射能汚染地域の食材も、ほとんど検査されていないのですから、その危険性はわかりません。わずかな数のサンプル調査からは、地元産の食材は原発事故直後ほどの汚染状況ではないことを示していますが、しかし、どんな食材にどれくらいのホット・スポットが隠れているかはわかりません。子どもたちにとっては、日々日常の外部被曝や呼吸による内部被曝とあわせて、無用の放射線被曝が大人たちによって押し付けられているのです。何ということでしょう!! :田中一郎)

 

(2)放射性物質検査 27年産米基準超ゼロ(福島民報 2016.1.8

 http://www.minpo.jp/news/detail/2016010827892

 

(汚染がひどいことになっていなくてよかったと思います。しかし、このコメの全量検査についても、その正確性に疑義が出ている他、そもそも農地の汚染状況がほとんど調査されていないので、いつ何時、この状態がひっくり返るかわからない不安があります。また、放射性セシウム以外の放射能汚染は大丈夫なんでしょうか? あるいは、コメ以外の麦や大豆、その他の農産物はどうでしょうか? 検査の結果を見ますと、キノコ・山菜、大豆、干し柿や切干大根などの乾燥もの、梅・クリ・ベリー類・柑橘類、などから放射性セシウムが検出されています。:田中一郎)

 

4.太陽光発電入札、不正には懲役も、経産省(日経 2016.1.13

 http://www.nikkei.com/article/DGXLZO96044120T10C16A1EE8000/

 

(あのね、不正について、こういうことをするというのなら、原発や核施設がらみの不正に対してはどうするの? これまでちゃんと不正を退治していたら、それこそ、今頃は誰もいなくなっていたのではありませんか? 不正を根絶するという崇高な精神は、原発・核施設関係にこそ、しっかりとなされるべきです。何故なら、太陽光は大事故にはなりませんが、原発・核施設の不正は破局的な大事故を招きかねませんから。太陽光を「めのかたき」にするのはおやめなさい:田中一郎)

 

5.その他

(1)たんぽぽ舎 MG より

┏┓

┗■2.伊方町の住民は原発再稼働をどう考えているか  連載その1

 |  原発の城下町(愛媛県伊方町)を一軒一軒歩きました

 |  一軒一軒から聞いた住民からの声を一部紹介

 |  伊方原発再稼働に反対53.2%、賛成26.2

 |  伊方町住民へハガキアンケート3591戸に配布、回答1427

 └──── 藤原丸子(愛媛県八幡浜市)

 

○Aさん(90歳台・女性)

 初めての面談。急に訪問したので、びっくりしておられた。とても優しい語り口。主旨を言うと、「そうですか」と答えられるけど、曖昧な口調。「それよりも私の俳句を見てほしい」と。その前日にもらったという表彰状。「ウワーすごいですね、良かったですね」」と私までそのお元気さに感心する。だって90歳だ。そして最後に「ごめんなさいな、孫が原発に行きよるけん、ちょっと反対はできんなあ」「それは無理ないですよ」と言いながら人との出会いをほこほこした思いで感謝し、辞去した。

 

○Bさん(70歳台・男性)

 限界集落のような空家の多い地区。海岸に一軒家のようなお宅にお邪魔した。なかなか出て来られない。しばらくして男性が奥からぼつぼつ出られた。主旨を言うと「そうかな、わしも反対で」と言われる。嬉しいなあと話が弾む。若い時、万博の工事で忙しくしていたことを楽しそうにその頃の話を喋られる。日本の高度経済成長の頃をなつかしそうに、ご自分の輝いていた時を思い出しているのだろう。今は体も不自由で買い物もままならないとのこと。一人暮らしの寂しさを感じる。もっと喋る機会があったら、喜ばれるだろうにとつくづく思った。

 

○Cさん(40歳台・男性)

 原発に近いこの集落はお年寄りが多いけど、新しい若い人たちの家もちらほらとある。子どもの履物もあるそんなお宅。玄関に見えたのは40歳代の男性。ちょっと苦手かなと少し構えて主旨を言うと、「ウン、ウン」と頷いて聞いて下さる。最後に言いにくそうに「実は原発に働いています」と。「ごめんなさい、それだったら無理ですね」と私の方が慌ててしまった。「いいえ」と優しい顔で応対して下さった。こんな風に逆な立場でも穏やかな会話が大切だと痛感した。  (その2へ続く)

 

(関連)たんぽぽ舎の新しいサイト

 http://www.tanpoposya.com/

 

(2)高速増殖炉「もんじゅ」関連

●「もんじゅ勧告」のすごい内容 - 竹内敬二|WEBRONZA - 朝日新聞社

http://webronza.asahi.com/science/articles/2015112000006.html?iref=wrp_rnavi_rank

 

●高速増殖炉「もんじゅ」のゆくえ 〜 国の行政責任はなぜ問われないのか? 石川和男

 http://www.huffingtonpost.jp/kazuo-ishikawa/nuclear-power-plant_b_8825732.html

 

(3)<最終処分場>宮城の首長「保管の悩み続く」 河北新報オンラインニュース

 http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201601/20160116_11021.html

 

(宮城県には放射能汚染ゴミの「最終処分場」はつくらないことにするようです。ひとまず、よかった、よかった、ですが、問題の解決にはならないのです。東京電力と国が早くこのゴミを引き取りなさい。さしあたり、東京電力本社、福島第2原発、柏崎刈羽原発、経済産業省・環境省敷地、首相官邸、自民党本部などに分散して置いておけばいい。:田中一郎)

草々

私たちの年金が消えていく=安倍・自民党の「ドアホノミクス」で年金を株式博打に使い、あっという間にバブルがはじけて「半値・八掛け・2割引き」、さようなら老後資金、さようなら年金さん、またお会いいたしましょう

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

中国の経済スランプを契機に、世界的な株安・バブル崩壊の様相となってきました。案の定、有権者・国民の大切な年金積立金=絶対に元本割れをしてはいけないお金を株式博打の原資に使い、「ドアホノミクス」という「お遊び」をしているうちに、その年金原資はどこかへ消えてしまいそうになっています。なんせ、135兆円くらいある巨額の年金基金のお金の半分を内外株式に投資し、更に為替リスクのある外債や、信用度が低いサブプライムのジャンク債にも手を出そうというのですから、これはもう、アホウ、を超えて、無謀・無茶・愚昧・大ボケ・最悪、以外の何物でもありません。欧米の証券会社・インベストメントバンク・マーチャントバンク・銀行などの証券業者にとっては、カモがネギをしょって出てきたようなものですから、さっそく「食いちぎられてしまった」ということです。

 

数か月前は、上海株式がくしゃみをしたので、日本の年金基金の数兆円が吹き飛びました。今回は、くしゃみでは済まないかもしれません。下記にご紹介した「ダイヤモンド社」のサイトにある記事によれば、日経平均が1000円動けば、年金基金は2兆円がプラスになったりマイナスになったりするそうです。ですから、今回の世界的な株価下落は、ひょっとすると日本の年金基金に大きなダメージを与えてしまう可能性があります。

 

しかし、年金基金のような巨額な基金(FUND)が一旦株式を大量に買ってしまうと、今度はそれを売ろうにも売ることができません。何故なら、そんな巨額の株式を買えるだけのお金を持ったところは世界のどこにもないからです。日本の年金基金は、大量の株式を保持したまま、大海の海の底へ沈んでいくことになるでしょう。博打の世界にのめり込んだら、そう簡単には逃げ出すことができないのです。

 

「安倍・自民党の「ドアホノミクス」で年金を株式博打に使い、あっという間にバブルがはじけて「半値・八掛け・2割引き」、さようなら老後資金、さようなら年金さん、またお会いいたしましょう。」 この責任は一体誰がとるのでしょうか。もちろん誰もとりません。対米戦争の負け戦の責任も、原発大事故の責任も、HIV感染やB型・C型肝炎の責任も、アスベスト被害や豪雨による水害の責任も、誰もとっていませんから、当然ながら、有権者・国民の年金を株式博打でスってしまっても、そんなもの、誰も責任は取らないのです。

 

「半値・八掛け・2割引き」を計算しますと=135兆円×1/2×0.8×(1-0.2)=43兆円 ぐらいまで年金基金は目減りする = つまり、有権者・国民の年金積立金の約100兆円が一瞬にして消滅するということです。ゴロツキとドアホの集まりの自民党に政権をゆだねっぱなしにしたことによる「高い授業料」の請求が来た、ということになります。どうします? 塩崎恭久(安倍晋三内閣の厚生労働相=公的年金の責任者)でも「縛り首」にしますか? しかし、そんなことをしても私たちの年金は、どう逆立ちしたって返ってきません。つまり、次回の国政選挙で、自民党の政治家どもをことごとく落選させ、国会から追い払う以外に私たちの公的年金を守る方法はないのです。今夏の参議院選挙、または衆参同日選挙は「年金防衛選挙」です。

 

そもそも、公的年金運用機関であるGPIFの運用は、その組織の基本的な性格から言っても、国債とそれに準じるものに限定すべきです。公的年金は元本割れリスクを取ってはいけませんし、外債運用も、為替リスクを回避して、円投の外貨調達を行ってなすべきです。

 

そもそも、GPIFなどという公的年金運用機関はリスク運用ができるような組織ではありません。無責任極まりない体質と組織形態となっています。こんなところに巨額のリスク運用をさせるものではありません。(どうしてもリスク運用をやらせるのなら、損が出た場合に穴埋めをさせるため、関係者一同の全個人財産を担保に取ってください。善管注意義務確保のための「人質」ならぬ「カネ質」です。いずれにしても、投資対象は国債とそれに準じるものに限定=アメリカと同じ、でないといけません)

 

公的年金は、高い運用利回りを確保しなければ、制度的に維持できない、などと「したり顔」でGPIFのリスク運用を合理化する御用学者が少なくありませんが、そんなことは、下記サイトにある「そもそも総研」のVTRにもあるように「本末転倒」です。無い袖は振れませんから、公的年金の収支尻が合わないのなら、財政支援を増やす、年金保険料を上げる、厚生年金に入るべき企業が法を破って逃げているのを適正化する、給付水準を下げる、年金開始年齢を引き上げる、その他などなど、制度そのものを抜本的に見直すべきであって、年金基金の運用の方は、絶対に元金が割れないような安全な運用に終始すべきなのです。「長期的に見てください」などと言っても、長期でも元本が割れて大損をすることもありますから、そのようなリスク運用は公的年金基金の運用対象にしてはいけないのです。諸外国のほとんどもそうしています。

 

(リスク運用をしているのは、企業年金等の私的年金です。およそリスク運用などというものは。モラルハザード防止の観点等から、公的年金では基本的には無理です=私的年金では、、運用アドバイザーも身銭を切って合体運用・又は運用成果連動型報酬にする例が多い)

 

バブル崩壊と株式市場の大暴落は必ず定期的に襲ってきます。長期的に見たところで、いったん暴落した株価が値を戻して相場を回復するとは限りません。事実、日本の場合には、今から25年くらい前にバブルが崩壊して株価が暴落しましたが、あの時の株価ピーク=日経平均約39000円は未だに回復していません。現在の株価は、その半分くらいのところを行ったり来たりしているのです。目先の利回りだけを追いかけて、リスク度の高い株式や外債などに公的年金基金が投資をするというのは、まさに愚の骨頂と言えるでしょう。

 

 <別添PDFファイル>

(1)嗚呼 年金がどんどん消えていく(日刊ゲンダイ 2016.1.9

 http://blogs.yahoo.co.jp/akaruria/34503143.html

 

(2)8兆円の赤字を出したGPIFの組織改革図る、塩崎厚労相案で責任曖昧に(『週刊金曜日 2015.12.18』)

 

(3)年金運用 株に直接投資、GPIF 厚労省、解禁へ法案(朝日 2016.1.13

 http://www.asahi.com/articles/DA3S12155808.html

 

 <関連サイト>

(1)そもそも私たちの「年金積立金」が「3ヶ月」で「約8兆円」も失われてしまったけど大丈夫なの?/そもそも総研 – @動画

 http://www.at-douga.com/?p=15044

 

(2)相場大荒れでまたも大損失!公的年金の「運用責任」は誰にあるか|山崎元のマルチスコープ|ダイヤモンド・オンライン

 http://diamond.jp/articles/-/84466

 

(3)年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の国民の年金資金が、安倍政権の都合のよい会社に使われる。 赤かぶ

 http://www.asyura2.com/16/senkyo199/msg/434.html

 

(さあ、みんなで歌いましょう=「年金大損こいたの歌:年金そんそん」です)

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●♪♪ 雪やこんこ ♪♪ の替え歌(下記サイトの最上段 左から4つ目が聞きやすいです)

 http://video.search.yahoo.co.jp/search?rkf=2&ei=UTF-8&dd=1&p=%E9%9B%AA%E3%82%84%E3%81%93%E3%82%93%E3%81%93%E3%82%93

 

 株式損損(そんそん)、外債(そんそん)

 買っても買っても、どんどん下がる

 総理は驚き庭駆け回り

 麻生は隠れて丸くなる

 

 年金損損(そんそん)、日銀損損(そんそん)⇒ 下記*

 やってもやっても、まだ下げやまぬ

 金庫も倉庫も、すってんてんのてんで

 枯れ木も残らず、みな消えた

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(*株式買入は公的年金基金だけでなく日銀も手を出しています。日銀「株式手出し」の日銀「バカ丸出し」です:田中一郎)

 

