金を払えば学位を授与、それに群がる中国人 仏で元大学学長を被告に裁判開始
容疑を見る限りウイスラティ被告ら大学側も中国人留学生も「どっちもどっち」としか言えないほどのレベルの低さだ。同大学の問題は現地で2009年4月に報道されたことで注目されるようになった。当局が調査したところ、同大学にはフランス語の能力が「厳重に不足する」中国人学生が大量に存在した。
学生らは同大学から学位を金銭で購入していた。学位購入の「斡旋」をしている学生もいた。フランス当局は学長だったウイスラティ被告を停職処分として、教育機関で職に就くことを禁止した。
ウイスラティ被告は留学生に対する入学資格審査機関を設立し、2008年4月から11月までだけで中国人留学生438人に入学資格を3000ユーロで“販売”していたとされる。試験は必要なかった。大学側は学生を卒業させ学位を授与するために、成績の改竄も行っていたとされる。ウイスラティ被告は一部の女子留学生に対して、金銭ではなく「性の取り引き」で学籍や学位を与えていた疑いも持たれている。
同裁判では、中国人5人も被告になった。うち1人は女性で、ウイスラティ被告の「女友達」でもあったとされる。同女性被告は「私についてのデマがある」、「私は中国学生のスケープゴートだ」などと主張しているという。
ウイスラティ被告は、一部の行為に軽はずみで厳格さに欠ける面はあったと認めたが、「私は誠実な男です。破産の危機に直面した大学を立て直すために懸命に努力して、多くのアジアや南アメリカの学生を確保しただけ」として無罪を主張しているという。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)