
責める、非難するという行為は、痛みを吐き出す手段である。
私たちは、他人を責める。きつい言葉を投げつけ、独善的な怒りという楽な方向に流れようとする。あるいは私たちは、自分を責める。出来損ない、負け犬だと自分をののしる。そして、どうして自分はこんなに情けなくて、孤独で、胸がムカムカするのだろうと考える。いずれにしても、他人や自分を責めたところで、いい気分になれないのは同じだ。
今度、理由は何であれ、誰かや自分を責めたい気分になったら、その言葉を口にする前に、好奇心を発動させてみたらどうだろうか。米ニューヨーク在住のサイコセラピストで認定臨床ソーシャルワーカーのヒラリー・ジェイコブス・ヘンデルは、次のように自問してみることを薦めている。
・友人を責めようとしている私が感じているこの感情は何なのだろうか?
・自分を責めようとしている私が感じているこの感情は何なのだろうか?
・自分や他人を非難または軽んじようとしている私が感じているこの感情は何なのだろうか?
・過食やお酒に走ろうとしている、あるいはくよくよと考えそうになっている私が感じているこの感情は何なのだろうか?
・急に自意識過剰になっているのはなぜ? 私のなかで何が起こっているのだろうか?
好奇心を発動させることは、脳にも良いことがわかっている。好奇心を持った瞬間、有害な衝動は阻止され、心にスペースができる。自分自身について新しい発見をし、心の奥底を探ろうという習慣が身につき、それを続けることで柔軟な精神が形成されていく。そして柔軟な精神があれば、問題がエスカレートする前に解決することも可能になる。
ヘンデル自身もあるとき、知人とうまく意思の疎通が図れなかったことがあり、相手が自分を誤解していることに怒りを感じて責めてしまった。さらにその後、相手にうまく伝えられずにそうした緊張関係を作り出してしまった自分も責めるという事態に陥ったことがあったという。

しかし、前述のように自分の感情を見極めようと自問を始めた。最初に感じたのは痛みだった。それから、不快感と、そこから逃げ出してまた(誰かを)責めたいという気持ち。だが今度はそうせずに、さらに自分の感情を見つめた。悲しみ、怒り、恥ずかしさ、不安。
一度深呼吸をしてから、さらに感情を見つめ続けていたところ、ふっと痛みが和らいだのを感じた。残されたのは、悲しみと、この状況に傷ついた相手と自分両方への同情だった。相手も自分も苦しんだ、今はそのことを心に留めておけばいい。それで気が楽になったそうだ。
via:psychcentral・translated mallika
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コメント
1. 匿名処理班
直接的な怒りたくなるのをぐっと抑えるのは比較的楽だけど
皮肉とか嫌みを言いたくなるのを抑え込むのは中々難しい
2. 匿名処理班
わかっちゃいるけどやめられないのよ・・・
3. 匿名処理班
生きていると怒りを感じることは多いけど、大抵は独りよがりで非建設的な場合が多いもんなー
4. 匿名処理班
今日からそうするよ
5. 匿名処理班
一度陰で非難する人を見たのでそれ以降、いい人の姿や
しぐさのみを参考にし、絶対に悪い人の真似はしないと決めた
それでも社会上悪い奴は多いし、どれだけいい部分を見れるかで
人の良し悪し決まりそうな予感だけど意外に難しいんだな
6. 匿名処理班
そんなことやってる時間がないんだなこれが
7. 匿名処理班
堂々巡りして深みにはまりそう
8. 匿名処理班
めんどくせッ
9. 匿名処理班
なぜ自分は誰かに不満をいだいたり腹が立つのだろう
また、逆になぜこれが自分にとって面白かったり喜ばしかったりするのだろう
ってのを考えて結論を求めるのは
自分の性質を理解するのにとても大事だと思う
10. 匿名処理班
最初の方は傷つける前?
最後の方は傷つけた後?