 それに、この話、まだ、こんなもんやない、そうです。ある方に教えていただきました。「年金の巨額な資金を、政府が恣意的に選んだ会社の株式に直接投資できるようにする話です。こうなったら、与党の政治家へインサイダー情報が流れ、まさしく彼らの錬金術となるうえに、行く行く政府が恣意的に企業を選んで、その企業の株をに買えるようになれば、政府と産業(特に軍事)との癒着が強くなり・・・・・」(別添PDFファイルの朝日新聞記事参照)

 

 そうです。公的年金基金の運用をめぐり、政権にある一部の政治家へインサイダー情報が流れ、好きな時に好きな会社の株価を公的年金のお金を使ってつり上げて、その値上がり益で資金調達ができる、そんな自在な「インチキ財布」を用意させ、併せて、その株価つり上げ企業ともわきあいあいで行こう、と、まあ、こんな虫のいいことを腹の底で思っているようです。

 

 まずは、年金運用の事務費用がもったいないから、直接GPIFが株式を買えるようにしておいて、最初は個別株までは手を出さないようなポーズを取って、そして有権者・国民がこのことを忘れてしまったタイミングを見計らって、こっそりとと公的年金基金を自分たちで「私物化」してしまう、そういう魂胆であるに違いないのです。これまでと同じようなやり口です。自民党らしいですね(絶対にダマされんぞ)。

 

 「ドアホノミクス」の年金株運用でダマす奴も悪いが、ダマサレル方も悪い。早く安倍晋三・自民党のゴロツキ・タカリ集団を国政選挙で一掃しないと、私たちには何にも残らない「ボロボロ・ガタガタ」の日本だけが残りますぞ。

草々

2016年1月15日 (金)

トリチウムの恐怖 (第2弾):次々と明らかになるトリチウムの危険性と、そのトリチウムを大量に環境に垂れ流す加圧水型原発の許されざる実態(川内、伊方、高浜、玄海、泊、大飯・・・・・)

前略,田中一郎です。

 

昨年春頃より、福島第1原発事故後の汚染水のみならず、青森県六ケ所村再処理工場(現在は停止中)や加圧水型原子炉(関西電力、九州電力、四国電力、北海道電力、日本原電)から排出されるトリチウム(三重水素)が、これまで政府や原子力ムラ・御用学者らによって言われてきた以上に、非常に危険な放射性物質であることが明らかになってきた旨をお伝えしておりますが、今般、新しい情報をいただきましたので拡散いたします。

 

別添PDFファイル、及び下記サイトをご覧ください。

 

 <別添PDFファイル>

(1)玄海原発と白血病 (科学者会議用)2015.12.5

 森永徹先生による日本科学者会議でのプレゼン用レジメです。下記の昨年春のものより内容が拡充されているようです。

「morinagasensei_1.pdf」をダウンロード
「morinagasensei_2.pdf」をダウンロード
「morinagasensei_3.pdf」をダウンロード
「morinagasensei_4.pdf」をダウンロード

(2)Fukushima トリチウムの危険性 20151203

 http://blog.acsir.org/


(「市民と科学者の内部被曝問題研究会」の3人の科学者・医師による執筆です:田中一郎)

 

 ≪関連サイト その1:広島2人デモ>

 http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/

 

 上記サイトの右側にあるバックナンバーの中の「伊方デモチラシ」のところの最近のものをご覧になってみて下さい。下記は事例です。下記以外にもトリチウムに関するレポートがあります。

 

(第64回)

 http://www.hiroshima-net.org/yui/pdf/20150530.pdf

 

(第65回)

 http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20150627.pdf

 

 この「広島2人デモ」のサイトのレポートは、これ以外にも優れたものが多くアップされていますので、適宜、ご覧になって拡散していただければ幸いです。(下記は直近の第74回「伊方原発運転差止訴訟」です。ここにもトリチウムの話が出てきます)

 http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20151219.pdf

 

 <関連サイト その2>

(1)玄海原発と白血病 (2015.3.7

https://dl.dropboxusercontent.com/u/86331141/Shiryo/genpatu%26hakketubyo.pdf


(別添PDFファイルの森永徹先生のレジメよりも、少し前に作られた「旧版」です:田中一郎)

 

(2)トリチウム(三重水素)の恐怖  いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2015/04/post-9414.html

 

(3)「原発・原子力の出鱈目てんこ盛り」シリーズ再開(4):♪♪ ロバのおじさん言うことにゃ、原子力のムラは おかしいよ、ごまかし、インチキ、できたて、やりたて、いかがです、放射線被曝もウソついて、なんでもあります、チンカラリン ♪♪  いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2015/12/post-2b7f.html

草々

 

2016年1月14日 (木)

(報告)南相馬・避難20ミリシーベルト撤回訴訟第二回口頭弁論:東京地裁の担当裁判長が提訴をした原告側の意見陳述を認めないという信じがたい出鱈目=人権蹂躙をしています、「現代の悪代官所」=東京地裁に抗議の声を!!

前略,田中一郎です。

 

昨日(2016113日(水))、「南相馬・避難20ミリシーベルト撤回訴訟 第二回口頭弁論」がありました。後半の前には経済産業省前と東京地裁前で抗議集会が開かれ、そのあと参議院議員会館で報告集会が持たれました。以下、簡単にご報告いたします。

 

 <イベント情報>

●南相馬・避難20ミリシーベルト基準撤回訴訟支援の会 第2回口頭弁論期日決定!113日は東京地裁へ! 大法廷を埋め尽くそう!

 http://minamisouma.blogspot.jp/2015/11/113.html

 https://sites.google.com/site/minamiswg/di-yi-hui-kou-tou-bian-lun-qi-ri-jue-ding-9yue28riha-dong-jing-de-caihe-nan-xiang-ma-bi-nan20mirishiberuto-ji-zhun-che-hui-su-song-1

 

 <訴訟の会・支援の会>

(1)南相馬・避難勧奨地域の会 HP

 https://sites.google.com/site/minamiswg/home

 

(2)南相馬・避難20ミリシーベルト基準撤回訴訟支援の会 HP

 http://minamisouma.blogspot.jp/

 

(上記に次のサイトもあります)

●第2回口頭弁論期日での提出書類を掲載しました

●【緊急署名】原告による十分な意見陳述の場の設定を

 

 ≪当日録画>

(1)20160113 UPLAN【経産省・東京地裁前抗議】南相馬・避難20ミリシーベルト撤回訴訟第二回口頭弁論期日 - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?v=-_t9GfVHHVg

 

(2)20160113 UPLAN【報告集会】南相馬・避難20ミリシーベルト撤回訴訟第二回口頭弁論期日 - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?v=Erjk3lh-h4s

 

(お粗末ながらスピーチをさせていただきました。録画開始後、1時間30分くらいのところからです:田中一郎)

 

 <当日配布資料>

(1)南相馬・避難20ミリシーベルト撤回訴訟 第二回期日報告集会 プログラム(2016.1.13

「sosyou_syuukai_prgm.pdf」をダウンロード

(2)南相馬・避難20.:ミリシーベルト基準撤回訴訟について(2016.1.13

「minamisouma_sosyounituite.pdf」をダウンロード

(3)再び放射能を南相馬にまき散らす蕨平「資材化」施設の危険性(青木一政、中西四七生2016.1.13

「rejime_aoki_nakanisi.pdf」をダウンロード

 コンパクトな資料ですが、この訴訟の肝心なことが短時間でわかります。(3)は報告集会での青木さん、中西さんの講演レジメです。とてもいい内容ですので、併せて是非ご覧ください。(南相馬の風上地域にあたる飯館村蕨平に巨大な放射能汚染ゴミの焼却施設をつくろうとしているようです。また、福島県内は、あっちこっちが、この放射能汚染ゴミの焼却場だらけになっていく様相になってきました。放射能の汚染物を焼却したりすれば、放射能は環境に拡散してしまい、除染した意味がなくなってしまいます。何を馬鹿なことをしているのでしょうか。こんなことはやめるべきです。放射能汚染物は、厳重に保管・管理して、自然減衰を待つほかありません。

 

 ところで、このメールの表題にも書きましたように、「東京地裁の担当裁判長が提訴をした原告側の意見陳述を認めないという信じがたい出鱈目=人権蹂躙をしています、「現代の悪代官所」=東京地裁に抗議の声を!!」という状態になっていることが、今回の公判で明らかになりました。信じがたいことです。裁判を提訴した原告から裁判所・裁判官が意見陳述の機会を奪う、などということが許されるのでしょうか。明らかに、日本国憲法第32条が定める「裁判を受ける権利」を蹂躙する行為に他なりません。有権者・国民・市民の基本的人権を裁判所・裁判官自らが侵害しているのです。

 

これについて、原告代表の小澤洋一さんの抗議(別添PDFファイル)をご覧ください。

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裁判長、第2回口頭弁論以降の意見陳述を認めない意向を示したとのことですが、原告を代表して陳述の継続を強く求めます。808人の原告が、代わるがわる過酷な放射能環境下での生活実態を訴える機会を奪うことは、解除のプロセスで私たち原告の意見を無視した被告の国・政府と同じ轍を踏もうとしているのではないでしょうか。

 

原発事故に全責任があるのに矛盾を抱える国は、数々の機会がありながら私たちに耳を貸さず、質問書にも全く回答をしてきませんでした。たまりかねて起こした裁判なのに、世間にも訴えたい意見陳述を省かれるとは、まるで被ばくの黙認を強要されているかのようです。福島県にだけ年20ミリシーベルトという追加被ばく基準を適用されていることに、公平であるべき裁判所が、何の疑問も抱かれないのでしょうか。

 

国は線量(シーベルト)という概念だけを持ち出し、原発の放射線防護に適用される汚染(ベクレル)を無視しています。先週測定の通学路の土壌は、放射線管理区域基準の100倍以上( 1平方メートル当たり407万ベクレル)。空気も水も原発事故前の数百倍以上に汚染されました。先月、ついに私も幼少期以来の鼻血が出ました。以前の数百倍も強くなれないのに、ここで子どもたちを育て続けていいのでしょうか。

 

原告は年20ミリの被ばく以外にも地域の汚染について訴えたいことが山ほどあります。毎日被ばくの脅威に曝されている私たちにしか分からないことも数多くあります。私たち原告の声を十分に反映させてください。たったの数分です、この5年間の被ばく問題を数分で語ることに何の問題があるのでしょうか。裁判長、他の被ばく裁判のように毎回2名の意見陳述を、今すぐこの場で再開してください。以上

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(小澤さん、鼻血がとても気になります。ご健康と放射線被曝にはくれぐれも気を付けてください:田中一郎)

 

(田中一郎コメント)

 この東京地裁の原告「封じ込め」=意見陳述をさせないという理不尽極まる訴訟指揮は、実はこの南相馬の訴訟だけでなく、福島地裁で行われている「子ども脱被ばく裁判」などの被ばく裁判や、同じく東京地裁で開催されているTPP違憲訴訟などでも同じです。裁判所自らが、こうした基本的人権の侵害行為を平然と行っていてどうするのでしょうか。

 

 私は、これは、裁判所が、行政権力=安倍晋三自民党政権への忖度行為として、「マスコミ対策」を行っているのではないかと推測します。つまり、放射線被曝にしろ、TPP協定にしろ、その本当の姿=つまり「実態」が、広く有権者・国民に明らかになっては絶対に困るようなことが裁判のなかで詳細に明らかにされてしまい、それをマスコミが詳しく報道してしまうと、今の状況が180度ひっくり返ってしまうかもしれない、という危機感があるのでしょう。だから原告側にはほとんど意見陳述をさせず、大半を書類審査で裁判を進行させ、マスコミが取材できない状態にしておいて、結論だけ原告敗訴の判決を出そうとしているのではないでしょうか。

 

 マスコミは、この東京地裁や福島地裁の裁判の「門前払い」行為、原告の裁判を受ける権利侵害をしっかり報道し、裁判の事実上の形骸化工作を裁判所・裁判官が自ら行っていることを有権者・国民・市民に広く知らせていただきたいです。また、私たち有権者・国民・市民も、この「現代の悪代官所」=裁判所・裁判官の「悪事」を広く拡散して伝えていきましょう。そして、返す刀で、最高裁判事の国民審判は、全員を「×××××××」です。また、「子ども脱被ばく裁判」やTPP違憲訴訟へのご支援もよろしくお願い申し上げます。

草々

 

2016年1月11日 (月)

日本漁業を衰退させるもの=昨今のマスコミ報道から垣間見る日本漁業の実態、そこには「事なかれ政策」と流通を寡占化した企業・資本に苦しめられる日本漁業の姿があった(その1)

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

 別添PDFファイルは、昨今の日本漁業・水産業に関係するマスコミ報道です。世界3大漁場の1つを抱え、世界に冠たる「漁業大国」の日本ですが、その基幹産業の一つである漁業・水産業が衰退の道を歩んでいます。そのもっとも典型的な表れが「後継者難」=つまり親の仕事である漁師の家業を継いでくれる若者がほとんどいないという悲しい現実です。その理由は簡単で、漁業では食べていけない、将来の見通しも暗い、収入が少なく割に合わない、ということが目に見えるからです。今や日本漁業・水産業の荒廃・衰退は深刻で、「食べていけない仕事」「板子1枚・命を懸ける危険な仕事」「きつくてつらい大変な仕事」とされたまま、改善の様子は見られず、年々事態はひどくなっているように見受けられます。その危機的な状況は農業の比ではありません。今回から何回かに分けて、その日本漁業・水産業の実態を、若干の直近マスコミ情報から垣間見ることにします。

 

