新・牡丹と薔薇 #35【新たな悲劇の幕開け!!】 2016.01.21


(世奈子)フフフ。
それ見たことかっていうのよ。
崑一も腹に据えかねてあの偽ぼたんをたたきだしたわ。
(綱輝)じゃあ今は実家に?
(世奈子)美輪子にも近寄るな。
姉妹の縁を切れって見事に引き裂かれて偽ぼたんと薔薇がばらばらになったのよ。
薔薇だけにばらばら。
(綱輝)そうか。
ばらばらに。
(世奈子)綱輝さん。
あなたも婚約を破棄した方がいいわね。
まさか放火殺人犯の姉と結婚なんかできないでしょう。
(綱輝)しますよ。
予定どおり。
(世奈子)だってあなたのご両親だって絶対承知なさらないわ。
犯罪者の身内なんかと。
(綱輝)5月にはします。
富貴子の名前にふさわしく牡丹の季節に結婚しようと思ってる。
(世奈子)牡丹の季節ですって?性懲りもない男ね。
どこまでぼたんを踏みつけにすれば気が済むのよ。
(世奈子)あんたってバカなの?
(綱輝)何とでも言えばいい。
(綱輝)帰ります。
(峰靖)いやぁ。
こんなにたくさんの荷物を。
追い出すとなったら待ったなしだな。
(富貴子)カフェの方のネイルアートの道具もあるから。
(峰靖)じゃあ仕事にも行けないのか?ハァ。
仕方ないな。
父さんも手伝うから今日は寝る場所だけでも空けとこうか。
ええ。

(伊佐子)富貴子。
富貴子。
お客さんだよ。
早く下りといで。
誰かしら?まあ綱輝さん。
(綱輝)えらく活気がある店だね。
(伊佐子)ああ。
すみませんね。
こんなところじゃ落ち着かないでしょうけども。
はい。
定食。
(男性たち)ごちそうさん。
(伊佐子)ああ。
どうも。
空いた空いた。
富貴子。
ここに座ってもらいなさい。
あんた。
(峰靖)うん?
(伊佐子)早くお勘定してよ。
(峰靖)ああ。
こっちにどうぞどうぞ。
(綱輝)すいません。
(峰靖)はい。
すいません。
(伊佐子)よいしょ。
ごめんなさいね。
(綱輝)ちょうど忙しい時間に来ちゃったんだな。
(杉彦)誰?誰?お知り合いよ。
弟の杉彦なんです。
(綱輝)おお。
こんにちは。
(杉彦)こんにちは。
(綱輝)家族みんなで働いてるんだね。
そうなんです。
父とそれから母ですけど。
(綱輝)じゃあ後でゆっくりご挨拶するよ。
ええ。
(綱輝)ありがとう。
(綱輝)大変だったね色々と。
お聞きになったのね。
びっくりしたでしょ?
(綱輝)この店のことは清塚から聞いていたんだよ。
あら。
そう。
(綱輝)あなたが天ぷら屋の養女だってこともね。
いずれ何もかも話さなきゃと思ってたんだけど。
(綱輝)いいんだよそんなこと。
元気そうなんで安心した。
ありがとう。
綱輝さん。
わざわざこんなところまで来てくださって。
あなたは大丈夫だ。
こんなことでめげる人じゃないんだし。
ちっとも大丈夫じゃないのよ。
全然駄目。
もうずたずたなのよ。
(綱輝)富貴子さん…。
美輪子のことが心配でたまらないの。
あの子がどんなにショックを受けてるだろうかと思って。
(綱輝)そうだろうね。
あなたお会いになった?
(綱輝)いや。
まだ。
会ってやってちょうだい。
何度も何度も携帯に連絡があったけど私出られない。
出たくても出られない。
姉妹の縁を切れって言われたんだって?ええ…。
ええ。
(綱輝)ひどいこと言うな。
あの親父。
構うもんか。
会っちゃえばいいんだよ。
でも…。
(綱輝)あんな親父の言うことをおとなしく聞いてることなんかない。
血のつながった姉妹なのにこのまま引き裂かれたままでいられるわけがないだろ?会いなさい。
僕が美輪ちゃんを連れてくるから。
あなたが?
(綱輝)僕が責任を取るよ。
すぐに会いなさい。
会った方がいいよ。
(眞澄)美輪子?美輪子。
開けなさい。