どちらにせよ人間は孤独よのう。
11. 匿名処理班
どんな職場に行っても、絡んでくるクソみたいな奴が必ず1人はいるんだよなあ
争いの無い楽園のような職場で働きたい
12. 匿名処理班
平たく言えば「なんでだよ」って思えってことだろ
「なんでだよ、意味わかんねーよ」ってブチ切れるだけだろ
13. 匿名処理班
若い頃は周囲の無知っぷりにイラっとすることばかりだったけど、ある程度歳食うとイラッとしていた対象(年齢なりの知識はある)がヘレンケラーのような可哀想な人に見えてきて雨の中街角に捨てられた子猫のような助けてやりたい気持ちにに変わってしまうね。
若い人が到達できないような知的領域に自分が入ったことも同時に実感するね。
14. 匿名処理班
いつも他人を責めてばかりいる人に、「なぜあなたは他人を責めるのか」聞いてみた事が有る。返事は「他人の欠点を指摘できない様なら無能だと思うし、その人のどこがまずいのかきちんと説明できるなら自分の優秀性を証明できるから」とか言うから、「他人の行動をいくら批判した所で、あなたの考え方が正しいという証明には何らならないと思う」と答えたら「そういう事を言う様だから、貴様は無能なんだ」と切れられた事が有る。確かに凄い自信家なのは良く判るんだが、正直付き合い切れない人だと強く思った。言っている内容も、どちらかと言うと独善的な内容に終始していたし。(こういう人を有り難がって付き合う人って居るのかな?外面では上手く合わせながら、内心では馬鹿にしつつ付き合う人がほとんどだと思うよ本当に)ある意味では、貴重な体験ができたとは思うけどね。
15.
16. 匿名処理班
訳もなく怒りを感じたらどうして自分は怒ってるのか、自分の心から何が減ったのか考えてそれが本当に大事なものだったのか考えるといいって誰がが言ってた。大抵減ったものは案外どうでもいいものだったりするよ。
17. 匿名処理班
感情を思うままに吐き出したら動物と同じだから
理性的に考えてみると原因が掴めるかもよ?ってことかな
「怒るの早まった!」「余計なこと言った!」って時もあるもんね
それを好奇心で回避できたらラッキーかも
もちろん何の好奇心も生まれずダメな時もあると思うけど。
これは「一呼吸置ける自分かっこいい!」
「こういう時○○すれば絶対に解決する!」
って思考になりがちな人はやんないほうが良さそう
無理してるから何処かに皺寄せが来そうだしw
18. 匿名処理班
これは本当だと思う。自分もたまにやるけど、憎悪や自己嫌悪が氷解する時がある
でも心に余裕がある時じゃないと難しいとも思う
まずはリラックスだが・・・できれば苦労しないよな
19. 匿名処理班
うーん、自他を責めることは、自分の嫌いな所のひとつだからどうにか直したい
少し時間たったらもう一回読みに来るよ
20. 匿名処理班
なぜだろう…「毒になる親」という本を思い出した。
21. 匿名処理班
安易に感情を人にぶつける事だけはしたく無いですね。
いつも、一歩引いた位置から客観的に状況を見る様にしています
22. 匿名処理班
実は戦後教育の果ての団体行動を捨て去った先に、他人の行動にちょっとしたことでムカつく、あるいは、はみ出しを許せないといった感情爆発の直接経路が。。
23. 匿名処理班
「相手も自分も苦しんだ」までは理解した。その後のそれを心に留め気が楽になったってのが理解出来ない。「苦しんだ」から同情ってそれで気が楽になる?自分はならない。もう少し自分を俯瞰と言うか客観的に見ないと気が楽になんないのかね・・
24. 匿名処理班
怒りと悲しみは割と早く消えるけど、恥と後悔はしぶとい
だから黒歴史コレクションにして封印しちゃう
25. 匿名処理班
感情の前に思考があるから、その思考を見つめようということなんだと思う。
同じ状況でも人によって起こす感情・反応が違うのは、思考が違うから。そしてその思考には(自分に都合のいい)目的があるので、その目的を突き止めて、それが本当に良いことか悪いことかを判断できれば、思考を改めて感情も変えることができる。
勿論、一瞬ではできないしとても難しいけれど、やる価値はあるので頑張ってるよ。
26. 匿名処理班
※22
気に入らなければ見ない、が出来ない人、常に自分が
団体の中で一つ秀でている、って考えの人、増えましたよね
27. 匿名処理班
自分も些細なことで他人にイライラしたり自分を責めたりすることがあるけど大体ホルモンのせい