(太鼓)
(太鼓)
(太鼓)
(高山篤)誰だよ?どこなんだよ?
(太鼓)フッ…なんだそりゃ?
(銃声)
(吉崎泰乃)きれい!
(宇佐見裕也)ええ。
泰乃さんが教えてくれなきゃ見逃すとこでした。
(風丘早月)あれ?あれじゃない?宇佐見さん!
(早月)ああいたいた!マリコさんこっちこっち!
(泰乃)えっどうして?
(宇佐見)どうも。
どうしてって宇佐見さんに誘われて。
(榊マリコ)日野所長は家族サービス。
相馬君は野暮用だって。
ああそうですか…。
ねえこのあとみんなで飲みにいかない?たまにはパーッと!おっいいですね!行きましょう!ええ行きましょう。
いやぁロマンチックだねぇ。
えーっちょっと見たい見たい!きれいだな。
うんきれいきれい。
(島谷智美)あのすいません。
展示スペース内には入らないで頂けますか?はぁ?なんでお前に指図されなあかんねん。
やめてください!1つでも欠けると伝わらなくなるわ。
何わけわからん事言うとんねん。
ちょっと見ただけやんけお前。
あの…やめといた方がいいですよ。
そうそうさっきそこでお巡りさん見かけたし。
ねっ?もう行こう早く。
早く!すみません助かりました。
いいえ。
行灯は大丈夫ですか?はいお陰さまで。
申し遅れました。
わたくし島谷行灯の島谷と申します。
その行灯作られたんですか?ええ。
毎年この花灯路に参加出来るように頑張ってます。
へぇ〜。
(早月)きれいね。
うん。
なんとも言えずはかなげな明かりですね。
灯火消えんとして光を増す…。
それってロウソクの火が燃え尽きそうになる前のほんの一瞬明るくなる時があるって事ですね。
人のいまわの命にもそういう事ありますよね。
でもこれロウソクじゃないですよね。
最近は行灯にもLEDが使われているんですね。
この会場は火気厳禁ですからなるべくロウソクに近い色のLEDを使ってるんです。
それに和紙の選び方や光の強さによって随分違ってくるんですよ。
(笛)
(相馬涼)ゆうべここでやってた花灯路に来てたんですよねマリコさんたち。
ええ。
明かりがついてないとなんだか味気ないですね。
(土門薫)銃で撃たれている。
薬莢はそこだ。
(権藤克利)京都市内在住の高山篤22歳です。
銃創は左胸に1発。
弾は貫通してるわね。
死亡推定時刻は?硬直は全身に及んでる。
死斑も定着。
角膜も混濁が進んでいる。
亡くなったのは昨日の16時から18時の間。
じゃあ私たちが来た頃には既に…。
これなんでしょう?これと同じじゃない?これで3件目ですね。
(銃声)
(権藤)2件の発砲事件があったのはそれぞれ別場所で特定の人物が狙われた形跡がありません。
愉快犯の犯行も視野に入れて捜査中だったんですが…。
ついに被害者が…。
着衣の穿孔を見る限り犯人はかなりの至近距離から撃ってる。
明らかに殺意があったとしか…。
顔見知りの犯行の可能性もあるな。
(相馬)弾ありました!はい。
弾は心臓を貫通。
おそらく即死ね。
死因は失血死。
射入口も黒く焼けただれてるし挫滅輪の大きさからみても…50センチ以内の至近距離から撃たれてる。
やはり…。
あら?なんだろうこれ。
皮膚組織じゃないようなんだけど。
弾を鑑定した結果前の2件の発砲事件と同じ銃が使用されてる事が判明しました。
同一犯の可能性がありますね。
あと見てもらえます?変にいびつな傷があるんですよ。
(日野和正)傷。
(相馬)3つとも同じように。
これって弾が発射された時についたんじゃないかと。
銃身内にひずみがあるのかも…。
そう。
改造銃の可能性もありますね。
犯人は最初の2発で銃の威力を確かめた。
で十分な殺傷能力があると判断しついに犯行に及んだんですよ。
薬莢からは指紋や付着物は検出されませんでした。
(日野)ゲソ痕だけども被害者以外に8名分が判別出来た。
でも量販品ばかり。
犯人を特定するのは難しいね。
マリコ君は?被害者の銃創から出てきた微物を鑑定した結果イグサと判明しました。
でそのイグサから微量ですが植物性のロウの成分が検出されました。
(日野)ハゼの実で出来たロウソクの成分だね。
ロウソクの芯にはイグサが使われる事が多いようです。
着衣の付着物は?和紙の繊維でした。
(早月)毎度!
