NHK高校講座 地学基礎「海水とその運動」 2016.01.20


右ねじが進む向きを電流の向きに合わせると右ねじを回す向きが磁界の向きになります。
(関口)・「うみはひろいなおおきいな」・「つきはのぼるしひはしずむ」はいご一緒に。
・「うみにおふねをうかばせて」・「いってみたいなよそのくに」
(垣内)よっ隊長。
よっ。
海はいいよね。
私も大好きですよ海。
ああそう?ほんじゃあ海に関するクイズやってみようかな。
次はクイズですか。
いろいろあるんですよ。
いろいろありますね。
はい。
まずここに1Lの海水があります。
うん。
この中に含まれる塩分の量は次のうちどれぐらいでしょうか?おおっ?1およそ15g。
2およそ25g。
3およそ35g。
海水がしょっぱいといっても大した事ないので。
そうかい?うん。
15gでお願いします。
正解は…全く逆の35g。
一番多い方でした。
えっ結構多いんですね。
ですよ。
そういえばですよ私海が大好きなんですけど海の事をあんまり知らないんですよ。
なので隊長。
海の事もっと知りたいです。
詳しくなっとく?なっときます。
ほんじゃあ今回は海に注目っちゅう事でテーマは「海水とその運動」です。
うん。
このね塩分の濃度のさその海水の運動に深〜く関係してんだよ。
えっ海水の運動にですか?ええ。
ほんじゃあまずは今回のテーマ「海水とその運動」を考える上でのポイントを言っておきましょう。
何でしょう?それは海だけじゃなくってこれまで勉強してきた大気あれと関連づけて考えるっつう事なんです。
おお。
海と大気どう関係してるんですか?それを考えるための今日のキーワードなのね。
いってみましょう。
はい。
はい。
はい。
そんで…。
あら〜何だか難しそうだな。
大丈夫。
字だけだから難しいの。
やってけば分かりますよ。
ほんじゃあまずはこちら「海水の温度分布」から見ていきますかね。
はい。
垣内隊員さ〜大気の高度による温度変化覚えてます?はい。
そうでしたね。
じゃあさ海の場合はどうなのかね?どうなんでしょう?どうなんでしょう?こちら見て下さい。
はい。
海水の深さと水温の変化を表したものなんです。
うんうん。
大気ほど複雑じゃないけど水の深さによってこの水温の変化の仕方が違ってますよね。
そうなのよ。
まず海面付近をこれ混合層っていうんだけど何でかっつったら太陽放射とか気温の影響を受けやすいからね。
だから場所とか季節によって水温はさまざまな訳なんですね。
あの…水深1キロよりも浅い所で水温が大きく変化してる層がありますね。
でここは水温躍層といいます。
ふ〜ん。
更に深い深層では太陽の熱が届かなくなるでしょ。
だから水温は急激に下がって深い所では大体どこでもおよそ4℃ぐらい。
まあそれより低い所もあるけどさ。
で…こっちの図も見てもらおうかな。
はい。
これは太平洋の真ん中辺りにおける水温分布の様子なの。
うんうん。
これ赤道でこの色分けが水温なのね。
でこれさ何なのっつったら赤道ですら温度が高いのは表面だけで深層はどこも冷たいっちゅう事なんですよ。
どうしてこの海水の深さによる温度の違いを最初に紹介したかっちゅうとさ海面付近と海の深い部分は違いますっちゅう事をまず分かってほしかったからなんですね。
じゃあ今回のテーマの海水の運動もこの海面と深い所では違うって事ですか?そうなのよ。
では海水がどんな動きをするのかまずは海面から見ていきましょうかね。
はい。
キーワードははい。
垣内隊員は海流と聞いて何を思い浮かべますか?う〜んカツオです。
カツオですね。
私の大好きなカツオは海流に乗って日本近海にやって来てくれます。
まあカツオは黒潮と呼ばれる海流に乗って北上しますもんね。
はい。
でも海流っていうのは黒潮だけじゃない訳なんですよ。
はいこちらは世界の海流を表したものです。
何かいろんな海流があるんですね。
ええ。
おっしゃってんのはここら辺ねこれが黒潮ですね。
おっカツオ…。
カツオの。
フフフフ。
でこれさ何かループしてんじゃん。
こういふうに…実はこの…うん?どういう事ですか?じゃあ大気の循環と比較してみます?はい。
はい。
これさ亜熱帯から赤道にかけて貿易風っていう年中吹いてる東寄りの風がありましたね。
はい。
こっちもそうだけどさこの貿易風がほらここで見るとやっぱり同じ方向いて海流がねこの辺ですね。
赤道付近の海流をつくってるんですよ。
ふ〜ん。
で今度こっちこの偏西風。
今度こっちだわね。
こっち向いて。
この偏西風がつくっている海流がほらこの辺見てこっち向かってるでしょほら。
この辺を流れる海流なんですよ。
へえ〜。