(ドアをたたく音)・
(眞澄)ねえ。
開けて。
美輪ちゃん。
開けてちょうだい。

(ドアをたたく音)・
(眞澄)美輪子。
美輪子。
開けなさい。

(ドアをたたく音)
(美輪子)お姉ちゃま。
どうして電話に出てくれないの?私たちこのまま会えないの?
(眞澄)美輪子。
お願い。
お願い。
開けて。

(眞澄)美輪子!・
(ドアをたたく音)
(眞澄)あっ。
お母さん。
(萌子)ああ。
美輪ちゃんが大変なんだって?朝から閉じこもったきりで部屋に鍵を掛けたまま。
(萌子)返事は?うんともすんとも言わないの。
もしかしたら…。
もしかしたらと思うと私…。
(萌子)えーっ?
(萌子)早く入らなきゃ。
中へ。
だって入れないじゃないの。
崑一に電話してもつかまらないしどうしたらいいのよ?警察を呼んだ方がいいかしら?警察ったって。
とにかくドアを破れば?あのう。
電気のこぎりとか何かないの?電気のこぎり?手おのならあるけど。
おの?じゃあそれでドアをたたき壊して。
えっ?できるかしら?やるしかないじゃないの。
いつかみたいに手首でも切ってたらどうするのよ?早くしなきゃ。
ええ。
あら。
美輪ちゃん?あっ。
美輪子。
どうしたのよ?あなた。
どうもしないわよ。
出掛けるの?見れば分かるでしょ?おばあちゃままで来て何騒いでるのよ。
美輪ちゃん。
大丈夫なの?大丈夫に決まってるわ。
ねえ。
どこへ行くのよ?どこだっていいじゃないの。
結局はお母さんはパパの手先なんだから。
そんな言い方しないでよ。
私だってどんなに苦しいか。
自分の娘じゃないの。
どうしてお姉ちゃまを守らないで追い出すのよ?だって今のところはパパの言うとおりにするしか…。
ふん。
冷たい母親。
ねえ。
美輪子…。
ついてこないで!・
(ドアの閉まる音)大丈夫よ。
あの調子なら。
(綱輝)もうここで仕事もできなくなったんだね。
ええ。
(綱輝)あの親父。
ここまでしなくてもいいのに。