(宇佐見)ああこんにちは。
差し入れ〜。
(日野)風丘先生いつもすみません。
(早月)いえ。
ありがとうございます。
おお和菓子!
(宇佐見)じゃあお茶入れましょう。
宇佐見さんのお茶が飲みたかった。
あっ…。
ここのお店は包み紙にもこだわってるのに。
ああ…。
あっこれ!これです!こうやって和紙をこうやって破くと細かい繊維が出るじゃないですか。
着衣についてたのこれです。
(宇佐見)和紙とロウソクといえば…。
行灯。
(宇佐見)現場は花灯路の近く。
被害者はなんらかのかかわりがあるのかもしれませんね。
昨日の会場はロウソク使ってませんでしたよね。
だけど行灯を販売してるお店では取り扱ってるかも。
じゃあみんなで手分けして市内の店を回るしかないな。
花灯路に出店されていたそうですが会場でこの人物を見かけていませんか?いえ見てませんね。
あの…こちらでは和紙を使った照明器具を作られていますか?ええ。
あっそちらがそうです。
その和紙を少し分けて頂けますか?はいありがとうございます。
なるほどね…。
失礼します。
ありがとうございました。
まだ見た事ないんですよね花灯路。
じゃあ今度見にいきましょう。
ええぜひ。
ここだな。
失礼します。
いらっしゃいませ。
あっ!昨日はどうも。
どうも。
こちらって花灯路の会場のすぐ近くなんですね。
ええ。
あ…何か?お待たせしました。
これでいいですか?ありがとうございます。
ロウソクの行灯はないんですか?あ…今は作っていません。
ここ最近注文もなくなって…。
警察の方だったんですね。
はい。
ところで事件当日何か気づいた事はありませんか?不審な人物を見たとか。
特に変わった事は…。
ではこの人物を見かけていませんか?いいえ見ていないです。
あっお義母さん休んでなくて大丈夫なんですか?
(島谷栄子)こんな香りのきつい花あの子がかわいそうや。
(ため息)すいません。
母はあまり体調がよくなくて…。
花灯路ですか?
(智美)ええ。
昔の写真です。
ご主人ですか?
(智美)はい。
亡くなって3年になります。
そうでしたか。
失礼しました。
行灯の作り方は夫に教わったんです。
こっちが外?
(島谷裕人)こっちが外向くように。
よし出来た。
きれい…。
いいね。
(智美)明かりによって風景は変わる。
夫がよく言っていました。
だから今は私がこの工房を。
夫が残してくれた灯火を絶やすわけにはいきませんから。
彼女が作る行灯温かくて優しい明かりだったわ。
(泰乃)すいませんこれ見てください!
(泰乃)3件の現場に同じ人物がいないか調べたんですけど…。
左が鑑識が撮影した1件目の発砲現場です。
右が2件目。
防犯カメラの映像です。
(泰乃)この2つの顔が顔認証システムで一致しました。
拡大鮮明化します。
この男…。
(携帯電話の操作音)もしもし土門さん?モデルガンショップのオーナーが似た顔の客を覚えていました。
このアパートの住人磯貝信二大学生です。
(チャイム)京都府警だ。
(権藤)待て!
(権藤)土門さん!ああっ!
(権藤)おい磯貝!コラ待て!
(権藤)待て!うわっ!
(銃声)
(銃声)動くな!
(引き金を引く音)銃を下ろせ!
(権藤)動くな!相当なマニアですね。
そんな甘いもんじゃないぞ。
(銃声)
(磯貝信二)俺やってないよ。
こんな奴知らないし。
誰でもよかったんじゃないのか?銃の威力を確かめるためなら。
フッ…。
こんな小物相手に大事な銃を使うわけないでしょ。
ふざけるな!3件とも同じ銃が使われてる事は判明してんだ。
さっきの根に持ってる?
(権藤)はぁ?こっちはちゃんと弾数計算してるしはなからおたくをやろうなんて思ってないから。
お前…。
2件の発砲は認めるんだな?あれだけの銃他の奴には作れないでしょ。
ところで島谷行灯の前で何をしていたんだ?なんでも正直に話した方がいいぞ。
殺人の容疑がかかってる事を忘れるな。
じゃあその証拠を見せてもらえます?ふざけるな!