 漁業・水産業は申し上げるまでもなく、地域の基幹産業の一つで、その業態によって、沿岸漁業(漁船漁獲、養殖、採貝採藻)、沖合漁業、遠洋漁業、の3つに分けることができます。水産業では、これに水産加工や水産流通も加わります。漁業は農業とともに、日本人が日本列島に住みついて以降、営々と続けられてきた伝統産業でもあります。また、原発などの立地の際には、沿岸漁業の「漁業権」の去就が大問題となることで、私たちも少しは関心がある産業ではないかと思います。しかし、食卓を見れば、家畜肉や穀物・野菜・果実などと並んで魚介類・水産物は、私たちの日々の食事には欠かすことができない貴重な素材であることは申し上げるまでもありません。そんな宝物と言っていいほどの日本の漁業・水産業が、どうして今日では産業として苦しめられ、後継者も確保できないほどに衰退の一途をたどっているのでしょうか。

 

●2014年度 水産白書(水産庁)概要版

 http://www.jfa.maff.go.jp/e/annual_report/2014/pdf/26suisan-gaiyou.pdf

(さしあたり、最初の部分の目次と、P15くらいから数ページをご覧になってみて下さい。概要が分かります)

 

 結論から端的に申し上げます。実は、日本の漁業・水産業は、事なかれ主義の悪政=市場原理主義や流通を寡占化する大資本優先の政策、あるいは工業優先の政策に苦しめられ、衰退の一途をたどっているのです。少し前に農業のお話をした際に、日本農業の衰退の原因は、農業それ自体や生産者・農家にあるのではなく、ひとえに「4つの優先政策」= ①アメリカ優先,②WTO・FTA・EPA優先,③財政再建優先,④政治家・官僚・食品関連産業の利権優先 の政策にあり、まさに「人災」であると申し上げました。日本漁業・水産業の衰退の原因も、基本的には、また、同じであり、「人災」なのです。しかし、農業とは少し違ったところがあり、私が特に感じるのは、農業は農林水産省本省が所管して大きな政治力や経済力を保持してきたのに対して、漁業・水産業の方は、政治力や経済力にも乏しく、所管する官庁も農林水産省の外局=水産庁で、その体制が漁業者の団体である漁協なども含めて脆弱である点です。(漁協系統の経済力は農協系統の経済力の1/40~1/50くらいです)

 

 水産政策を担う役人たちは、それを反映してか、伝統的に「事なかれ主義」の無責任人間たちが多く(中央も地方も)、また、水産族と言われる政治家達も水産政策については「片手間」「ついで」のような関わり方をするものが多いため、結果的に日本の漁業・水産業は、さまざまな政策的しわ寄せを農業以上に受けてきたと言えるでしょう。

 

 しかし、逆に、日本の漁業・水産業は、その経済的なスケールが小さい分だけ、あまり重大な政治問題にはならずに「ほったらかしにされた」面もあり、農業の被ってきた「人災」とはまた別の「人災」が続いていたというべきです(たとえば、農林水産省の予算の中で、最も土建色・利権色が強いのが、林業政策と並んで、この水産政策なのです。これは意外だと思われるかもしれませんが、漁港整備だとか、漁場整備だとか、護岸工事だとか、なんだかんだと理屈をつけては、特定の業者に特化した「水産関連土建」の利権グループが存在し、もちろんそういう連中が自民党の政治家や官僚達ともつながりあって、未だに水産予算に「寄生」している様子がうかがえるのが水産予算や水産政策の特徴です。

 

 かつては高度経済成長期に公害や公共土建事業の乱発によって大切な漁場や干潟環境が破壊され、海は工業廃水や産廃・生活ごみなどで汚染されました。アジア太平洋戦争直後は、日本漁業が戦後の食糧難の時代の大切な食料源でしたが、狭い漁場に大勢の漁師がひしめき合って漁業を営むことにも限界があり、やがて日本の漁業は国内の沿岸・沖合漁業から遠洋漁業へと、押し出されるように外延的な発展をしていきました。しかし、遠洋漁業もまた、国連海洋法条約=いわゆる200カイリ経済水域時代に突入して、大幅な撤退を余儀なくされています。

 

 更にその後は、市場原理主義政策による悪政により経済的に苦しめられ、激しい円高とも相まって輸入水産物や水産加工品の破格の安値での輸入や、寡占化する流通大資本による国産魚介類の買い叩きなどにより、国内の漁業経営は衰退の一途をたどっています。生鮮農産物などの場合は、最終末端価格のだいたい40~50%くらいが生産者・農家の懐に入ると言われていますが、漁業・水産業の場合には、それがわずか20~25%程度でしかなく、漁業の水揚げの大半が、流通・加工業者に持っていかれてしまうということが今でも続いているのです。養殖漁業などではもっと状況はひどく、生産者=養殖漁業者は、漁協を含むエサの供給資本(企業)にほぼ完ぺきに支配・包摂されており、まるで「賃金奴隷」のように生計を立て経営を維持するのがやっとという状態で多額の負債を抱え込んでいる場合がほとんどです。商品として販売される養殖魚はエサ業者が引き取り、その養殖魚は、もはやエサ供給資本(企業)の「担保」のようなものです。漁業の世界は、どこを見ても経済的困窮が蔓延しているように見えます。

 

 そして昨今では、市場原理主義政策の究極的な措置として、一方では、水産特区による漁業権漁業と「浜の協同」である漁協自治の破壊=漁場のプライベートビーチ化(沿岸漁業)や、ITQ(譲渡可能漁獲割当制度)による水産資源の囲い込みと大資本への事実上の「集中化」(沖合漁業)、そして輸入自由化の拡大からTPP協定へと、これまでの漁業破壊=生産者抑圧型の市場原理主義漁業政策に拍車がかかっています。農業や漁業を農業や漁業の外から資本主義的な形で再編すれば、それが農業や漁業の再生と復興につながるという、まったく過去と海外の実態を知らぬまま、バカ丸出しの市場原理主義アホダラ教の考えが、日本のすぐれた農業や漁業=つまりは伝統的な創意工夫に富む家族経営型の生産者を没落・廃業に追い込んでいるのです。アジア太平洋戦争前の、寄生地主と網本・羽織漁師が支配する、貧困と前近代的社会関係と暴力が支配していた、あの時代に先祖返りさせる政策、それが農業・漁業の市場原理主義的再編なのです。

 

 こうしたことのしわ寄せは、国内外において漁業・水産資源を乱獲する非持続型の漁業の横行や、食品としての水産物の安全性を脅かす危険な商品の氾濫などにつながり、結局は私たち消費者の食生活の貧困化や無用のリスクの意図しない取り込みに結果しているのです。そしてみなさまご承知の通り、今から5年前の3月11日には東日本大震災と福島第1原発事故が日本の漁業・水産業のメッカでもある三陸海岸地方や福島県・宮城県・茨城県・千葉県などを襲い、壊滅的な打撃を与えています。とりわけ福島第1原発事故による東日本の太平洋側の海洋の放射能汚染は今も続き、このままでは取り返しがつかない事態に追い込まれようとしています。原発推進という愚か極まる政策が日本漁業を絶滅に追いやろうとしているのです。

 

 私のこのメールが、日本の漁業や水産業へのみなさまの関心が高まるきっかけになることを期待いたしております。既に申し上げました通り、日本は世界でも有数の漁業大国であり、日本の近海は、かつては水産資源豊かな「世界3大漁場」の一つでありました。200カイリ時代に突入してからは、日本の排他的経済水域は従来の何倍もの面積で拡大し、潜在的にはより大きな水産立国となる可能性を保持しています。しかしながら、私が見るところ、本当に愚かな漁業・水産政策や食料政策、あるいは食の安全と表示、漁業・水産業を含む食料産業に対する消費者・国民の関心の低さから、せっかくのこの日本漁業・水産業が持っている「潜在的可能性」が打ち消されてしまっているのです。まことに惜しい、残念なことです。

 

 事なかれ主義の悪政=市場原理主義と流通を寡占化する大資本優先の政策、によって苦しめられ衰退する日本漁業・水産業、その追い討ちとなった福島第1原発事故による海の汚染と史上最悪の国際協定・TPPが、この日本漁業・水産業にとどめを刺そうとしています。本来ならば、産業振興の責任官庁として、こういう時こそ頑張らなくてはいけない農林水産省・水産庁などは、今日においても全く頼りにはなりませんし、もちろん自民党の政治家どもは、マイナスにこそなれ、プラスの働きなど期待することもできないありさまです。漁業・水産業よりも、原発とその利権の方が重要である、などと本音で思っている自民党政治家どもがほとんどではないかと思われます。

 

 みなさまの漁業・水産業へのまなざしの強さが、今後の漁業・水産業の復興・再生につながっていくであろうことを信じて、昨今のマスコミ報道から、いくつかの問題をピックアップして送りします。

 

 <別添PDFファイル>

(1)水産資源新時代(日経 2016.1.5.6

(2)村井宮城県知事の肝いりでスタートした水産復興特区の波紋(内原英聡『週刊金曜日 2014.3.14』)

(3)韓国ノリ 輸入枠 2倍超(日経 2015.12.10

(4)鳴門ワカメ、また産地偽装判明(水産経済 2015.12.21

 

1.水産資源新時代(日経 2016.1.5.6
 http://www.nikkei.com/article/DGKKZO95744630U6A100C1QM8000/

 http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS0202X_S3A900C1EE8000/

 

(田中一郎コメント)

 前半がクロマグロとウナギ、後半がサバ、サンマ、タラ、そしてTAC(トータル・アロウワブル・キャッチ)と言われる魚種別の総漁獲高上限規制の話です。記事をご覧いただくのが一番早いのですが、、それぞれについて、ワンポイント・コメントをしておきます。

 

●クロマグロ 

 2000年前後から大手資本がクロマグロの「畜養」を日本列島沿岸で事業(金儲け)としてやるようになり、そのための稚魚確保でクロマグロの稚魚(ヨコワとかメジマグロとか言われている)が巻網漁船に乱獲されるようになった。水産庁は早い段階でそれを知っていて、クロマグロの稚魚の漁獲高をクロマグロ養殖業者に報告までさせていたが、長い間ずっとひた隠しに隠してきた。バレると大手資本によるクロマグロ事業ができなくなるからだ。数年前から、その乱獲状態があまりにひどくなったので、ようやく重い腰を上げて漁獲規制に入ったが、なんとその漁獲規制の具体的な数字は、どんなにたくさん取ろうとしても、既に資源が枯渇し始めているため、絶対にこんなにたくさんは獲れないぞ、という水準に決めて、その範囲内の漁獲ならOKです、などという「アリバイ規制」をやり始める始末。このままでは日本近海のクロマグロは絶滅するでしょう。

 

(もともと日本の大手資本は、漁労と言われる「魚獲り」=漁業からは撤退をしてしまった経緯がある。要するに、労と危険多くして利益少なし、ということなのだろう。なので、昔、小林多喜二が「蟹工船」という小説で描いたような漁船漁業は、少なくとも大手資本は手を出さない。もっぱら流通と加工で儲けを出すというのが大手資本のやり方だった。養殖漁業でも同じで、大手資本が自ら養殖場を経営するというのはめったになかった。しかし、クロマグロは「儲かる」というので、日本でも海外に真似て、クロマグロの養殖を今から20年くらい前から多くの大手資本が、西日本のあちこちの沿岸漁場でやりだした)

 

(ところで、その「畜養」マグロですが、その身は全身がトロ状態(脂身)という、非常にいびつで不自然な育ち方をします。そしてマグロやクジラ、サメやメカジキなどもそうですが、こういう魚類は、体内の「脂身」のところに生息環境にある油に溶けやすい毒物(たとえばダイオキシンやPCBなど)を集めやすく、一般的に「脂身」は危ないと言われています。クロマグロの「畜養」の場合には、抗生物質や、エサや糞が海底にたまっておかしな物質が出てくる、使われるということも無きにしも非ずで、私は「畜養」マグロも脂身のトロも食べないことにしています。マグロは昔は赤身しか食されなかったと言います。私もマグロは赤身しか食べません。(クジラなどもPCBや水銀などが心配です。給食などでクジラ肉は食べない方がいいでしょう)

 

●ウナギ 

 ウナギは、河川・湖沼の淡水域と海の間を行ったり来たりしている魚ですが、日本では、ウナギの生息域が環境破壊でメチャクチャにされたことと、漁師たちのウナギの親魚と稚魚=シラスウナギの乱獲で、ここ30年くらいの間に絶滅寸前にまで個体数が減少しています。日本国内のウナギ需要は旺盛であるため量が足りず、10年以上も前から、台湾や中国本土からもウナギが大量に輸入されるようになりました。台湾産は生きたウナギ、中国産は、生きたウナギよりも加工・半加工品が多いようです。その結果、台湾や中国でもウナギが乱獲され、アジア産だけでは足りなくなってヨーロッパウナギまで輸入して日本へ輸出していましたが、そのヨーロッパウナギも、ワシントン条約の絶滅危惧種となって貿易ができなくなったのです。今は、アジア産のウナギ=ジャポニカ種をワシントン条約の絶滅種にするかどうかが注目になっています(今年の夏にワシントン条約の定期総会があるそうです)。先般、日本、中国、台湾の水産政策当局があつまって、それぞれ自主的なウナギ資源管理・保護を取り決めたようですが、その実効性は極めて乏しく、これでウナギの乱獲や密猟が止まるかどうかは非常に疑わしいのです。早くワシントン条約で絶滅危惧種に指定して、厳しい罰則付きでウナギの漁獲をやめた方がいいでしょう。そうしないとニホンウナギは絶滅してしまいかねません。昨今では福島第1原発事故の影響で、関東や東北の汽水域に生息する天然ウナギから放射性セシウムが検出され、出荷停止になっています。(流通しているウナギの大半は養殖もの(国内外)ですが)