(ドアの開く音)・お姉ちゃま!美輪ちゃん。
会いたかった。
会いたかった。
ぼたん。
お姉ちゃま。
(泣き声)ごめんなさいね。
何度も電話をくれたのに。
もう私に会いたくないのかと思ったわ。
何を言ってるの?しかたがなかったのよ。
私みたいに世話の焼ける妹もう見放すしかないと思っちゃったのかと。
バカなこと言わないの。
私たち姉妹の仲を引き裂こうったってそんなこと誰にもできるはずないのに。
美輪ちゃん。
そのとおりだよ。
よかったね。
ありがとう。
綱輝さんから電話をいただくまで私死にそうになってたの。
大丈夫だよもう。
(綱輝)ここは社長のテリトリーだからね。
僕が富貴子のためにどこかネイルアートの店が開けそうな場所を探すから。
ありがとう。
綱輝さん。
(綱輝)用心のために僕は外で見張ってるよ。
もう怖いものはないわ。
どこにでも会いに行くわ。
離れていても私の心はぴったりと美輪ちゃんに寄り添ってるのよ。
お姉ちゃま。
ほら。
薔薇の木はまだ芽を吹きだしたばかり。
でも私には百花繚乱に咲き乱れている薔薇の花が見えるの。
お姉ちゃまにも見えるかしら?ええ。
見えるわよ。
美輪ちゃん。
私たちは牡丹と薔薇。
切っても切れない強い絆で結ばれ合った姉妹なのよ。
ええ。
亡くなったぼたんが見守ってくれているわ。
背後霊のようにぴったりと寄り添って私たちを守護してくれてるわ。
だから大丈夫。
誰にも引き裂かれやしない。
ええ…。
ええ。
はい。
お疲れさまでした。
(女性)ありがとうございました。
どうぞこちらに。
(女性)はい。
どうぞ。
(女性)どうも。
まあ。
とっても奇麗ですね。
(女性)ありがとう。
(伊佐子)はい。
富貴子スペシャル。
はい。
美輪子スペシャル。
いただきます。
いただきます。
うーん。
すごくおいしい。
いつもと一緒よ。
(伊佐子)違うわよ。
杉彦が揚げたんだから。
(杉彦)そうだよ。
杉ちゃんが?
(杉彦)うん。
じゃあ眞澄とケンカしたの?
(崑一)ケンカならまだいいんだがいつも暗い顔して。
私が不幸せなのはあなたのせいだと言わんばかりで。
逆恨みしてるんだわ。
もともと養父母がいるんだもの。
あんな娘たたきだされて当たり前なのに。
崑ちゃん。
早く離婚しなさいよ。
(崑一)そう簡単には…。
そもそも私たちは馬が合った夫婦だったのよ。
カオルコさんに引き裂かれて離婚しちゃったけど。
あのまま一緒に暮らしてたら美輪子も生まれなかったしぼたんだってあんな無残な死に方をすることもなかったわ。
(崑一)うん。
まあ。
そりゃまあ。
みんな眞澄が小日向家に不幸を持ち込んできたんじゃないの。
早くあの女と離婚してよ。
私もう一度あなたと一緒になりたい。
焦りなさんな。
事実上はよりが戻ったんだから。
この年になってまた女になれるなんてねぇ。
思ってもみなかったわよ。
崑ちゃん。
私もさ。
その点では今度の展開は悪くはなかったわね。
でもこうなったらちゃんと妻の座に戻りたいわ。
(崑一)うん。
けりをつけなきゃならないことが多過ぎる。
時間がかかるよ。
崑ちゃん。
あなたの決意しだいじゃないの?そりゃ多少の慰謝料はしかたがないにしても美輪子ももう大人なんだし母親に付くなりあなたに付くなり自由にさせればいいわ。
私もう一度小日向家に戻ってきちんと折り目正しい家庭につくり直したいの。
(崑一)うん。
まあ悪いようにはしないから。
離婚してね。
必ず離婚してね。
(萌子)焦げくさいって?どうもにおうの。
若い女と付き合ってるときはただの浮気だから家を空けることはめったになかったんだけど。
じゃあ今度の相手は?昔から何かっていうとうちの家庭内のことに首を突っ込んできて。
別れたんだからすぱっと手を切ってくれればいいのにいつまでもぐじゃぐじゃ行き来してるんだから。
特に今回の富貴子のことでは鬼の首を取ったように鼻高々で。
崑一の後ろで糸を引いてるとしか思えない。
じゃあ焼けぼっくいに火なの?だから焦げくさいって言ってるじゃない。
あきれるわね。
2人ともいい年して。
あら。
もうこんな時間。
お母さん。
泊まっていきなさいよ。
こんな時間なのにこのうちは誰も帰ってこないのねぇ。
美輪子は富貴子の店にしょっちゅう入り浸ってるみたい。
一時はどうなることかと思ったけど。
ホントに富貴子は立派ね。
崑一さんにたたきだされてもめげずに。
あの子には本当に申し訳なくて。
何もかもが変なふうにこじれてしまってもうどうにもならないわ。
崑一さんが浅はかなんじゃないの?古ぎつねに鼻毛読まれてどうするつもりなんだろう?ねえお母さん。
もう遅いんだから泊まってらっしゃいよ。
いいわよ。
あるじがいないんだったら私も泊まりやすいわよ。
(世奈子)別れて。
あの女を離縁して。
するよ…。
するよ!
(世奈子)約束して。
必ず別れるって約束して。
約束する。
約束…。
(世奈子)ちょっと。
崑ちゃん。
どうしたのよ?崑ちゃん。
もうやだ。
崑ちゃん?崑ちゃん?
(悲鳴)・はい。
もしもし?ええ。
そうですけど。
ええ。
えっ!?美輪子。
美輪子。
起きなさい。
パパが死んだのよ。
美輪子。
パパが死んだの。
やめてよ。
えっ!?パパが死んだのよ。
パパが…。
パパが?
(萌子)じゃあ警察行くの?病院よ。
だって警察から電話かかってきたんでしょ?ホテルで女と一緒にいたって。
でも遺体は病院にあるの。
行きましょう。
まあ。
何てことかしら。
まったく。
(世奈子)崑ちゃん…。
パパ?パパ?やっぱりあなたね。
出てってよ!「出ていけ」ですって?私が最期みとったのよ。
出ていけ!
(医師)失礼。
ご家族の方ですか?どうも。
家内です。
(医師)えっ?するとじゃあ奥さんは?間違えないでください。
私が妻です。
この女がホテルで一緒にいたんでしょ?
(医師)ええ…。
付き添っていらして。
先生。
主人はこの女に殺されたんじゃないんですか?
(医師)いやいやいや。
とんでもない。
警察でも事件性はないと言ってるんです。
じゃあ死因は何です?ちゃんと説明していただけませんか?
(医師)はい。
深夜の1時50分ごろにこちらに搬送されて心肺蘇生を施したんですがまったく反応しませんでした。
だから死因は?
(医師)ああ。
(医師)急性心不全。
まあいわゆる腹上死ですかねぇ。
腹上死!?
(医師)ええ。
(世奈子)崑ちゃん!嫌…。
崑ちゃん!
(世奈子の泣き声)パパ…。
じゃあ今夜が?6時からお通夜であしたが告別式だって。
そうなの。
あなたも行かなきゃ。
私は遠慮した方が。
義理の関係だし。
行ってあげた方が美輪ちゃんも心強いんじゃないのか?ええ。
だけど…。
(読経)お姉ちゃま。
2016/01/21(木) 13:25〜13:55
関西テレビ1
新・牡丹と薔薇 #35[字][デ]【新たな悲劇の幕開け!!】