(ノック)押収された全ての銃を鑑定した結果高山さん殺害に使われた銃はなかった。
フッ…。
(権藤)磯貝お前どこに隠した!ちょっといい?うん。
被害者の着衣に付着していた和紙の繊維だけど…島谷行灯の和紙と一致したわ。
この男をご存じですか?いいえ。
この男はこちらのお店を探っていたようです。
ああ…。
でも知らない人です。
実はこちらの工房の和紙と被害者の高山さんの衣服に付着していた和紙が同一のものである事が判明しました。
えっ?被害者がこちらの工房となんらかの接点があったという事が科学的に証明されたんです。
あなたの事を調べさせてもらいました。
3年前あなたのご主人は何者かに殺害されたそうですね。
なぜ警察は3年もの間犯人を野放しにしてるんですか?いえ現在も滋賀県警が捜査中です。
この3年間あの日の事を忘れた事はありません。
美味しかったね。
お前うめえじゃねえか!ちょっとあなたたち!やめなさいよ!おいおい…。
(智美)あっ!痛い…!
(裕人)何するんだ!おい大丈夫か?おい!
(智美)裕人!
(裕人)ううっ!
(智美の声)その3人の暴力はいつまでも続き…。
誰か!
(男)押さえろ押さえろ。
(智美の声)なのに私は何も出来なくて…。
おい行くぞ。
(智美の声)ようやく静かになって…。
私は夫の名前を呼び続けました。
裕人!だけど夫は搬送先の病院で亡くなりました。
私があいつらに声をかけたから…。
母にも申し訳なくて何度もこの家を出ていこうと思いました。
でも…。
明かりを絶やしたくなかった。
ええ。
私が作った明かりを夫へ届けたくて…。
お義母さん買い物なら私が。
表は冷えますから。
もうええし!かまわんといて!うっ…!
(智美)お義母さん?大丈夫?お義母さん!大丈夫ですか?どうしました?お義母様大丈夫ですか?ひとまず落ち着いたようです。
今度はいつ退院出来るかわからないそうです。
ひょっとしてお義母様は…。
先日先生から告知を受けました。
母の余命はあと半年ほどだと。
戻りました。
(泰乃)おかえりなさーい。
ああちょうどよかった。
これ見てもらえる?被害者の自宅から押収された衣類を調べてたんだけど…。
高山さんの?血痕ですね。
(日野)3割引きになっててさ。
(泰乃)えーっほんとですか?
(泰乃)それいつまでですか?
(日野)来週の火曜日だったかな?あれ?おはようございます。
何?マリコ君徹夜した?ちょっと見てもらえます?いやあ皆さん早いですね。
被害者の自宅にあったジーンズの血痕高山さん本人のものではなかった。
でそのDNAを磯貝信二のDNAと照合してみたんだけど…。
磯貝ではありませんね。
でもこれを見てください。
えっ…。
うーんと…。
(相馬)森雄太。
10日前に滋賀県で殺害されてますよ。
森は以前高山が仕切っていた不良グループの一員でした。
高山さんの着衣に森さんの血痕が付着したのは鑑定の結果およそ10日前。
森が最後に会った人物は高山かもしれんな。
森の身辺を調べる必要がある。
ええ。
それと高山ですが島谷さんの事件に関わっている可能性があります。
3年前の?滋賀県警からの情報によると3年前の事件当時もう1人の不良仲間の男とともに森と高山は重要参考人として事情聴取を受けています。
高山たちはそれぞれ全面否認。
証拠不十分で帰されたそうです。
もう1人の男というのは?木村一樹。
現在所在はつかめていません。
不良仲間のうち2人は殺されて1人は行方不明って…。
仲間割れじゃないですか?土門さん。
磯貝が銃の隠し場所を自供しました。
島谷行灯の庭です。
本当にここなのか?そこっすよ。
しっかり探してください。
(権藤)磯貝は2件目の発砲事件の際検問を逃れるためにおたくの庭に銃を隠したと供述しています。
何かお気づきになりませんでしたか?いえ特に変わった事はありません。
ほとぼりが冷めたら取りに来る気でいたようです。
(捜査員)ないぞ!
(磯貝)そんなはずねえだろ!おい!おい!勝手に動くなおい!俺の最高傑作なんだよ!おい!
(磯貝)ちゃんと探したのかよ!?
(捜査員)おい!
(権藤)余計な手間かけやがって。
奴がわざわざあんな芝居をするとも思えんがな。
確かに。
じゃあ何者かが持ち去ってその銃で高山を殺した…。
銃で殺害された高山ですが実はあなたのご主人の事件の重要参考人として名前があがっていました。
この男に心当たりは?いいえ。
木村一樹といいます。
高山同様重要参考人の1人です。
結局2人とも証拠不十分で帰されていましたが…。
じゃあちゃんと調べてください。
あのもうよろしいですか?母の入院先へ行かなければならないので。
もう1人だけお願いします。
知りません。
あなたはこの森雄太に会っていたんじゃありませんか?