 

(参考)水産庁-ウナギに関する情報

 http://www.jfa.maff.go.jp/j/saibai/unagi.html

 

(参考)絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約 - Wikipedia(ワシントン条約)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%B6%E6%BB%85%E3%81%AE%E3%81%8A%E3%81%9D%E3%82%8C%E3%81%AE%E3%81%82%E3%82%8B%E9%87%8E%E7%94%9F%E5%8B%95%E6%A4%8D%E7%89%A9%E3%81%AE%E7%A8%AE%E3%81%AE%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E5%8F%96%E5%BC%95%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E6%9D%A1%E7%B4%84

 

2.村井宮城県知事の肝いりでスタートした水産復興特区の波紋(内原英聡『週刊金曜日 2014.3.14』)
「suisantokku_syuukannkinyoubi.pdf」をダウンロード

http://www.kinyobi.co.jp/tokushu/000305.php

http://eichi.library.pref.miyagi.jp/eichi/detail.php?type=0&literatureId=1000156

 

(田中一郎コメント)

 伝統産業である日本の沿岸漁業は、長い間、いわゆる「浜の総有」に基づく「協業」として営まれてきました。明治政府の時代に「漁業近代化」と称して私的所有に基づく資本制漁業の仕組み作りが試みられましたが、漁業紛争が多発してうまくいきませんでした。他方では、戦前日本の半封建的な遅れた社会構造を反映し、漁業でも農業と似たような歪んだ漁民からの収奪構造が出来上がり、いわゆる網元や「羽織漁師」と言われる「直接漁業をしない資本家・資産家」達や流通資本による浜の実質支配も蔓延しました。それが戦後の民主化の下で改められ、曲がりなりにも対等な身分に置かれた漁業者たちの自治組織としての漁業協同組合が再構築され、漁業者の参加による民主的な運営体制がつくられ、その漁協が漁業権を手にして法的にバックアップを受け、沿岸漁業や漁場の管理と漁業紛争の自主的解決を担うことになったのです(必ずしも、このことがすべての沿岸漁業や漁協で理想的な形で実現したわけではありません)

 

 しかし、宮城県知事と市場原理主義者たちの暗躍で漁業者たちの反対を押し切って導入された水産特区と漁業権の一部漁協からのはく奪=漁業外の資本や企業(外国を含む)への漁業権の付与は、こうした日本の沿岸漁業の伝統と秩序を悪い方向で破壊するものに他なりません。一つの湾や浜の漁場に、法的に裏付けられた漁業権が2つ以上存在すれば、それは相互に排他的となり、近い将来の漁業紛争は避けられないでしょう。県庁などの役所には漁業紛争を解決する力も気力もありません。また、沿岸漁業や漁場における漁業者の「総有」が解体されて、協業としての漁業が困難となり、いわゆる「浜のプライベートビーチ化」が進んでしまうことになります。言い換えれば、漁業や漁場の大資本による囲い込みと、漁業者の賃金労働者化です。

 

 こうしたことが日本の沿岸漁業に広がれば、日本漁業の優れた点がことごとく破壊され、将来は低賃金・劣悪労働条件で雇用された外国人による漁業が、この日本の沿岸漁業で現れてくることになるでしょう(すでに遠洋漁業や沖合漁業では現れています)。その結果、儲かる漁業だけが生き残り、水産資源と海洋環境と地域社会が徹底的に破壊され、資源収奪型の漁業が展開されたのち、荒廃した漁村と漁場が残されていくことになります。それは、ちょうど、企業や資本に農地を大規模に所有させ、市場原理主義的な日本農業の再編を企てている現在の農業政策と共通する、文字通りの(伝統産業である)農林水産業破壊政策=農林水産業の大規模資本制化に他ならないのです。

 

 こうしたことは、本来、保守政党である自民党が徹底して反対をしなければいけないはずです。何故なら、伝統と文化を守ることこそが保守の真骨頂なわけですから。しかし、今日の自民党は、もはやかつての保守政党などではなく、ご都合主義的ないい加減な人間たちが多く集まり、1%のために99%を支配・収奪する政策を展開して、そのおこぼれにあずかろうとする出鱈目な政治家たちの溜まり場となっており、今日の日本にとっては一刻も早く除去すべき「害悪集団」なのです。現在の安倍晋三政権がその筆頭格であることは申し上げるまでもありません。

 

 なすべきことは、水産特区による漁協や漁業者以外への漁業権の付与なのではありません。漁協という協同組合組織が、その期待された本来の役割や使命を発揮できるよう、県や市町村などの自治体も一緒になり、漁協運営の抜本的改革と経済基盤の強化でなくてはならないのです。しかし、漁協の腐敗・堕落と特定の人間達による私物化も、少なからぬ漁協で進んでしまっています。なによりも長い間の経済的な苦境により、若くて優秀な人材が乏しくなっています。日本の沿岸漁業の苦悩は容易には解決しがたいでしょう。しかし、東日本大震災の際にも、この漁協の本来の役割と使命を厳しい状況下で担い通した立派な漁協もあります。それは重茂漁協という岩手県宮古市の漁協です。全国の漁協は、たとえば重茂漁協を手本として、その体制と体質を抜本改善していただきたいものです。原発・核燃料施設などは、地域漁業が本来の漁業の形で元気よく営まれておれば入り込む余地などはなく、事実、重茂漁協は青森県六ケ所村再処理工場の建設や稼働に強く反対をしているのです。

 

(TPP協定後は、この水産特区制度を利用して、外国資本が日本の沿岸漁業・漁場に参入しようとしてくる懸念が大きくなります。事実、大分県や宮崎県などの沿岸では、ブリやタイの養殖漁場をめぐり、オランダ・ノルウェー資本が日本の資本との合弁で参入してきた実績もありますが、その際も地元漁協ともめ事になった経緯があります。そうした動きがTPP後は活発化してくることが予想されます。その狙いが、実は養殖や漁業ではなく、原発・核施設立地に際して漁業権を高く売りつける狙いがあるようなものも、おそらくは紛れ込んでくることでしょう。史上最悪の協定=TPPとは、日本の農林水産業を含むあらゆるものを外国資本=とりわけ「日本の宗主国アメリカ様」に投げ渡す、無節操そのものの売国奴・亡国協定です。日本の沿岸漁業が狙われればひとたまりもありません。TPP協定には、外国資本を国内資本と区別させないためのISDS条項があり、日本側が外国資本の参入を拒否すれば、敗訴必至のISDS条項発動裁判となるでしょう。そして日本側の敗訴は必至です)

 

●重茂漁協 HP

 http://www.jfomoe.or.jp/outline/

 

(別添PDFファイルの『週刊金曜日』の記事は内容がピンボケです。しかし、水産特区制度でどこで何が起きているかは簡単にわかりますので、ご参考までにご覧ください:田中一郎)

 

3.韓国ノリ 輸入枠 2倍超(日経 2015.12.10

 http://mainichi.jp/articles/20151210/ddm/008/020/133000c

 

(田中一郎コメント)

 海苔産業も日本の伝統産業の一つで、世界でも海苔を養殖している国は、日本の他には韓国と中国しかありません。その中国の海苔産業は名古屋の日本のある企業が中国に進出して、外々で事業をする、つまり中国から日本以外の国々へ輸出するために起こした産業です。その韓国と中国から日本の海苔市場が狙われています。海苔はいわゆるIQ(輸入割当)を行っている数少ない貿易品目で、日本に自由に持ち込むことはできません。韓国や中国から値段の安い海苔が大量に入ってくれば、日本の海苔産業はひとたまりもないでしょう。海苔養殖もまた寒くてきつい仕事で(海苔の仕事では冬場に海の浅瀬に腰までつかりながら仕事をしなければいけません)、その割には実入りが少ない、割に合わない仕事になっていて、多くの生産者で後継者が確保できていないのです。

 

 日本の海苔産業が厳しい情勢の中にある時に、何ゆえに、かようなことをする必要があるのでしょうか。韓国産の海苔は日本産の海苔よりも品質が悪く、主に加工用やコンビニおにぎりなどに使われます。しかし、今や海苔の需要の大半は加工用ですから、それが韓国産に奪われてしまうと海苔産業は産業・家業として成り立たなくなるのです。中国産に至っては、あのヘドロの固まりの様な中国沿岸の海で養殖されていて、加工された状態で輸入されることもありますから、品質のみならず、食品としての安全性にも大きな懸念があります。

 

 日本の伝統食の海苔は、米食とぴったり合った美味で素晴らしい食材です。昔は「板海苔」が主で、海苔は焼いて食べるものでした。これを知っている人も昨今では少なくなっているでしょう。今日では、板海苔の販売はほとんどなくなり(旅館や割烹・料亭くらい)ほぼすべてが焼海苔の状態で販売されています。しかし私は、ぜひ、昔の「板海苔」が大きく復活し、それを焼きながら、日本の生産者・農家がお作りになった「宝石」にも近しい芸術品と言っていい「お米」を食べ続けたいと願っています。「食いものの恨みこそ恐ろしけれ」であって、日本の素晴らしい伝統食である海苔と米を汚すもの、破壊するものは断固として排除したい、そう思っています。

 

 市場原理主義アホダラ教に頭がイカれた自民党の政治家と霞が関の無責任官僚たちが、日本の海苔産業を破壊するのなら、その連中を政治や行政の場から除去する必要があると、私は考えております。そうすることが日本の沿岸に原発や核施設をつくらせない、最も有力な手段ともなるのです。農業や漁業が、その本来の在り方で元気に健全に創造的に営まれている地域に、原発や核施設が持ち込まれることはありません。日本の農業や漁業を断固として守ること、それが原発や核施設の根絶につながり、同時に私たち消費者・国民の利益や安全につながっていくのです。

 

4.鳴門ワカメ、また産地偽装判明(水産経済 2015.12.21

 http://www.topics.or.jp/editorial/news/2009/07/news_124839617476.html

 

(田中一郎コメント)

 これで鳴門ワカメの産地偽装は私が知る限りで3度目です。もう絶対に許しません。鳴門産のワカメは絶対買わない、を徹底します。みなさまも、当分間、そうして下さればと思います。偽装されていた中国産のワカメは、おそらく理研資本が大連・遼東半島で養殖を始めたワカメだろうと想像します。品質は国産に比べてかなり落ちます。そんなものを鳴門産だ、国産だと偽って、顧客を騙して売るなど許し難しです。今回は警察・検察が入って刑事告発するだろうということになっているようですが、偽装した悪質業者を執行猶予の懲役刑にしてみてもほとんど無意味です。こういうモラルハザードの金儲けだけが目当ての悪質商売に対しては、みなし利益の没収と巨額罰金を支払わせるのが最もいい「再発抑止力」になります。

 

 かようなことは、正直に商売をしている他の鳴門のワカメ産業の同業者にとっても迷惑至極でしょう(しかし、業界ぐるみでやっている場合もあります)。いわゆる内部告発の仕組みをしっかりつくり、告発した人をきちんと保護する仕組みをもつくって、信賞必罰の厳しい体制を敷いておけば、根絶は出来なくても、こうした食品の偽装表示は相当数減少すると思われます。しかし、現在のことなかれ主義の無責任官庁である消費者庁、農林水産省・水産庁、厚生労働省などは、そもそもきちんとした食品表示を実現させていこうという気力も責任感もありません。ですので、私たち消費者が、「おかしな表示のものは買わない」を徹底することで偽装表示などのインチキ行為を撲滅していきましょう。ゆくゆくは、こうしたロクでもない霞が関の役人どもも、大掃除をしなければいけませんね。

 

 ワカメについては、海苔や昆布とは違い(いずれもIQ品目)、ずいぶん前に輸入自由化をされてしまいました。おかげで日本産ワカメの最大の産地である三陸海岸地方(岩手県、宮城県)が大打撃を受けました。おまけにそのあとを韓国産ワカメが三陸産ワカメに偽装されて大量に販売されるという事件も起き、三陸地方の漁業者の怒りはいかばかしかと想像します。この韓国産の偽装事件を契機に、三陸では出荷するワカメの包装や表示を工夫し、偽装品が紛れ込むことがないように様々な対策を打ちました。これを消費者庁や農林水産省や厚生労働省が「支援した」という話はあまり聞きません。返す返す腹立たしい限りですが、しかし、ワカメ産地の三陸地方の漁業者の方々は、東日本大震災の被害や、こうした産地偽装などの悪質な犯罪行為にもへこたれず、ワカメ産業の復活復興に取り組んでいます。もちろん重茂漁協さんもその1つです。鳴門も、この三陸の漁師の方々を見本にして、ワカメ産業を1から立て直すつもりで取り組めばいいでしょう。

 

 産地偽装は絶対に許されない悪質な犯罪行為である、これを私たち消費者も徹底いたしましょう。そのためには、私たちが食べものと、そのよって立つ所以に対してもっと関心を高める必要があります。消費者の高い関心と適切な消費選考が、結局は健全で豊かな産業を創りだしていくということを強く認識すべきなのです。

草々

 

 

 

2016年1月 9日 (土)

「バイオムラ」の「ゲノム」(遺伝子)研究が進める「個人情報」のビジネス活用化=社会貢献をお題目にゲノム素材提供者をたぶらかし、「マイナンバー制度」とTPPで「遺伝子」の特許独占を狙う私利私欲優先の暗躍を許すな

