【ワシントン=川合智之】米カリフォルニア工科大の研究グループは20日、太陽系の果てに海王星より20倍遠い軌道を回る惑星が存在する可能性があると発表した。実際に発見されれば太陽系の「第9惑星」になる可能性があるとしている。20日付の天文学誌に論文を発表した。
惑星が存在する可能性があるのは太陽系の外縁部の「カイパーベルト」と呼ばれる領域。研究グループはカイパーベルトにある6個の小さな天体が同じ向きに動いているのを発見。コンピューターで模擬計算したところ、これらの天体の軌道が偶然一致した可能性はわずか0.007%で、未知の大きな惑星の重力の影響を受けている可能性が高いと推定した。
存在を予測した惑星は地球より10倍重く、太陽のまわりを一周するのに1万~2万年かかる。同大のマイケル・ブラウン教授は「誰かが論文に刺激を受け、観測を始めてほしい」と期待する。
ブラウン教授は2005年、第9惑星だった冥王星より遠くに新天体を発見し「第10惑星だ」と主張したことがある。しかし国際天文学連合は06年、惑星を増やす提案を否決。冥王星も「準惑星」に降格した。ブラウン教授は「この星を発見し、太陽系に第9惑星をもう一度復活させよう」と呼びかけた。
国立天文台の渡部潤一副台長 コンピューターを使った計算で、第9惑星があるのではないかと指摘されたことはこれまでもある。まだ可能性が示された段階で、実際に存在するのかわからない。
海王星よりも20倍も離れた場所にあるとみられており、非常に暗い天体で、観測するのは大変だ。米ハワイ島にあるすばる望遠鏡のような最高性能の望遠鏡でないと見つけられないのではないか。もし確認された場合、大きさは十分だが、惑星の定義に入るのかどうかは議論になるだろう。
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