じゃあこのさっき言っていた環流はどの風がつくってるんですか?おおまかに言えばこの貿易風と偏西風で動かされた流れが大陸にぶつかって曲がってお互いつながって大きな流れの輪をつくってるっちゅう事になる訳ですな。
じゃあ……って事ですか?大体はそういう事なんですね。
へえ〜。
でねこの海流の重要なはたらきの一つが地球の熱輸送なんですよ。
んっ隊長。
地球の熱輸送といえば大気の循環も重要なはたらきしてましたよね。
そうだったね。
地球の熱っていうのはその風だけじゃなくって海流によっても運ばれてたんですね。
う〜ん。
北欧ノルウェーの北部にある…北緯68度の北極圏にあるにもかかわらずそれほど厳しい気候ではありません。
真冬でも気温は0℃前後。
緯度にして25度も南にある日本の札幌よりも穏やかな気候です。
実はこの穏やかな気候をもたらしているのが海流なんです。
冬の朝海面から湯気が上がっていました。
この日の海水温度はおよそ10℃。
海面から湯気が出ててあったかそうですね。
うん。
でも海流が運ぶ熱っていうのは結構あるんですね。
見てるとああいう事なんですね。
うん。
まあ海面付近の動きっていうのはどういう事か分かってもらえましたかな?はい。
ほんじゃあ次は海の深い所。
そっちはどうなってんのか見ていきましょうか。
キーワードはえっと…。
隊長。
表層の海流は風と同じように動いていましたけどさすがに海の深い所までは風届かないですよね。
まあそれは届かないわね。
じゃあ深い所では海流はどういうふうに動いてるんでしょうかね。
その鍵を握るのはね細かいんだけどさこれなんです。
その一番外側の海流ですか?そうそうそうそう。
これよく見て下さい。
はい。
ここあのほら環流になってんでしょ。
これさそこに巻き込まれないでこっちにびゅ〜って突き抜けて出てっちゃってるね。
はい。
この北の方まで延びてる訳ですよね。
この流れが海の深い所つまり深層の水の動きと深く関係してんですよ。
ふ〜ん。
垣内隊員。
この流れはこの先どうなると思いますか?この辺の海流と混ざっていくのが自然じゃないですか?そう。
混ざるは混ざるでもねこの表層の海流じゃなくって実は…んっ?海水が引っ張られるって何が引っ張ってるんですか?何でしょうかね。
はい。
それはVTRでどうぞ。
あらVTRですか?ええ。
簡単な実験をしてみましょう。
水槽の端に氷を浮かべもう一方の端にインクをたらします。
インクは氷の方に引き寄せられていきます。
そして氷に触れると…下に沈んでいきます。
グリーンランド沖の氷の海でもこれと同じ事が起こり海水が重くなって沈み込んでいるのです。
海水を引っ張っているのは水温以外にもあります。
それは塩分の濃度。
海水の…北極に近いグリーンランド付近の海。
ここが海水が沈み込んでいる場所です。
氷の下を見てみると…。
細長い筋を引いて沈んでいく流れが見えます。
…海水は重くなり沈み込んでいくのです。
う〜ん。
海水が引っ張り込まれるのは水の温度と塩分濃度が変わるからだったんですね。
そう。
ところで隊長。
グリーンランド沖で…気になるわね。
はい。
実はですねいろんな調査の結果……という事が分かったんです。
入り口?そう。
そしてその入り口の先はこんなふうになってるんです。
うん?グリーンランド沖。
海面の凍結によって密度が大きくなり重くなった海水は柱のような流れをつくって深く沈んでいきます。
直径数百mから1kmにもなる大きな水の柱です。
海底に達した海水は更に深みを目指して流れていきます。
これが深海の流れ深層流をつくるのです。
グリーンランド沖で沈み込んだ深層流はアメリカ大陸に沿って大西洋の海底を南に向かい南極付近まで流れていきます。
南極の海で沈み込む大量の海水が深層の流れに新たな勢いを加えます。
その流れは一部はインド洋へ残りは南極を回って太平洋へ向かっていきます。
そして深層流は周りの海水と混ざって温かくなり塩分濃度も薄まって再び表層に達するのです。
隊長。
海の深い所にこんな大きな流れがあったなんて驚きですね。
でしょ。
もうちょっと詳しく説明しましょうかね。
お願いします。
はい。
グリーンランド沖で沈み込んでからここね太平洋の表層に達するまでざっと5万kmもあるのね。
はい。
で深層流はこの距離を1,000年とか2,000年っていうものすごいゆっくりした速さで流れていくんですね。
え〜そんなゆっくりなんですね。
でね驚くにはまだ早いんだよ。
はい。
この流れここで終了ここで終了っていうんじゃないんですね。
んっ?終わりじゃないんですか?そう。
実はねこうなってる訳。
んっ?このここ北太平洋ね。
はい。
ここでもさまた上がってきちゃうしこのインド洋でも上がってきちゃう訳。