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

いよいよゲノム研究・遺伝子ビジネスが本格化する動きを見せています。昨今の情報を若干お送りします。数年前より始まっている「(人工制限酵素による)ゲノム編集」技術が昨今では益々高度に実用化され、食品開発や医療はもちろんのこと、さまざまな分野に、いわゆる「バイオ・テクノロジー」として普及し、それが実用化の段階に入ってきているのです。

 

少し前に私からお伝えした「♪♪「遺伝子組換え」のようで「遺伝子組換え」でない、ベンベン、「遺伝子組み換え」でないようで「遺伝子組換え」、べンベン、それは何かと尋ねたら、ベンベン、「インチキ、インチキ、インチキ、TPP前倒し」というようなメールで、主として食品添加物に用いられている「新しい遺伝子組換え」のことをお伝えしました。具体的には「セルフ・クローニング」や「ナチュラル・オカレンス」などと言われているものです。また、こうしたバイオ・テクノロジーの延長上には、人間がバイオ・テクノロジーを駆使して遺伝子を操作しながら新しい生物を造り出すという「合成生物学」などと呼ばれる「神への冒涜」に近いような「研究分野」も現れてきており、今後の事態の進展に目が離せない状態になってきています。(これらについては下記の私の過去のブログをご参照ください)

 

(参考)(輸入食品に走るのは危ない) 「遺伝子組換え(GM)]のようで「遺伝子組換え」でない、ベンベン、それは何かと尋ねたら、ベンベン、インチキ、インチキ、インチキ、インチキ、TPP前倒し  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/post-8829.html

 

(参考)(輸入食品に走るのは危ない)(報告)「遺伝子組換え」を「遺伝子組換えでない」とウソをついて安全審査をしない「遺伝子組換(GM)食品添加物」に関する情報  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/post-3e2a.html

 

(参考)本日(10/23)のいろいろ情報 (1)「合成生物学」=遺伝子組換え技術の延長に現れた驚異の世界、(2)新経済産業相:宮沢洋一、(3)福島第1原発事故 県外進学、賠償返還請求 他  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/10/post-7cb0.html

 

しかし、です。こうしたことを素朴に科学や技術の進歩だなどと喜んでいられないバイオ・テクノロジーの「実態」「実情」というものがあり、それは簡単に申し上げると、欧米などの巨大医薬品メーカーやバイオ・ベンチャー資本など、ほんの一握りの企業や資本により、非常に不透明・不適切な形で「ゲノム」や遺伝子や、それらをめぐる技術が囲い込まれ、それが「知的財産権」や「特許」や「企業秘密」の法制度に守られながら、ただ、ひたすら、そうした企業・資本の私的利益の追求に使われていく、という状況です。言ってみれば、ちょうど原子力ムラと同じような構造が、このバイオ・テクノロジーの世界でも「バイオムラ」として出来上がってしまっているのです。

 

そこでは研究者である大学教授や研究所員たちも、豊かな研究開発費や研究施設、あるいは研究者・学者としての地位や名誉などの世俗的な利益供与のアメ玉・ニンジンと、逆に「逆らった場合の実質的な経済的社会的制裁」というムチによって篭絡され、かつ権力的に制御され、いわゆる「支配権力や資本による科学の包摂」がなされてしまっています。「包摂された科学」は「似非科学」と化す、ということは、これまで私が何度も申し上げてきたことで、その典型が原発・原子力であり、このバイオ・テクノロジーなのです。

 

たとえば人間の場合ですと、遺伝子を人為的にいじることは、まずもって倫理上の大問題があることに加え、究極の個人情報である「ゲノム」(遺伝子情報)が、社会貢献などのお題目によってたぶらかされながら多くの一般の人々から集められて、私的な利益追求の手段に使われる、あるいは個人情報の漏えいなどによるトラブルについても、利用する側が法的な責任を一切問われない無責任な形でことが進められる、医薬品の場合には、実用化ののちに副作用やねらった効果が出ないなどのネガティブな結果をもたらしたとしても、その結果について法的な責任が巧みに回避されるような仕組みになっている、などなどです。(もちろん、放射線被曝による遺伝子への影響が近い将来、このバイオ・テクノロジーの研究対象にならないとも限りません)

 

あるいは、自然界の動物や植物や微生物・昆虫などが研究開発対象の場合には、自然界での遺伝子汚染の可能性・危険性の問題や、人間とは別の意味での倫理上の問題、また、家畜や農作物などの食品の場合には食べものとしての安全性の問題などが当然のごとく起きてきますが、こうしたことについても「いい加減な安全審査」「出鱈目な環境評価」(*)「御用学者の跋扈」と「秘密主義」「非公開・非表示」などがセットで行われて、有権者・国民のあずかり知らぬところで、トンデモ研究開発が行われているということです。昨今の遺伝子組換えサケ=フランケンサーモンなどは、その1つの小さな事例です。

 

(*)たとえば、環境の遺伝子汚染を防ぎ生物多様性を守るための日本の今の「カルタヘナ国内法」は、農作物や明治時代以降の外来種を保護の対象とはしない、などというトンデモ内容の法律として運営されており、結果としてその保護対象はわずか数種類の純粋な国産植物のみ(ほとんどが雑草)という形になっています。なので、市民運動・社会運動からは。このお粗末な「カルタヘナ国内法」は「雑草保護法」などと皮肉られているのです。つまり、この法律は、遺伝子組換え農作物の輸入などに伴う「運搬車両からの落ちこぼれ種子」の野生化などによる日本の自然環境や農地・田畑の遺伝子汚染を防ぐことができないように、意図的に「無能の法律」として策定されているわけです。(信じがたいけれども、こんなことをしてまでアメリカからの遺伝子組換え食品の輸入促進を行っているのが農林水産省・環境省をはじめとする今の日本政府なのです)

 

今やバイオ・テクノロジーの世界は、モラルハザードを通り越して、現状では「悪の巣窟」のようになっていると言っていいと思います。非常に危険で不道徳な、反社会的な研究開発体制、ないしは遺伝子ビジネスが出来上がりつつあります(私が原子核とは違う「もう一つの核ビジネス」(細胞核ビジネス)と呼んでいるもの)。下記の天笠啓祐氏の『週刊金曜日』論文にあるように、遺伝子情報のビジネス化にはしっかりとした歯止めをかけるとともに、こうした先端的な研究については、社会的な公正性や安全性、環境保全性や倫理・道徳面などを十分に勘案し、きちんとした社会的な規制と公開の原則でことが進められていくべきです。

 

生命特許や事実発見特許、あるいはTPPに代表される「知的財産権」や「特許」制度の行き過ぎた強化も食い止めて、社会的な公正性や有権者・国民の公共の福祉、あるいは生命・生活の安全こそが優先されるようでなければなりません。何故なら、「知的財産権」や「特許」制度の濫用とも言えるような事態が、今日では世界の様々なエリアに広がり多くの弊害を生み出しているからです。注目のTPP協定では、既にご案内申し上げましたように、医療分野において、診療方法や検査手法についてまでも「特許」を認める旨の記載があるようですが、こんなものが認められ強い権利が開発者に付与されれば、医師たちは患者の健康や利益を優先した本来の医療行為ができなくなってしまうでしょう。

 

また、遺伝子情報をめぐる個人情報の取扱についても、もう放置はできないと思われます。究極の個人情報として遺伝子情報や遺伝関連情報をしっかり守り、本人に対して無断での利用には厳しい制限をかけるべきです。まして名簿業者などの第三者を介して個人情報を間接取得したものは、その個人情報が不正に売買されたものか否かを確認もせずに、自分たちの商売に自由に使っていいなどという現在の日本の「個人情報保護法」ならぬ「個人情報取扱事業保護法」も、この際に抜本改正されるべきでしょう。

 

私は、今のバイオ・テクノロジーのありようの放置の先に、かつてのナチス・ドイツの優性保護主義、ないしは人種差別主義を予感します。今やペットの世界ではなされているとも聞く「デザイナー・ベイビー」をはじめ、人間の愚かな目先の欲望を商売のタネにしていく、こういう歪んだビジネスの構造や研究開発のインセンティブが、やがては巨大な悪と悲劇を生み出すような気がしてならないのです。

 

 <別添PDFファイル>

(1)2016年、ゲノム研究はさらにエスカレート、遺伝子情報のビジネス化に歯止めをかけろ(天笠啓祐『週刊金曜日 2016.1.8』)

(2)米国に流出する日本人「遺伝子情報」(『選択 2016.1』)

(3)遺伝情報「要配慮」に 改正保護法 第三者提供に条件 有識者検討会(毎日 2015.12.26

(4)TPPで著作権延長なら、死蔵「著作物」の急増必至(東京 2016.1.7

 

 <関連情報:別添PDFファイル>

(5)保険証番号流出、厚労省が本格調査(東京 2015.12.31

(6)サイバー被害、個人情報流出207万件:昨年 140組織、マイナンバー 78%が「不安」(東京 2015.1.41.3

 

1.2016年、ゲノム研究はさらにエスカレート、遺伝子情報のビジネス化に歯止めをかけろ(天笠啓祐『週刊金曜日 2016.1.8』)

 http://www.fujisan.co.jp/product/5723/new/

 

(一部抜粋)

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2016年にもっとも焦点になりそうな科学技術が、「ゲノム編集技術」である。DNAを狙った個所で切断し、目的とする遺伝子の働きを止める技術のことで、切断した後、修復の機能も併せ持つため、その部分に遺伝子を挿入することができる。そのため、これまでの組み換え技術にはできなかった、文字通りの遺伝子組み換えが可能になる。

 

(中略)バイオ研究の最前線は、このような新しい医療技術や医薬品の開発にある。iPS細胞を用いた再生医療と並んで研究・開発の最前線にあるのが、ゲノムコホート研究」だ。コホートとは「大規模」を意味し、病気や健康に関する遺伝子の大規模な調査のことで、産官学連携で「100万人ゲノムコホート研究」が本格化している。

 

この研究は、100万人から血液などを採取し、同時に病気や健康に関する情報や家系の情報を得て、病気や肥満などの健康にかかわる遺伝子を探すことで、新たな薬品や治療法、健康食品などの開発につなげ、経済効果と結びつけようとするものである。採取される人の同意は得ることになっているが、その人は「将来の医療や医薬品開発のため」といわれるだけである。その成果は、採取された本人には還元されないどころか、新薬開発に用いられ、企業などによる特許権独占をもたらす。その追い風となっているのが、TPP(環太平洋戦略経済連携掻疋)による知的所有権の強化である。

 

(中略)現在すでに、東北大学と岩手医科大学による「東北メディカル・メガバンク」が進行している。これは事実上、100万人ゲノムコホート研究を先行実施させたものだ。宮城県と岩手県の東日本大震災の被災者を対象に、20歳以上の地域住民8万人と、3世代7万人を対象に生体試料を採取して、病気や健康に関する遺伝子を探し、遺伝子のビジネス化を進める。この研究には、全額、震災復興の予算があてられている。

 

マイナンバー制度では、将来的に個人番号と医療情報がつながることになっている。それがゲノムコホート研究につながる可能性がある。ゲノムコホート研究は人間の遺伝子のビジネス化であり、特許化・医薬品化が最大の目的だ。しかしその先には、「遺伝的に問題のある家系」の管理や遺伝的淘汰へ至る道筋をつける。また、ゲノム編集技術が応用される基盤づくりにもなる。

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(重要な論文ですので、ぜひ、元本をお求めになって全文をご覧ください:田中一郎)

 

2.米国に流出する日本人「遺伝子情報」(『選択 2016.1』)

 http://www.sentaku.co.jp/category/culture/post-4350.php

 

(一部抜粋)

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(中略)日本人の母体血が米国に渡れば母親のものだけでなく子供のゲノム情報まで流出することになるのだ。これは、日本の将来に禍根を残す国家安全上の問題である。ゲノムデータが垂れ流しにされている現在の社撲な状況を知り、国や厚生労働省は可及的速やかに対策を打つべきだ。このまま遺伝子ビジネスの米国による支配を許すのはあまりに間が抜けている。高額なクスリを海外から買わざるを得ず、大幅な輸入超過になり財政を圧迫している医薬品市場と同じ構図だ。放置すれば、日本の遺伝子医療市場の植民地化は止められない。

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(この論文も興味深いものですので、ぜひ、元本をお求めになって全文をご覧ください:田中一郎)

 

3.遺伝情報「要配慮」に 改正保護法 第三者提供に条件 有識者検討会(毎日 2015.12.26

 http://mainichi.jp/articles/20151226/ddm/003/010/114000c

 

(田中一郎コメント)

 遺伝子やバイオ・テクノロジー、及び個人情報保護をめぐる危機的な状況と比較して、この「有識者検討会」のあまりのレベルの低さ、問題意識の乏しさ、悠長な構えは、いったいなんなのでしょうか。所管官庁はどこなのか、総務省か、内閣府か、経済産業省か、よくわかりませんが、こんな有識者検討会ならぬ「無識者検討会」では話になりません。早く解散して、別途、危機的な現状に機動的に対応できる、もっと強力な検討会を組織すべきです。田中一郎)

 

4.TPPで著作権延長なら、死蔵「著作物」の急増必至(東京 2016.1.7

 青空文庫がダメになってしまいます。TPP協定では第二次世界大戦の敗戦国(日本など)が戦勝国(アメリカやオーストラリアなど)に対して、一方的に著作権の保護期間を10年間プラスする「敗戦国規定」が撤廃されていません。著作権などの期限延長は明らかに日本の国益・国民の利益に反しています。

 

(一部抜粋)

