さて
今20代くらいの若者たちは知らないだろうが自分が子供の頃、児童文学の名作で「ちびくろ・さんぼ」という絵本があった。
- 作者: ヘレン・バンナーマン,フランク・ドビアス,光吉夏弥
- 出版社/メーカー: 瑞雲舎
- 発売日: 2005/04/15
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虎が数匹連なってグルグル廻るとバターになってしまうと言う奇想天外な愉快な絵本だった。
ところが1988年にこの絵本は黒人に対する差別であるという論調が急激に巻き起こり、絵本は廃刊となってしまったのだ。廃刊のみならず、全国の図書館から回収されてしまって子供たちの目の届かぬところへ隠されてしまった。だから90年代以降産まれの若者たちはこの素晴らしい絵本を読んだことがないと思われる。
「ちびくろ・さんぼ」が差別的だといったい誰が言い始めたのだろう。自分が読んでいた子供の頃、黒人はおろか外国人と言うものを目にした事はなかった。遠い異国には黒い肌をした人がいるのかと思ったかも知れないが、彼らに対する差別意識など芽生えよう筈もない。
「ちびくろ・さんぼ」は前述の通り奇想天外で愉快な楽しい話だったのに、ある日突然それが奪い去られてしまった。誰もそれが差別だとは思っていなかったのに、差別的だと指弾されたのだ。
ある事柄に対して「差別!」と叫ぶ人々は、彼ら自身が差別意識を持っているのではないか。そうでもなければありもしないところに差別を見出す事はできないだろう。
こちらの記事によればワシントン・ポスト紙に掲載された記事をきっかけとして差別議論が湧き上がったようだ。逆に言えば、ほとんどの日本人は「ちびくろ・さんぼ」を読んでも黒人に対する差別意識を読み取る事はなかったのではないか。誰も意識していなかったところに「差別」を持ち出した事によって逆説的に差別が産みだされたとしか言いようがない。
ありもしない差別を糾弾する行動はファシズムに他ならない。自分はこのような活動に対しては断固として反対する立場である。
というような事を煮込みハンバーグ(デミ) 1080円を食べながら考えていた。
では
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