(権藤の声)住職の話によると彼は何度かご主人のお墓へお参りに来ていたようです。
この3人は10代の頃からの不良仲間です。
そしてこの森は大津市内で刺殺体として発見されました。
知りません。
我々は今回の事件は3年前あなたのご主人が殺害された事件と関連があると見ています。
お義母さんごめんなさい…。
(智美)「もう逃げられないと思いました」「高山を殺したのは…」私です。
「高山を殺したのは…」私です。
2か月ほど前です。
あの男…森に会ったのは。
ありがとうございます。
どちら様ですか?
(智美の声)確信はなかったけれどあの時の3人組の1人かもしれないと思った。
(智美の声)それを確かめるためにその男のあとを追いました。
(チャイム)私の事覚えてるようね。
(森雄太)なんの事だよ?放せよ!
(智美の声)間違いないと思った。
この男を調べれば他の2人も突き止められるかもしれないそう思って…。
3年前の事がばれたらどうするんだよ!あ?わかってんのか!
(智美の声)絶対に逃してはならないと思った。
夫を殺した犯人を…。
(木村一樹)あの女に会ったんだろ!?二度と俺の前に現れるな。
(シャッター音)その結果がこれ…。
凶器は?自宅の庭に隠されていた銃を使いました。
それで高山を…。
(銃声)その後銃はどうしました?桂川に捨てました。
高山の事件のあと木村は自宅アパートから姿を消している。
まさか…。
「行灯撮って行灯」「行灯」
(泰乃)信じられません。
こんなきれいな行灯を作る人が復讐殺人だなんて…。
まだ私たちの仕事は終わってないわ。
被害者の銃創からなぜロウソクの芯が出てきたのか。
結構ネットにも投稿されてますね花灯路の映像。
島谷行灯も映ってますよ。
そこでストップ。
明かり全体を見てわかりました。
彼女は花灯路の展示作品で島谷行灯の屋号を表現していたんです。
やめてください!1つでも欠けると伝わらなくなるわ。
そういう事だったのね。
1つだけ明かりの色が違わない?ああそうかも。
他のより赤みが強いね。
私が撮影した方は全て同じに見えますけど。
ああ本当だ。
(智美)明かりによって風景は変わる。
夫がよく言っていました。
もしかしたら…。
あの辺りですかね?マリコさんこれ…。
(シャッター音)
(泰乃)すす…。
(携帯電話の操作音)土門さん探してほしいものがあるの。
あの…どういう事でしょうか?あなたの明かりが真実を教えてくれました。
前におっしゃいましたよね。
明かりによって風景は変わると。
事件当日と同じようにディスプレーしました。
何かお気づきになりませんか?ロウソク…。
ここの葉の裏にロウソクによるすすが付着していました。
事件当日もここだけ一時的にロウソクの明かりが使われていました。
これがその映像です。
映像を分析した結果1つだけ光源の種類が違う事が判明しました。
ロウソクは電球に比べて色温度が低い。
そのため赤みが強くなって光に温かみを増します。
それにわずかな空気の流れで光量が変化します。
このように。
他の時間帯の映像です。
これは先ほどの映像の45分前。
花灯路の点灯が始まった頃の映像です。
そしてこれは私たちが伺った19時頃。
最初の映像の約1時間後です。
この2つの映像の明かりは全て同じ光源で電球だという事が判明しました。
つまりロウソクの明かりは確認出来ませんでした。
これはどういう事でしょう?それが事件と関係あるんですか?事件当夜あなたのお義母様はここへいらしたのではないですか?母はここへは来ていません。
工房と住居を家宅捜索した結果あなたのお義母さんの部屋からロウソクを使った行灯が発見されました。
高山を殺害したのはあなたではありませんね。
鑑定の結果その行灯に付着していた土はここ花灯路会場の土である事が判明しました。
この靴はあなたのお義母さんのものですね?その靴からもここの土が検出されています。
それとここで発見された電球のガラス片と同一のものが付着していました。
さらに行灯に使われていたロウソクの芯を鑑定した結果被害者の銃創から検出された芯と同一のものである事が判明しました。
おそらくあなたのお義母様が行灯の中に銃を隠した時銃口にロウソクの芯が触れたんでしょう。
行灯に付着していた指紋から銃の火薬残渣が検出されました。
ですがその指紋はあなたの指紋ではなかった。
指紋を照合すれば誰が銃を撃ったのかが明らかになります。