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(中略)TPP問題に詳しいアジア太平洋資料センターの内田聖子事務局長は「米国では、著作権保護を強化する法律は『ミッキーマウス延命法』と揶揄されている。つまりは、キャラクター・ビジネスの利益を守るため」と説明する。米国は映画や音楽などソフトの著作権で巨額の収入を得ている。同国の業界団体「国際知的財産権連盟」によると、13年に海外から得た著作権収入は千五百六十億ドル(約十八兆七千億円)。ミッキーマウスの著作権の保護期限が近づくたびに延長を繰り返す。それが、国益だからだ。

 

一方の日本は、著作権使用料の国際収支で年間八千億円の赤字だ。TPPが発効されれば著作権使用料における日米貿易不均衡は拡大が予想される。内田氏は「著作権では、日本にメリットがない。政府は『日本発の漫画やキャラクターの著作権保護が強化される』と主張するが、クールジャパンは新しいから受けている。なぜ、これで日本が妥協したのか不可解だ」と首をひねる。

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5.以下は関連情報です。

 今のままのマイナンバー(共通番号)制度では、日本の全有権者・国民のさまざまな個人情報が全世界に向かってじゃじゃ漏れ・大公開となっていくトンデモ制度であり、その先にあるのが全世界の悪党・詐欺師らによる「なりすまし被害社会」です。いまどき、クレジットカードでも紛失や盗難による「なりすまし利用」被害に対しては保険がきくよう対策がなされています。にもかかわらず、「マイナンバー」には、何の被害者保護も対策もなされておらず、個人情報漏えいがいかなる形で起きようとも、その結果の「なりすまし被害」などの損害・被害については、すべて被害者が自己責任で対処することになっているのです。そもそも有権者・国民を「番号付き耳タグ」で管理されている「牛」並みに管理できればそれでいい霞が関の官僚たちが、有権者・国民の迷惑など、歯牙にもかけていないことは明らかです。、かような愚かな制度は直ちに廃棄すべきです。

 

(マイナンバー(共通番号)制度の反対運動は、この「マイナンバー被害者救済」のしっかりとした制度化を、国の全費用負担で実施するよう働きかけを強めるべきです。つまり、保険料無料の「マイナンバー国家保険制度」をつくれ、なりすまし等の被害は、すべてこの制度に基づいて国家が責任をもってその被害額全額を補てんせよ、ということです。それでもし、それができないのなら、かような危険な制度はやめてしまえ、ということです。)

 

(5)保険証番号流出、厚労省が本格調査(東京 2015.12.31

 http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015123001001118.html

 

(6)サイバー被害、個人情報流出207万件:昨年 140組織、マイナンバー 78%が「不安」(東京 2015.1.41.3

 http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/216159

 http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/265244

草々

 

 

 

2016年1月 7日 (木)

「原発・原子力の出鱈目てんこ盛り」シリーズ再開(10):原子力ムラの出鱈目なんて見たくないとは思いますが、しかし、それを根絶するためには、原子力が「出鱈目の固まり」であることを広めていく必要があります

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは一部を除き添付できませんでした)

 

(最初に手前みその情報で恐縮です)

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1.脱原発市民団体のAPASTさんの情報交換会(昨年1223日)の時にプレゼンテーションをさせていただきました(録画):「福島県民健康調査検討委員会」結果と子ども甲状腺ガンについて、そしてシーベルトと内部被曝(下記はAPASTさんの会報(ニュース)に掲載していただいたものです)

 

【APAST情報交換会】

1223日、APAST事務所で情報交換会を行いました。この際、後藤理事長、筒井理事、田中一郎会員、箕浦卓会員がYouTube発信を行いました(司会、松本会員)。下記URLで動画を公開しています。

 http://www.apast.jp/news/879/

 

(私のプレゼンは上記録画の1時間14分くらいからのところにあります。よかったら、ちらっとでもご覧いただけると幸いです。なお、APASTさんでは、今後、会員相互の情報交換会は定期的に行う予定です。)

 

(関連)APASTさん HP

 http://www.apast.jp/

 

2.(別添PDFファイル)高浜原発3,4号機 再稼働反対 スピーチ原稿(2016.1.6

「itanaka_speech_genkou.pdf」をダウンロード

 さる16日に、関西電力東京支社(日比谷公園前の富国生命ビル9F)前で新春初の原発再稼働抗議行動がありました。当日は約150人の人たちが集まり、思い思いに抗議行動をしました。私もスピーチをさせていただけることになりましたので、高浜34号機再稼働のたくさんの問題の中で、トリチウムの大量放出、プルサーマル・MOX燃料、そして使用済み核燃料の問題について、スピーチ原稿を用意したのですが、いつもの通り、いざマイクを持つと、まるでだめお、でした。拙い私のスピーチを聞いて下さったみなさまには、お詫び申し上げます。

 

(当日録画)20160106 UPLAN 関西電力東京支社・東京電力本店前抗議 - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?v=jm73GNcjqrA

 

3.税金を払わない巨大企業、税金をしこたま払わされる一般有権者・国民=増税消費税などバカバカしくて払ってられるか、消費税増税の安倍晋三・自民党を追い払おう  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2016/01/post-9e38.html

 

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(それから「広島2人デモ」さんの優れたレポートです)

 

●長期間低線量外部被曝は過剰ながん死を増大させる(広島2人デモ vol142 2015.11.27

 http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20151127.pdf

 

●「原発から5km圏の5歳未満の子ども達に白血病が多発している」とするドイツ連邦政府のKiKK研究(広島2人デモ vol143 2015.12.4

 http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20151204.pdf

 

 

(ここから本文)

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原子力ムラの出鱈目なんて見たくないとは思いますが、しかし、それを根絶するためには、原子力が「出鱈目の固まり」であることを広めていく必要があります

 

 <別添PDFファイル>

(1)柏崎刈羽のケーブル違反、全原発で調査指示(東京 2016.1.6 夕刊)

(2)九電 川内原発、免震棟撤回に不快感(東京 2016.1.7

(3)新潟知事、東電に不信感(福島民報 2016.1.6

(4)いま、子どもたちは、福島にこらっせ(1): おもてなし、浪江の味も(朝日 2016.1.7

(5)北朝鮮の「水爆実験」受け、都、放射性物質の検査強化(朝日 2016.1.7

(6)下水の肥料成分 効率回収、都が事業化へ(日経 2015.12.16

(7)山形大学が施用試験、下水処理水、飼料用米増収、窒素・カリウム豊富(日本農業 2015.12.25

(8)都会のゴミはエネルギー(朝日 2016.12.16 夕刊)

 

1.柏崎刈羽のケーブル違反、全原発で調査指示(東京 2016.1.6 夕刊)

 http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201601/CK2016010602000254.html

 

(福島第1原発事故を猛反省している会社がこういうことをしますかね。日本海に向けて数千億円も使って「衝立」(防潮堤)を立てる前に、新規制基準に合致した施設になっているかどうかぐらい確認しないのかな。やはり柏崎刈羽原発の再稼働なんて、絶対だめだ。今度は新潟が福島のようになってしまう。しかし、だ。この問題は、実は原子力規制委員会・規制庁が原発に規制をかけて、現場を厳しくチェックして、その結果判明したものではなく、東京電力からの自主的な報告によって明らかになったというから、これはあきれた話です。上記の新聞記事では、原子力規制委員会・規制庁は、偉そうに全国の原発・電力会社に対して「通知」なんぞを出して、きちんとチェックしろ、などと命令していますが、お前たち原子力規制委員会・規制庁こそ、規制機関として、現場の原発をきちんとチェックしたらどうなのか。規制機関の体をなしていないぞ。(他にも、原子力規制委員会・規制庁のいい加減・出鱈目な原発・核施設への「規制」(それとも「寄生」?)は山のようにありますから:田中一郎)

 

2.(別添PDFファイル)九電 川内原発、免震棟撤回に不快感(東京 2016.1.7

 http://fukunawa.com/fukui/8671.html

 

(関連)【九州電力、免震重要棟建設を放棄!】 - 玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会

 http://saga-genkai.jimdo.com/2015/12/21/%E4%B9%9D%E9%9B%BB-%E5%85%8D%E9%9C%87%E9%87%8D%E8%A6%81%E6%A3%9F%E5%BB%BA%E8%A8%AD%E6%94%BE%E6%A3%84/

 

(一部抜粋)

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(中略)原子力規制委員会の田中俊一委員長は6日の記者会見で「(九電は)設置を前提として再稼働の許可を得ている。基本的に(約束を)守ってもらわないといけない」と述べ、今後、九電に経緯の説明を求める考えを示した。

 

(中略)田中委員長は「審査をクリアできればもういいというところが(九電に)あるのかもしれない」と不快感を示した。

 

(中略)。田中委員長は「より安全な方向への変更なら歓迎するが、費用面が理由なら相当厳しく審査をしていく」と指摘。規制委は今後、九電が追加申請したテロ対策施設などと合わせて審査し、撤回の経緯や安全性の低下がないかどうか説明を求める。

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(田中一郎コメント)

 免震重要棟をつくる、ということで新規制基準合格としたのに、それを九州電力が今頃になって「やっぱりつくるのやめました」というのだから、それだったら文句なしに「認可取消」で一件落着ではないのか。それが世の中の常識というものである。しかし、原子力規制委員会の田中俊一委員長は、記者会見で「(約束を)守ってもらわないといけない」と言いつつも「相当厳しく審査をしていく」=つまり「つくりません」でいいかどうか審査します、というのだから、いったいどうなっているのかということです。要するに、大手電力会社は原発をやるにあたって新規制基準など守らなくていい、認可後に約束を反故にすればそれでいい、ということなのか。理解できないね、こんなもの。

 

3.(別添PDFファイル)新潟知事、東電に不信感(福島民報 2016.1.6

 

(一部抜粋)

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東京電力の広瀬直己社長は五目、新潟県の泉田裕彦知事と会談し、原発の新規制基準の適合性審査を申請した柏両刈羽原発67号機について、安全対策の強化を進めていると強調し、再稼働への理解を求めた。泉田知事は原発の安全確保に向けた組織づくりが十分でないと指摘し、双方の溝は埋まらなかった。

 

(中略)(泉田知事は)「組織面の対応が十分できていない。原発を運営する資格があるのか」と疑問を呈した。」

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(関連)泉田知事と東電社長 溝は深く|社会|新潟県内のニュース|新潟日報モア

 http://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20160106227005.html

 

(田中一郎コメント)

 泉田裕彦新潟県知事だけでなく、誰でもこんな会社は信用しません。それにしても、福島第1原発事故の後始末も汚染水対策も廃炉も、被害者に対する救済も、除染も汚染物の処理もできていないのに、何が柏崎刈羽原発の再稼働か。ふざけるな。

 

4.(別添PDFファイル)いま、子どもたちは、福島にこらっせ(1): おもてなし、浪江の味も(朝日 2016.1.7

 http://www.asahi.com/articles/DA3S12147323.html

 

(関連)朝日新聞デジタル:プロメテウスの罠一覧

http://digital.asahi.com/article_search/s_list3.html?keyword=%A1%D2%A5%D7%A5%ED%A5%E1%A5%C6%A5%A6%A5%B9%A4%CE%E6%AB%A1%D3+OR+%A1%CA%A5%D7%A5%ED%A5%E1%A5%C6%A5%A6%A5%B9%A4%CE%E6%AB%A1%CB&s_title=%A5%D7%A5%ED%A5%E1%A5%C6%A5%A6%A5%B9%A4%CE%E6%AB%B0%EC%CD%F7&inf=&sup=&page=1&to=&from=&rel=1

 

(田中一郎コメント)

 朝日新聞ならぬ「落日新聞」が、このところ毎日のように「原子力翼賛報道」を続けている。まるで福島第1原発事故などなかったかのごとくであり、また、放射能汚染などどこかへ消えてしまったかのごとくである。しかも、許しがたいことに、子どもたちや若者たちをダシに使って、放射能や恒常的な低線量被曝(外部被爆・内部被曝)の危険性をボカしてしまうような記事ばかりを掲載しているのである。同紙の特集記事「プロメテウスの罠」(上記URL)などは、昨年1115日以降、4回連続して「原子力ムラ・放射線ムラ御用記事」を特集した。さながら、今から75年前の日米開戦に突入していく際の「翼賛」新聞報道さながらである。朝日新聞ならぬ「落日新聞」は、安っぽいヒューマニズムと「世の中忖度主義」で記事を書くのをやめたらどうか。

 

5.(別添PDFファイル)北朝鮮の「水爆実験」受け、都、放射性物質の検査強化(朝日 2016.1.7

 http://digital.asahi.com/articles/ASJ165SRMJ16UTIL032.html?rm=340

 

(関連)なぜ、東京で白内障、心筋梗塞が激増するのか?――エッセンシャル版・緊急特別講演会【パート3】|東京が壊滅する日 ― フクシマと日本の運命|ダイヤモンド・オンライン

 http://diamond.jp/articles/-/82736?display=b

 

(田中一郎コメント)

 福島第1原発事故の後は放射能測定から逃げ回っていた東京都が今回はこれだ。バカじゃないかと思う。かようなつまらないことで騒いでいるのではなく、北朝鮮の核実験のことは国にまかせて、東京都は、依然としてあっちこっちに福島第1原発事故の際の放射能がホット・スポットとして残存しているのをしっかり調査しろよ。そして一刻も早くホット・スポットを除染しろ。でないと都民は危なくて、安心して暮らせないぞ。

 

6.下水汚泥や処理水、都会ゴミなどは放射能で汚染されている=軽率・安易に扱うべからず

 

●(別添PDFファイル)下水の肥料成分 効率回収、都が事業化へ(日経 2015.12.16

 http://www.nikkei.com/article/DGXLZO95173310V11C15A2L83000/

 