その上がった海水はいくつもの海流を乗り継いでなんと再びグリーンランド沖に帰ってゆくんですね。
え〜。
これ海水が下がったり上がったりしてぐるっと1周してますね。
そうなのよ。
地球規模の大きな循環をつくってるんですね。
この海水の大循環はですね…んっ隊長分かりましたよ。
私たちの地球の環境っていうのはこの前学んだ大気の大循環とあと今日学んだ海水の大循環によって守られてるって事ですね。
そういう事なのよ。
まあ本当に地球ってどうしてこんなによくできてるんでしょうかね。
うん。
地球はすごいです。
よろしくお願いします。
(樋口)よろしくお願いします。
先生小耳に挟んだんですけどこの今日やったね深層大循環。
1万年ぐらい前に1回止まりそうになったって本当ですか?そういう話はありますね。
マジで?ええ。
どういう事?どうして?どうしてかっていうとですね1万年ぐらい前っていうのはちょうど氷期最後のところなんですね。
暖かくなるところなんですけど。
そこ緯度の高い所は凍ってる…氷がいっぱいある。
ここねはい。
でこのアメリカの大陸こっちは切れてますけどここにも氷がたくさんあったのがだんだん暖かくなってとけていきますね。
そうするとここが湖のようになってる訳ですけどとけてきて。
それがある時その氷河の壁が崩れて氷の壁が崩れて水がだ〜っと流れ込む。
この水っていうのは氷だから淡水ですね。
これがだ〜っと流れ込んでそうするとどうなりますか?えっ?あっあの…真水の分その塩分が薄まって下に引っ張られる力がみたいな?薄まっちゃったみたいな。
薄まっちゃったという事になっちゃうんですね。
はあ〜。
そういう事があったようだと。
でどうなった?暖かくなってきているのにこの流れがなくなっちゃったんでさっき出てきたメキシコ湾流からの突き抜けてくる流れが弱くなっちゃったんですね。
それなので今は暖かいですけどこの北欧の方辺りはですね寒くなっちゃったと。
急に寒くなっちゃったもんだからその環境についていけない生き物がどんどん死んでしまったという。
へえ〜。
だけど先生これ過去の話で終わりなんでしょうか。
だって今温暖化で氷河とけたりしてますよね。
そうですね。
同じ事起きるかもしれない…。
可能性はありますね。
今日やったグリーンランド。
氷が多い訳ですけどこれ温暖化で例えば全部とけちゃったとしたらやっぱりここのこれ氷ですから淡水。
また同じ場所で。
またこの辺りの沈み込みが止まってしまう可能性が…。
怖いじゃないですか先生。
怖いですね。
ここ冷やしましょ。
グリーンランド冷やしときましょ。
そんな事できる訳ないじゃん。
そこだけ。
温暖化で氷河がとけたら1万年前と同じ事が起きるかもしんないんだってよ。
大変ですねそれは。
ねえ。
カツオ食えないじゃん。
そうですよカツオ。
海の環境変わっちゃったら私の大好きなカツオが…危ないです。
やばいですね。
はい。
いきなり我々がいくら酸素とか栄養分が運ばれてるからって我々が突然酸素吸えなくなるような事じゃないんだけどだけど海の中の動物たちがさもろ手に影響受けたらさ我々に影響がない訳ないじゃんね。
そうですよ本当に。
つくづく思うけどさよくこんな見事な循環ができてるもんだなって関心する一方でまあ精緻なバランスすぎて何か我々がしらんとやると崩れちゃうのね〜。
そうなんですね。
奇跡の星って事なんでしょうかねやっぱりね。
2016/01/20(水) 14:40〜15:00
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 地学基礎「海水とその運動」[字]

「地球」は私たちにとってかけがえのない存在です。その地球を、「宇宙の中の1つの星」「地球という物体」「地球の歴史」そして「環境」という視点から学んでいきます。

詳細情報
番組内容
海は、暖かいサンゴ礁から冷たい氷河まである。それらを結ぶ海流は、南北に移動して熱の輸送を行っている。では海の深いところは表面と一緒に動いているのだろうか。実は、海水は表面と深層とでは異なる動きをしているのだ。今回は海の表層や深層の温度分布や運動について話を進め、何が海水を上下に動かし、どのように海水は運動するのかについて学習する。【出演】関口知宏、垣内彩未【講師】樋口聡
出演者
【司会】関口知宏,垣内彩未,【講師】慶応義塾志木高等学校教諭…樋口聡,【語り】市川展丈

ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
趣味/教育 – 大学生・受験
趣味/教育 – 生涯教育・資格

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