全て私のせいなんです…。
(太鼓)
(智美の声)あの日来てないはずの母の姿を見かけて…。
島谷さん。
事務局の方へ来てもらえます?はい…。
(智美の声)先ほどの母の事が気になって林の方へ捜しに行きました。
(智美の声)それは夫を殺した高山でした。
(智美の声)どうしていいかわからず戻ってきたら1つだけロウソクの明かりに変わっていました。
それは私が初めて作った行灯でした。
(智美の声)母だと思いました。
おそらくここを通った時に壊してしまいその代わりに部屋から持ってきた行灯を置いてくれたんだと思います。
きっと私に悪いと思って…。
あの日の明かりはご主人へのメッセージだったんですね。
だから明かりを1つでも欠けさせたくなかった。
ええ。
明かりで島谷の屋号を…。
お義母様もその事をご存じだったんですね?でも…母の行為は私の母への疑惑を確かなものにしました。
(銃声)
(智美の声)ここへ母が来た事が明らかになってはならない。
その痕跡を消したくて…。
だからスペアの電球の行灯に取り替えてロウソクの行灯は母の部屋へ戻しました。
あなたのお義母さんは高山の所在をどうやって知ったんでしょう?多分…。
(智美の声)母はノートを見たんだと思います。
私は証拠を集めたら警察に通報するつもりでした。
銃は?工房や住居からは出てこなかった。
あなたが捨てたという川からも。
わかりません。
事件のあと家中探したんですがどこにもないんです。
(携帯電話)土門だ。
何!?病院からあなたのお義母さんがいなくなったそうです。
木村を…!?まさか…。
(木村)なんだ?ババア。
木村一樹やな?いません。
(銃声)うっ…。
やめてくれ…やめてくれ!やめなさい!やめなさい!なんで…なんで息子を殺したんや!た…高山だ!あいつが悪いんだ。
あいつのせいで…。
お前を殺せばもう思い残す事はない!
(智美)お義母さん!お義母さん!もう…もうやめて!こんな事もうやめよう!うちは…うちはもう長うないんや。
そやさかい…。
裕人を悲しませないで!きれい事はもうええ!もう嫌なの!目の前で大事な家族を失うのはもう嫌なの!智美さんの事も悲しませないでください。
必死にあなたの事をかばおうとしていたんです。
木村!ううっ…。
お義母さん…お義母さん!お義母さん!裕人!裕人!
(智美)ごめんねお義母さん。
お義母さん…。
(慟哭)天命やと思った…。
余命宣告を受けて間もなく拳銃を手に入れる事が出来たんやさかい…。
この3年間一度として忘れる事はなかった。
犯人はどこかで平然と生きてるんやなと思うとどうしようもなかった…。
それだけですか?本当は智美さんの手を汚したくなかったのでは?木村も高山も森が智美さんに接触した事を知っていた。
高山はこれ以上の発覚を恐れて口封じのために森を殺害したと思われます。
あなたは智美さんのノートを見て彼女が森雄太を殺害したと思われたんじゃないんですか?あなたも智美さんもお互いを大切に思い合っていらしたんです。
それが結果的にこんな事に…。
(ノック)お義母さん…。
ごめんね…。
堪忍して…。
お義母さん…。
(智美)お義母さん…。
これから2人で犯した罪を償っていくんだろう。
今回の事で彼女たちはようやく思いを分かち合えるようになったんじゃないか。
島谷裕人さんの死をともに悼む残されたご家族が支え合って…。
ああ。
明かりによって変わるのは風景だけではない。
閉ざしてしまった心にもいつか明かりが灯される時が訪れる。
そう願いたいな。
きっとこれからも彼女は守り続けていくわ。
ご家族が灯してくれた明かりを…。
2016/01/18(月) 16:00〜16:58
ABCテレビ1
科捜研の女12[再][字]
「夜祭の凶弾!疑惑のともし火、母娘に隠された罠…」
【出演】沢口靖子、内藤剛志、若村麻由美ほか
詳細情報
◇番組内容
沢口靖子演じる京都府警科学捜査研究所研究員の榊マリコが、事件現場に残された微細証拠を手がかりに、事件の真相を究明する科学捜査ミステリー。
◇出演者
沢口靖子、内藤剛志、若村麻由美、風間トオル、斉藤暁、高橋光臣、奥田恵梨華、長田成哉
【ゲスト】
三浦理恵子、左時枝
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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