●(別添PDFファイル)都会のゴミはエネルギー(朝日 2016.12.16 夕刊)

 http://www.asahi.com/articles/DA3S12119993.html

 

●(別添PDFファイル)山形大学が施用試験、下水処理水、飼料用米増収、窒素・カリウム豊富(日本農業 2015.12.25

 

(田中一郎コメント)

 ついこの間まで、上下水道の汚泥や都会のゴミが福島第1原発事故による放射能で汚染されているといって騒いでいたかと思いきや、昨今ではこんな調子である。この軽率・安易な報道は、何もこの3紙に限った話ではない。どうも裏側でアホなマスコミを使って(世論誘導:早く放射能汚染を忘れなさい)「仕掛け」ている奴がいるような気がする。

 

9.その他

(1)核実験、「歯止め」あいまい インド、「自国の権利」主張 日印原子力協定:朝日新聞デジタル

 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12145952.html?rm=150

 

(一部抜粋)

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一方、インド外務省幹部は朝日新聞の取材に「米印原子力協定が(日印)協定の下敷きとなる」と語り、協定に「歯止め」が明記されない可能性を示唆した。2008年の米印原子力協定には具体的な記述はない。米国は当時、インドが核実験を再開すれば協力を停止するとの国内法を設けたが、協定で明文化しなかった。核開発が縛られることを嫌うインドの抵抗があったためとされる。インドは現在も「核開発は自国の権利」と主張する立場を崩していない。

 

(中略)日本外務省は容認の有無を説明していないが、インドのジャイシャンカル外務次官は昨年12月の記者会見で再処理を認める内容となったと示唆している。(中略)米印原子力協定では、インドが国際原子力機関(IAEA)の査察を受け入れることを条件に、特定の民生用施設での再処理を認めた。日本はさらに厳格な仕組みを求めた模様だが、専門家の間では、日本が独自にプルトニウムの目録の提出を求める仕組みを作ることなどは極めて困難との見方が強い。この点も、外務省は締結まで説明しない方針だ。

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(田中一郎コメント)

 抜粋箇所も含めて記事全文をお読みいただければ、今回の日印原子力協定がいかに出鱈目かがよくわかります。ところで、この記事には「(日本の)外務省幹部は5日、朝日新聞などに「口約束ではない方法で確約を取り付けた」と語ったが、「いかなる形式で担保したかは言えない」と言及を避けた。通常国会で質問された場合も「協定文調整中」を理由に、具体的な説明はしない方針だ。」という記述がありました。みなさま、この外務省(害務省?)官僚の態度をどう思われますか。私が政権をとれば、この官僚を日本国憲法違反として即刻「クビ」にいたします。霞が関官僚はいったい誰のために仕事をしているのか、よく考えてみろ、ということです。こういう連中には「ショック・ドクトリン」しか矯正のしようがないように思います。

 

(2)東京新聞八千代で初の甲状腺検診 市民団体が主催 子どもら95人参加千葉(TOKYO Web)

 http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/list/201510/CK2015102702000184.html

 

(関連)八千代市情報|放射能から子どもを守る会@やちよ

 http://ameblo.jp/yachiyopapa/theme-10044734694.html

 

(関連)放射能から子どもを守る会@やちよ

 http://ameblo.jp/yachiyopapa/

草々

 

2016年1月 6日 (水)

税金を払わない巨大企業、税金をしこたま払わされる一般有権者・国民=増税消費税などバカバカしくて払ってられるか、消費税増税の安倍晋三・自民党を追い払おう

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

(最初にこれだけはご覧になっておいてください)

● 伊方原発運転差止をヒロシマから提訴します(広島2人デモ:2015.12.19

 http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20151219.pdf

 

(鹿児島と愛媛の2か所に日本破滅用核時限爆弾が仕掛けられました。一刻も早く「仕掛け」を取り外しましょう。:田中一郎)

 

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 みなさま既にご承知の通り、安倍晋三・自民党政権は、20174月にも消費税の税率を現在の8%からさらに10%に引き上げる増税を「必ずやる」と居丈高に強調しています。消費税が、所得の少ない人や消費税を売値に転嫁できない零細経営者に対して、より酷な逆累進型の税制であることは、これまで何度も何度も批判されてきましたし、また、商品を海外に輸出している巨大企業群は、一方で「仕入」サイドの下請け企業群を抑えに抑えて消費税の負担を転嫁しつつ、他方では、輸出商品の原価にかかったとみなされる消費税相当分を国から還付を受け、毎年数百億円、数千億円もの利益を現金で受け取っているのです。まさに、ズータイのでかい独占的・寡占的な大企業群にとっては、消費税は「笑いの止まらない」税制である一方、一般有権者・国民、特に所得の少ない人々や中小零細企業・家族経営事業者にとっては、生活苦・経営苦の重圧を一層重苦しくするものに他なりません。

 

 しかし、みなさま、この消費税増税は、それだけが問題なのではありません。実は、国の財政全体から見た場合、消費税増税によって歳入が増える数兆円の金額と、逆に、多くの反対を押しのけて安倍晋三・自民党政権が実施しようとしている法人税減税による歳入の減少額(及び大企業を中心とする他の産業・企業優遇税制に伴う減額)がほぼ見合っているという、とんでもない事態が、多くの有権者・国民の目に見えないところで進行しているのです。つまり、消費税増税はこれからの時代の社会保障の充実のためである、などということが、もうかれこれ20年以上も前の消費税導入の時期からずっと言われ続けてきた嘘八百の「お題目」にすぎないということです。そして、このことが有権者・国民に見えていないというのは、マスコミがこの大問題を報道をしていないからであり、マスコミが報道をしない理由はいくつかありますが、たとえば安倍晋三・自民党政権と首相官邸の意向に逆らうと、新聞にかかる軽減税率が吹き飛ぶかもしれないとか、放送法を盾に取ったTV局に対する圧力が強くなるかもしれない、といった、へっぴり腰の「忖度主義」が大きく影響しているものと考えられます。

 

 もともと国庫の管理人である財務省も法人税減税には反対の姿勢でしたが、安倍晋三・自民党の政治圧力に押し返され、今日では「法人税減税は当たり前」の姿勢に転換し、その返す刀で、法人税減税に伴う歳入の減少を他のところで、つまり政治力が乏しい・反対の声がかき消されてしまうエリアで、徹底した歳出カット、あるいは増税を行って、その不足分をカバーしようとしています。その典型事例が社会保障関係経費や教育関係費などの切り詰め・大胆なカット・受益者負担の増額であり、また先般来公明党や自民党内の財務省派閥議員などともめていた軽減税率導入への猛反対、あるいは軽減総金額の上限抑え込みなどです。

 

 さて、その問題だらけの「法人税減税のための消費税増税」ですが、実はこれに関係して、もう一つ、とんでもない日本の税制上・納税負担上の大問題があるのです。それは、このメールの表題にも書きましたように、日本の名だたる大企業がほとんどまともに税金を払っていない、そして、今日のメールのテーマではありませんが、大資産家や大富豪層の人たちも、ほとんど納税を回避している、という、許しがたくも腹立たしい事実です。

 

 今日ご紹介することは、下記の富岡幸雄さんという、ちょっと変わったおじいちゃんがお書きになった昨今の著書に詳しく出ていますので、それをぜひ買ってお読みになってください。別添PDFファイルには、下記の3つのことをビジブルに表す同書のほんのわずかな箇所を抜きとって添付しておきました。バブル崩壊後の不良債権隠しや暴力団・闇勢力との癒着など、腐ったその経営実態が暴露されて有権者・国民から厳しい批判を受けた日本の銀行などの金融機関も、実は何年にもわたって税金をほとんど払っていないのです。あるいは、あの名だたる日本の名門企業や有力大名企業などもそうです。具体的には別添PDFファイルをちらっと見ていただいて、何故、そんな事態になっているのかの理由も含めて、富岡幸雄先生の著書をぜひご覧になっていただければと思います。

 

 タックス・ヘイブンを使った国際的な納税回避、租税特別措置法による大企業優遇、研究開発費非課税措置、損失の翌期以降への繰延制度、受取配当金非課税(または軽減)措置、源泉分離軽課課税、実態価格よりも破格に低く出る資産評価方法などなど、本来は納税すべき企業や資産家・富裕層の支払税金をドラスチックに免除して差し上げる「インチキで「彼ら」にとって虫のいい仕組み」が、日本の税制にはいたるところにちりばめられているのです。他方で、私たち一般有権者・国民は、その「納税回避の本丸」を知らぬまま、マスコミや御用学者たちに踊らされて「財政再建や社会保障の持続可能性のためには消費税増税もやむを得ない痛みである、その痛みをきちんと有権者・国民に説明する政治家こそホンモノだ」などと、そのインチキ・出鱈目な説明を信じ込まされています。中には、それを「オームのモノマネ」のごとくさえずる人も少なくありませんが、とんでもない勘違いだという他ないでしょう。一方では「税金なんてものはな、世の中の仕組みを知らないお人好しが払うものなのよ」と腹の底で思いながら、金持ちケンカせずの「沈黙」の中で、ひそかにほくそ笑んでいる巨大企業幹部達や資産家・富裕層の姿が目に浮かぶ気がします。(実際、私は仕事の関係で、複数の人からそういう悪口を聞いています)

 

(法人税だけでなく、所得税に加えて相続税も同様であると思ってください。少し前に、あのサラ金王の武富士のオーナーの息子の相続税=約2000億円が「払わなくてもいい」ことにされたことを思い出していただきたいです。武富士の息子のような人間は他にもたくさんいるのです。もちろん、姿かたちは一般の有権者・国民=納税者からは見えないところで、ニンマリと「税金なんて払ってられっか」と「赤い舌」を出しているのです)

 

 みなさま、次の衆参の国政選挙では「納税者の反乱」を起こしましょう。こうした納税者を馬鹿にした、理不尽極まる税制を財務省や経営コンサルや巨大企業群の幹部達と二人三脚をしながら強引に推し進めているのは自民党、とりわけ安倍晋三政権です。彼らは、有権者・国民=納税者のことなど歯牙にもかけておりません。納税者などは昔から愚か者の集合体だから、テキトーな言葉をつくってだまくらかしておけばいい、おかしな税制など、ちょっとした造語やキャッチフレーズを広告代理店に作ってもらったら、それで十分にしのげるのだ、そう思っているのです。自民党の麻生太郎が消費税の軽減税率導入の際にマイナンバー制度を使うということが問題化した際、言った言葉を思い出してみてください、「マイナンバーカードを持ちたくなければもたなくてもいい、そういう連中は軽減税率の恩恵にもあずかれない」、この言動の背後にある有権者・国民=納税者への姿勢、そこに日本の税制の「すべて」がよく現れています。

 

 増税消費税などバカバカしくて払ってられるか、何が社会保障の持続性だ、何が財政危機だ、税金を払うべき人間がきちんと払えばそんなことは起きないのだ。自民党なんぞにバカバカしくて投票してられるか、国政選挙に棄権などしている時か、俺たちはアホウではないぞ、重税・増税・不公平不公正税制の「お礼参り」は次回の国政選挙でたっぷりとさせていただくよ。一票一揆、これで「税金を支払わない大企業のための法人税減税のための消費税増税」を全部ひっくり返してさしあげるから、安倍晋三・自民党のみなさま、お覚悟を。

 

 <ご紹介したい本>

●『税金を払わない巨大企業』(文春新書:富岡幸雄/著)

 http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033150910&Action_id=121&Sza_id=B0

 

 <別添PDFファイル>

●税金を払わない巨大企業(イントロ部分)(富岡幸雄 文春新書 20149月)

「daikigyou_zei_harawazu.pdf」をダウンロード

(1)実効税負担率の低い大企業 TOP35社

(2)5期通算で実効税負担率の低い大企業 TOP27社

(3)資本金階級別法人税平均実効負担率(2012年度分)

 

●テイクアウトは8%でイートインは10%!? 何だかよくわからない軽減税率(垣田達哉 『週刊金曜日 2015.12.25』)

「gaisyoku_syouhizei_keigensezu.pdf」をダウンロード

 上記は、先般、私のメールで「お笑い軽減税率=外食とテイクアウト、どうちがうの? 「テイクアウトは8%でイートインは10%!? 何だかよくわからない軽減税率(垣田達哉 『週刊金曜日 2015.12.25』)」」でご紹介したものです。この記事の内容と上記の富岡幸雄氏の著書の内容とを比べてみてください。テイクアウトの加工食品と外食との違いを、口の泡を飛ばして議論・言い争いするバカバカしいまでの愚かさが浮かび上がると思います。

 http://blog.goo.ne.jp/humon007/e/5aea952b8d5318e1f23b95f87ec1683c

 

(一般消費税(付加価値税)は廃止して、一定金額以上(例えば110万円以上)の奢侈品・サービスにかかる物品税に移行せよ。さすればかようなお笑い珍問答は無用となる:田中一郎)

 

(参考)みなさま、これでもまだ、安倍・自民党に投票しますか?(1) いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2015/12/post-f6e2.html

草々

 

 

2016年1月 4日 (月)

2016年度政府予算(案)と福島県の復興予算:人間の復興を度外視したハイエナとシロアリによる「利権タカリ」のやりたい放題予算 + 他にもいろいろあるよ

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

(最初にいくつか)

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1.FFTV<おしどりマコさん講演>深刻化する福島の子どもたちの甲状腺がん(南相馬20ミリ撤回訴訟支援連続セミナー) - YouTube

 https://www.youtube.com/watch?v=-j-gbbxZuKY&feature=youtu.be&t=1h3m20s

 

(少し前の録画です。まだご覧になってなければ、必ず目を通していただければと思います。今最も迫真のフクシマ・子ども甲状腺ガンに関する取材報告です。福島の子どもたちが、関東や東北の子どもたちが、危ないのです。:田中一郎)

 

(参考)(第21回)「福島県民健康調査検討委員会」(20151130日)結果と子ども甲状腺がんについて いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2015/12/2120151130-9441.html

 

2.土壌測定プロジェクト みんなのデータサイト

 http://www.minnanods.net/soil/

 

(以下はメール転送です)

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そのプロジェクトに参加している町田市の市民放射能測定所「はかる~む」が群馬県の土壌を採取してくださる協力者を募っております。群馬県在住の方でご協力いただける方はおられませんか? また、群馬県在住の知人に土壌採取を依頼できるという方はおられませんか? 「はかる~む」は、山梨県の土壌測定を終えて群馬の土壌測定にとりかかります。土壌採取にご協力いただける方は、以下へご連絡くださいませ。

 http://www.minnanods.net/labs/machida.html

 

電話番号 042-723-7545

mail hakaroomgmail.com (★を@に置き換えてください)

どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

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3.(イベント情報・ネット署名:メール転送です(一部略))

(1)南相馬・避難20ミリ撤回訴訟支援の会

 【緊急署名】原告による十分な意見陳述の場の設定を(本日1/4締め切り)

 http://minamisouma.blogspot.jp/2015/12/blog-post.html

 現在、署名は957筆! 裁判を応援するため、ぜひご署名を!

