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【新・悪韓論】韓国ウリジナル、今度は「折り紙」 辞書を見ると”無理筋”なのだが…

1.21
 良い文物を見るや「韓国発祥だ!」と言い出すウリジナル主張は「韓国の国技」のようなものだ。ここ2、3年に韓国紙が“自家中毒症状”を起こしたかのように、世界各国にウリジナル攻勢をかけたものに「折り紙」がある。

 例によって、「折り紙の宗主国は韓国」から始まり、「世界各国でORIGAMIと呼ばれているが、『チョンイ・チョップキ』という正しい名前を定着させなくてはならない。まず在米韓国人団体と提携して…」と話は展開する。

 しかし、韓国人が主体になって編纂(へんさん)された韓日辞典を見て驚いた。「1000年以上の伝統がある」と主張しているのに、韓日辞典『朝鮮語辞典』(1993年発売、日本では小学館発行)には「チョンイ」(紙)は載っているが、「チョンイ・チョップキ」は項目もないし、「チョンイ」の例文にもない。

 念のため、韓国で編纂・発売された日韓辞典『アシスト日韓辞典』(94年発売)で「折り紙」をひくと、訳語がない。代わりに「正四角形の色紙、また、その色紙を折る遊び」というトンチンカンな説明とともに「折り紙付き」が用例として載っている。

 「チョップキ」は、「折る」(チョップタ)という動詞の名詞形だ。「チョンイ・チョップキ」を直訳すれば「紙折り」となるのだが、少なくとも90年代初頭の韓国には「チョンイ・チョップキ」なる普通名詞は存在しなかったことが分かる。

 理屈は後で貨車に積む-。韓国が「チョンイ・チョップキ」の宗主国だとする傍証は、次から次に登場してくる。

 中でも、よく語られるのは、7世紀に日本に渡来した高句麗の僧、曇徴(どんちょう)が、日本に紙すきの技法を伝えたとする古説に依拠して、「紙の作り方を教えたのだから、折り紙も教えたはずだ」という推論だ。例によって、確固たる文献証拠はない。

 『日本書紀』に「曇徴は絵の具や紙墨をよく作った」とあり、それが『書紀』では「紙」の初出だから、曇徴が日本に紙漉きを伝えたと、かつて言われたが、考証学の研究から否定されている(日本は4世紀か5世紀には紙を作っていた)。

 韓国には伝統の韓紙(ハンジ)があるが、そもそも壁紙用、床貼用であり、繊維がゴツゴツしていて分厚い。字を書いたり、絵を描いたりする紙は中国からの輸入品で高価だった。それよりも日本の和紙の方が、品質が良かったので、李氏朝鮮の世宗(セジョン)大王は日本に行く朝鮮通信使に「和紙の製造法を調べてくるように」と命じている。結局、薄くてきれいな紙は、日本統治時代まで朝鮮半島では作れなかった。

 日本の折り紙は平安時代にはあったことが文献史料で確認できるが、朝鮮半島では100年ほど前まで「チョンイ・チョップキ」を楽しめるような紙事情ではなかった。

 しかし、韓国のメディアは「わが国の折り紙の歴史は、三国時代(4世紀から7世紀)まで遡(さかのぼ)る」(聯合ニュース、15年11月23日)といった関係者の話を伝えて、はしゃいでいる。

 ■室谷克実(むろたに・かつみ) 1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員、「時事解説」編集長、外交知識普及会常務理事などを経て、評論活動に。主な著書に「韓国人の経済学」(ダイヤモンド社)、「悪韓論」(新潮新書)、「呆韓論」(産経新聞出版)、「ディス・イズ・コリア」(同)などがある。
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