(三坂)どうもありがとうございました。
(新次郎)大丈夫だすか?
(友厚)シンちゃん…。
ようようお会いできましたなぁ。
・「朝の空を見上げて」・「今日という一日が」・「笑顔でいられるように」・「そっとお願いした」・「時には雨も降って」・「涙も溢れるけど」・「思い通りにならない日は」・「明日頑張ろう」・「ずっと見てる夢は」・「私がもう一人いて」・「やりたいこと好きなように」・「自由にできる夢」・「人生は紙飛行機」・「願い乗せて飛んで行くよ」・「風の中を力の限り」・「さあ心のままに」あ…。
あっ…おおきに。
はぁ。
お会いしたらお礼が言いたい思てましたんや。
4月にあさと千代と一緒に造幣局の桜見に行かしてもらいましてなぁ。
いや〜ほんまきれいな桜やった。
あっこを誰でも通り抜けできるようにしはったのは五代さんのお考えだっしゃろ?いいや。
あれはあそこの局長のアイデアです。
私はただ局員だけで楽しむにはあまりにももったいない桜やなぁてつぶやいただけです。
そうだすか。
トモちゃんはご自分の功績をひけらかしはれへん。
かっこつけのとこがございますよってなぁ。
かっこつけとは心外な…。
この姿のどこがかっこつけです?かっこつけいうたらあなたの方でしょう。
わてだすか?はい。
ちゃらんぽらんに見せておいてかっこええとこだけさっさと持っていきはる。
そうだすか?はは〜ん。
それでいけずしてあさにあないな入れ知恵しはったんだすな?ああ…いいや。
あれは榮三郎さんに銀行の商いだけに専念してもらいたいいうあささんの考えです。
私はただ助言しただけです。
助言?ええ。
戦のある時代に人の上に立つ者には人に命令する力が必要やった。
そやけど今の時代の主に必要な力はそないな力やない。
むしろ人の話を聞く力です。
聞く力?はい。
そないなもん「うん」とか「すん」とか「ふう」言うてうなずいてるだけだすわ。
いいやこれが得意な男いうのはなかなかいてへんのです。
けどあなたは自然とそれができる。
あんさんこそ何でご自分の銀行作りはれへんかったんだす?摩閥にいてて政治家になって日本を動かす事かてできるはずやったお方だす。
人にばっかり力貸して汚名かぶったばっかりかご自分の銀行も財閥も作りはれへん。
私は認められないまま死んでも何も後悔はありません。
未来に名を残す気もありません。
みんなで一緒に作った大阪が残ればそれでええんです。
(笑い声)やっぱりかっこつけや。
ハハッ。
そうですなぁ。
(笑い声)はぁ…。
最後に一つかっこつけさせてもらってもよろしいでしょうか?ん?私はもう…あささんには会いたくありません。
この姿を見せたないんです。
どうかしばらくは多忙で会われへんと新次郎さんから伝えてもらえませんでしょうか。
いいや…。
まさかこのまま消えてしまうおつもりだすか?あきまへん。
あさにはまだあんさんが必要だす。
いいや。
必要なのはあなたです!あなた方はまるで何や…ええ言葉が見つからんなぁ。
そうや!比翼の鳥や!約束して下さい。
これからはあささんの事を内からだけやない外からも支えると!どうか頼みます!ただ〜いま。
(一同)お帰りやす。
(あさ)お帰りやす。
どないだした?は?どないて?ええ社長になれるて言うてはりましたやろ?ハハッ。
どないだすやろなぁ。
うちが最初に旦那様や思たのは去年五代様が商法会議所の会頭を辞める言わはった時だす。
回想わてなぁよう分かれしまへんのやけどここにいてる優秀な商人の皆さんやったら一目で分かるはずや思います。
五代様もおんなじ事言うてはりました。
加野屋がますます大きなっていくには旦那様の力が必要やて。
せやさかい心配あらしまへん。
うちが後ろから…いいや必要や言わはんねやったら横からかて下からかて何なら前に立ってかてどないな事してでもお手伝いさしてもらいます。
そやからどうかお願い致します。
どうか加野屋の新しい会社の社長になっとくなはれ!
(榮三郎)お兄ちゃんわてからも頼みます。
何やお前まで!や…やめてぇな!ほれ顔あ…上げなはれ!ほれ!
(よの)なぁ新次郎。
へ?うちはなぁ今でもちっともお商売の事は分からしまへん。
そやけどあんたと榮三郎とあささんの3人でこの加野屋を支えるいうのはお父ちゃんが一番願てはった事だす。
ほんなら私からもお願いしましょうかね。
新次郎。
どうぞよろしゅう!いや…。
ほんまにもうやめてぇな!そないみんなに拝まれたかて御霊神社の御神体やあらしまへんのやで。
は?御神体?へぇ。
分かりました。
え…?わてに…何ができるか今何も分からへん。
そやけどみんなが明治の世を前に進んでいくためにわてみたいなペラペラな盾が必要や言うねやったら…しょうがあれへんな。
引き受けまひょか。
まあ…!旦那様!お兄ちゃん!