 

(2)2.南相馬・避難20ミリ撤回訴訟第二回期日(1/13

 http://minamisouma.blogspot.jp/

「年20ミリシーベルトではいのちは守れない」――立ち上がった南相馬のみなさんを応援しましょう。大法廷を埋め尽くしましょう! 終了後、報告集会も予定しています。

 

2016113日(水)

・経産省前抗議アピール   12:30~12:50 場所:経済産業省本館前

・東京地裁前応援アピール  13:00~13:30 場所:東京地方裁判所前

・第2回口頭弁論      14:00~ 場所:東京地方裁判所103号法廷

※傍聴券が必要となりますので、配布締め切りの13:30までにお並びください。

なお、希望者多数の場合抽選となることがあります。

・報告集会          15:30~ 場所:参議院議員会館(予定)

 

3.《FoE Japan報告会》「核なき世界」に赤信号?…日印原子力協定と原発輸出(1/19

 http://www.foejapan.org/energy/evt/160119.html

◆日時:2016119日(火)18:3020:40

◆場所:地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)※最寄り駅 表参道駅 青山大学の向かい側

(東京都渋谷区神宮前5-53-70 国連大学ビル1F)  国連大学の右手の棟の左側の奥

 

4.原発避難計画 全国集会 in 東京(川内、高浜、伊方、柏崎刈羽、玄海…各地の避難計画を徹底検証)

 http://www.foejapan.org/energy/evt/160121.html

 

 川内原発に続き、高浜原発や伊方原発など各地で原発が再稼働されようとしています。避難計画は形だけで、住民のいのちを守れるようなものではありません。各地での市民の調査により、避難先や避難経路、ヨウ素剤の配布、要援護者の避難など、まったく現実的ではない現実が浮き彫りになってきました。このたび、高浜原発、川内原発、伊方原発、柏崎刈羽原発、玄海原発の状況について、各地から報告いただき、問題点を改めて共有します。

 

◆日時:2016121日(木)13:0018:00

◆場所:参議院議員会館101(最寄り駅:東京メトロ・永田町または国会議事堂前)

13:0015:30:集会

16:0017:30:政府交渉(相手方:内閣府・原子力防災、原子力規制委員会を想定、交渉中)

◆資料代:500

◆「原発避難計画 全国集会 in 東京」実行委員会

 

4.(別添PDFファイル)お笑い軽減税率=外食とテイクアウト、どうちがうの?

 「テイクアウトは8%でイートインは10%!? 何だかよくわからない軽減税率(垣田達哉 『週刊金曜日 2015.12.25』)」

 http://blog.goo.ne.jp/humon007/e/5aea952b8d5318e1f23b95f87ec1683c

 

(一般消費税(付加価値税)は廃止して、一定金額以上(例えば110万円以上)の奢侈品・サービスにかかる物品税に移行せよ。さすればかようなお笑い珍問答は無用となる:田中一郎)

 

5.(別添PDFファイル)TPP 解説パンフ(『ちょっとおかしくないですか、いまの日本!』2015.11

「tpp_panfu.pdf」をダウンロード
http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/?p=4177

 

(11月に路上でもらったTPP解説パンフです。なかなかよく書けてます。:田中一郎)

 

6.(別添PDFファイル)古舘伊知郎「報ステ」降板の全真相と官邸大ハシャギの内膜(『日刊ゲンダイ 2915.12.26』)

 http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/172373

 

(今年からTV見るのをやめることにしました。:田中一郎)

 

7.(別添PDFファイル)食べものの放射能汚染検査結果(福島民報 2015.12.25

「tabemonoosen_fukusimaminpou.pdf」をダウンロード

 干し柿、大豆、乾しシイタケ、川魚、海産物から放射性セシウムが検出されています。検査されているサンプル数が流通している量に比較してあまりに少なすぎるため、1つ1つのサンプルの絶対量が問題ではありません。ホット・スポットが隠れている可能性がある飲食品を暗示しているとみるのが妥当でしょう。絶対にこうしたものはお食べにならないようご注意ください。なお、100ベクレル/kgなどという厚生労働省の「規制値」は安全などは担保しておりません。いやむしろ、100ベクレル/kgなどという放射性セシウムの残留量は、飲食物としては危険極まりないと考えるべきでしょう。ついこの間までは、この100ベクレル/kgは、放射能汚染ゴミとしてドラム缶に入れて厳重保管すべきものとされていました。ということは、今現在は、私たちは「放射能汚染ゴミ」を「食べてもいいのよ、心配ないのよ」と言われているようなものです。

 

 また、放射性セシウムのあるところ、放射性ストロンチウムや放射性ヨウ素(129:半減期1560万年)などもあるなどと言われますし、その他の放射性物質も検査していないのでわからないままですが、放射性セシウムがあるのなら、そうしたものもある。と見ておいた方が無難と言えます。放射能汚染地域産の飲食物には近寄らないようにいたしましょう。「安全・安心キャンペーン」は、福島県民のために行われているのではなく、加害者・東京電力や事故責任者・国の賠償負担を軽減し、その責任をあいまいにするために、つまり汚染物を私たち一般消費者・国民に食べさせることにより、彼らの賠償負担と自己責任の拡散を狙ったものです。だまされてはいけません。

 

8.民有林9割伐採可能 県の線量基準を下回る 県内ニュース 福島民報

 http://www.minpo.jp/news/detail/2016010427803

 

(何を馬鹿なことを言っているのか。汚染森林から伐り出された素材丸太で住宅建材や家具などの木材をつくられてしまったら、消費者・国民はずっと年がら年中被ばくさせられることになりかねない。また、こんな汚染森林で伐採作業をさせられる林業労働者も大変な被ばくをしてしまうだろう。しかも、実態は現場や業者へ丸投げで、政府や自治体は「知らぬ存ぜぬ」の、全くいい加減の出鱈目だ。

 

 みなさま、住宅や家具をお買いになる時には、必ず線量計を持参して、しっかり計りましょう。また、それぞれの商品の木材がどこの産地なのかを確認し、もし福島県やその周辺都県などの東日本産の木材であったなら、買うのは控えましょう。何も知らないままでは、いずれこのいい加減な人たちにより、放射能・放射線で焼き殺されてしまいます。何といっても、毎日寝泊まりする自宅や自宅内家具のことですから。そして、福島県産など、放射能汚染地域産の木材は「いらない」と、はっきり業者に言うことで、こうした放射能汚染木材の値段は下がり、伐採・搬出が採算に合わなくなって出荷されなくなります。徹底して「放射能汚染木材をいやがりましょう」:田中一郎)

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(ここから本文)

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別添PDFファイルは、昨年12月下旬に政府が閣議決定した2016年度の政府予算案に関する福島民報記事です。福島県の原発震災からの復興予算に着目した報道がなされています。一見、金額だけを見ると「手厚く」対応されているようにも見えますが、ちょっと仔細を覗き込むと、いやいやとんでもない、こんな予算は被害者のためにはならない、ということが浮かび上がってきます。以下、簡単にコメントいたします。

 

 <別添PDFファイル>

(1)来年度予算案 閣議決定(1)(福島民報 2015.12.25

(2)来年度予算案 閣議決定(2)(福島民報 2015.12.25

 http://www.minpo.jp/news/detail/2015122527633
  「fukusima_yosan1.pdf」をダウンロード
  「fukusima_yosan2.pdf」をダウンロード


1.予算の見方

(1)たくさんの費目で予算金額が並んでいるが、その数の多さに圧倒されずに、金額の大きいものに目を付けて、ざっと全体の傾向を見る。

 

(2)1桁(億円:以下同じ)予算、2桁予算、3桁予算、4桁予算で、それぞれ代表格としてどのようなものがあるかを1つ2つ頭において置き、それとの比較でその予算額のインパクトや影響度合いを考える。

 

(私だと職業柄農林水産予算に慣れているので、例えば、1桁予算=ガラクタ事業、2桁予算=メイン予算の補完的予算(転作補助金の地域裁量分、乳業予算のチーズ補助金、畜産予算の家畜衛生対応補助など)、果樹・野菜支援予算、鶏卵支援予算、農業・漁業の各共済支援予算、農業環境支払予算など、3桁予算=国産麦支援予算、国産豚肉支援予算、国産甘味・でんぷん生産支援予算、民有林森林整備予算、中山間支援事業予算、水産の経営所得安定対策予算など、4桁予算=転作奨励金、畑作物生産補助、肉牛生産支援予算、土地改良予算、水産土木予算など

 

(3)金額の小さい費目のもので「話題性」があるものに気を取られないこと(他の金額の大きいところにイチャモンを付けられたくないため、そちらに関心が行くように仕向けられている)

 

(4)それぞれに予算が割り付けられた各費目のネーミング(事業名)は、たいていの場合は「名は体を表さず」で、費目表記とは全く関係のないような、トンデモ事業に金が使われていることがままある。新聞や政府各省のHPにある予算案などに書かれている「費目=事業名」は、その実態を現さないインチキ表記だと思っていて間違いない。

 

(5)各事業で「だれが大きく儲けるのか」を想像しながら見る。たいていは背後に「利権」があり、予算作りに励む霞が関官僚達や自治体の職員幹部らは、そうした利権にタカるシロアリ軍団のようなものであって、更にもちろん、我々からは見えないところに、それと抱き付き合っている官業事業者や民間事業者や政治家達もいる、と見ておいていい。(たとえば、数千億円の除染事業の元請けは原子力ムラ組織(経済産業省・文部科学省・環境省などの外郭団体など)+大手(原発づくり)ゼネコン=バカバカしいったりゃ、ありゃしない。原発つくったゼネコンなどは無料奉仕で除染しろ)

 

(6)予算も大事だが、決算や会計検査はもっと重要。しかし日本では、予算案が国会を通れば、形だけの民主主義はそこで終了となる。決算や会計検査は、完璧に軽視され、あるいは無視されている。財政の出鱈目な使われ方が年々ひどくなっている印象が強い。事業仕分け(民主党)や行政事業レビュー(自民党)などは「お遊びセレモニー」の域を出ず。

 

(7)ほんとうは、財政オンブズマンによる「真の意味での第三者による予算チェック・決算チェック」が必要。国会傘下にある会計検査院は、自民党が万年与党を続けるという前近代的な日本の政治構造のおかげで、キチンと機能しなくなってきている=有権者・国民よ、しっかりせいよ、寝ても覚めても自民党ばかりに投票していてどうする、棄権ばかりしていてどうする、日本がこのままだとおかしくなるぞ)

 

2.福島民報記事から見た、福島原発震災からの復興のための2016年予算に対する「激辛コメント」

(1)「帰還」一色の放射能汚染と被ばく押付けのゴマカシ予算

(2)メンタルケアという人を馬鹿にした事業で、事業を担うコンサルを儲けさせる無礼予算

(3)震災復興を口実にした利権土建のシロアリ・タカリ予算(我々の納めた税金を返せ!)

(4)人間の復興を度外視した「コンクリート活用」のアナクロニズム予算

(5)被害者への賠償・補償や被害者の選択(帰還か避難か)を無視した被害者踏みにじり予算

(6)出来もせぬ除染で巨額の財政資金を浪費するムダ金予算

(7)この予算による震災復興を推進するのは、女性の下着を盗んだとされる「パンツ大臣」の高木毅復興相

 

 こんな予算案、こんな復興大臣では、福島県と200万県民は、いつまでたっても救われない。巨大な財政資金の浪費になっている。何故、被害を受けた県民を復興予算の主役にしないのか、何故、被害者の声を聴かないのか・聴く仕組みを作らないのか、何故、放射能と恒常的な低線量被曝(外部被爆・内部被曝)の危険性を重視しないのか!? (おそらく福島県だけでなく、東日本の原発事故被害を受けた都県全てがこんな調子だろうと推測します)

 

 2016年度予算の組直しを要求します。さもなくば所得税増税による復興資金の上乗せ確保は拒否します。お金を返してください。(組直し要求とともに、この予算を組んだ馬鹿どもを、私たちの力で政府や国会から追放いたしませんか。それが「私たちの手に政治と(租税)民主主義を取り戻す」ということの実質的な意味です)

草々 

 

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