我慢の限界に達した富貴子(黛英里佳)は、美輪子(逢沢りな)をある場所へ連れ出す。美輪子にとっては忌まわしい思い出しかない場所。ついに美輪子に衝撃の事実を告げる!

詳細情報
番組内容
 富貴子(黛英里佳)は、もう二度と美輪子(逢沢りな)に会えないのではないかと悲嘆する。そんな彼女に、綱輝(片岡信和)が救いの手を差し伸べ、美輪子と連絡を取る。再会した富貴子と美輪子は、何があろうと、これからもともに手を取り合い生きていくことを誓う。やがて富貴子は自由が丘でネイルアートの店の再開。美輪子もそれを手伝うようになる。

番組内容2
 富貴子と美輪子の絆が揺るがなかった一方で、眞澄(伊藤かずえ)と崑一(岡田浩暉)の仲は修正不能なほどにこじれてしまう。崑一は何と、世奈子(田中美奈子)と寄りを戻していたのだ。世奈子は崑一に一刻も早く眞澄と離婚して欲しいとせがむ。世奈子は崑一と再婚し、人生を立て直す気でいたのだ。
 そんな中、大事件が起きてしまう。深夜眠っていた眞澄は、電話の呼び出し音で起こされて…。
出演者
吉田富貴子:黛英里佳 
小日向美輪子:逢沢りな 
牧原世奈子:田中美奈子 
小日向崑一:岡田浩暉 
浅黄萌子:山口いづみ 
瀬尾綱輝:片岡信和 
 ・ 
小日向眞澄:伊藤かずえ ほか
スタッフ
【企画】
横田誠(東海テレビ) 
【原作・脚本】
中島丈博 
【演出】
西本淳一 
【音楽】
中川幸太郎 
【主題歌】
サラ・オレイン「涙のアリア」(ユニバーサルミュージック) 
【プロデュース】
西本淳一(東海テレビ) 
大久保直実(ビデオフォーカス) 
坪ノ内俊也(ビデオフォーカス) 
【制作著作】
ビデオフォーカス 
【制作】
東海テレビ
ご案内
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【公式LINE@】
hirudora 
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ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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