(雁助)えらいこっちゃみんな…。
(大声で)新次郎さんが働く言うてはりまっせ!
(弥七)ほんまにびっくりぽんや!
(どよめき)何やみんな大騒ぎして!?はぁ?あ〜っ!
(男衆)わっしょい!わっしょい!働かしまへんで!わては今までとおんなじずっと座ってるだけだすさかいな!へぇ分かっております。
ほんまおおきに旦那様!ほんならうちらは御霊神社にお参りでも行きまひょかいなぁ!
(かの)へぇ!ほんにほんに。
(笑い声)
(男衆)わっしょいわっしょい!
こうして加野屋にまた一つ新しい風が吹いたのでした
それで五代様はお元気だしたか?うん。
はぁそらよかった。
こないだ会うた時「五代は死んでも大阪は残ります」やなんて言うてはったさかいちょっと気になってたんだす。
それにその時もちょっと話し足らへんかったし新たにお聞きしたい事もあるし。
うちも近いうちに会わして頂きまひょ!あんたらほんまに変わった絆だすなぁ。
はい?五代さんはあさを「もっと育てたい」言うてはったしあさは五代さんに「恩を返さな返さな」言うし…。
あんたたちこそまるで比翼の鳥やがな。
いいや。
五代様はうちがどない背伸びしても見えへんぐらいのず〜っと先のもの見てはります。
ようやっとちょっと追いついた思たらもうまたず〜っと前を歩いてはってうちはその道の後ろの方を歩くだけや。
永遠に追いつかれへんお人なんだす。
そうか。
五代さんなしばらくは仕事が忙しゅうて大阪にはいてはれへんそうや。
へ?あさに「頑張れ言うといてくれ」言われましたわ。
そうだすか…。
(小声で)アイタタタタ…。
ええねやで。
こないに毎日してくれんかて。
(うめ)いいえいつかここを出ていかはる日ぃまではお世話さしてもらいます。
そして日がたち…
(三坂)もうちょっとです。
五代は死を覚悟したかのように精力的に働いていました
ほんならお兄ちゃんそれでお願いします。
わては府庁から区役所を回ってきますさかい。
へぇ分かりました。
(ため息)ご苦労さんだす。
はぁ。
はぁ〜肩凝るがな!こないな事してたら新しい会社出来る前に寝込んでしまいますがな。
肩凝りで寝たきりになるお方はいてまへんよって。
そらそやろなぁ…。
ほなこれに目ぇ通しといとくなはれ。
あかん…。
さあ一緒にやりまひょ!はぁ…しょうないなぁ。
(ため息)なぁ旦那様。
ん?五代様ほんまにお見かけせんようになりましたなぁ。
ひょっとしたらどっかお悪いんだすやろか?寄合所でもそないな噂があって…。
たとえどっかちょっと悪うてもやでほかに面倒見てくれる人もぎょうさんいてはる。
あさが心配するような事やあらしまへん。
そうだすなぁ。
年が変わって…
(弥七)へぇどうぞ。
(山崎)へぇ。
(佑作)番頭さん。
また来てまっせ。
ほんまやなぁ。
(美和)そうだすか。
新次郎さん気張ったはりますか。
へぇ!もうぼちぼち寄合所行かな。
ほな行ってきます。
へぇ。
失礼します。
はれ?三坂さん。
明日…五代さんは東京に行きはります。
ひょっとしたらもう二度とこの大阪に戻ってくる事…できへんかも分かりません。
へ…?それはどうゆう…?2016/01/21(木) 12:45〜13:00
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 あさが来た(94)「道を照らす人」[解][字][デ][再]
友情の芽生えた五代(ディーン・フジオカ)と新次郎(玉木宏)はあさ(波瑠)について語り、ある約束を交わす。そしてある日、あさのもとに五代の秘書がやって来て…。
詳細情報
番組内容
五代友厚(ディーン・フジオカ)は、体調を崩していた。新次郎(玉木宏)は心配し、五代とふたりで語り合う。友情が芽生えた新次郎と五代は、ある約束を交わす。あさ(波瑠)は新次郎に社長就任を受けてほしいと話す。よの(風吹ジュン)も新次郎に社長を務めてほしいと言う。すると、新次郎は…。五代の体調を心配していたあさは、なかなか五代に会えないでいた。するとある日、五代の秘書が、あることを伝えにやってくる。
出演者
【出演】波瑠,玉木宏,ディーン・フジオカ,山内圭哉,友近,桐山照史,野々すみ花,楠見薫,竹下健人,辻本茂雄,風吹ジュン,【語り】杉浦圭子
原作・脚本
【作】大森美香
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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