連続テレビ小説 あさが来た(93)「道を照らす人」 2016.01.20


(あさ)もう九州にお帰りになるやてほんまお名残惜しおますなぁ。
(宮部)へぇいろんな所見学させてもろてありがとうございました。
けど大阪はほんなこつせからしい町ですなぁ。
はれ?そうだすか?そうどすよ〜。
道行く人みんな早足早口で忙しそうにしちょってからにわしなんかぼ〜っと歩いちょったら何べんはじかれたか分からんとですよ。
そらめでたい事だすわ。
大阪のお商売も経済もほんまに活気が戻ってきましたんやなぁ。
何がめでたいもんですか!すしも豆腐もおいしかったけんどわしゃ早九州帰って遠賀川のカッパとキュウリでも食べとなってきましたが。
やぁ遠賀川にはカッパさんがおりますのんか!・
(雁助)なぁうめ。

(うめ)へぇ。
(雁助)わてと一緒にこの家出ぇへんか?
(うめ)え…?おっ!?あかん…あかん!あの…うち…。
うちは…あっ!あかんあかん!あっ!あ…熱っ!うぅ…熱っ!あっ…。
あれま!・「朝の空を見上げて」・「今日という一日が」・「笑顔でいられるように」・「そっとお願いした」・「時には雨も降って」・「涙も溢れるけど」・「思い通りにならない日は」・「明日頑張ろう」・「ずっと見てる夢は」・「私がもう一人いて」・「やりたいこと好きなように」・「自由にできる夢」・「人生は紙飛行機」・「願い乗せて飛んで行くよ」・「風の中を力の限り」・「さあ心のままに」どうもご苦労さんでございました。
さっき奥さん名残惜しい言うて言うとったでしょう。
ねえ!遠賀川のカッパさんが待ってはりますよってに。
ほな!いやでも気になるが!帰れんが〜!ああおおきに。
あ〜おおきにありがとうございました。
気になるが〜。
ん?いやうん…気になるが〜。
うめ…。
熱っあかん!あかんこれ大変や!熱熱っ!熱いあ〜っ熱いがな!あっ…ああ…。
(佑作)どないしはりました?番頭さん。
早軟こう持ってきてくれ。
へ?
(大声で)早う!へぇ!はぁ堪忍だす!やけどさしてしもた。
堪忍だす!いやこらわてのせぇだすさかいに。
番頭さんのせぇなんかあらしまへん。
うちともあろう者がうっかり…。
いいやわてが悪い。
うそや…。
うそだす。
あんた連れ出してしもたらそれこそおあさ様に「何で何で」言うて追いかけられてしまいますさかいな。
ほなどこにも行かはりまへんな?どこにも行かんとずっとこの家に…。
ああ…。
きちんと銀行になるまでいてますよって。
(クマ)番頭さん軟こうだす!大丈夫なんだすか!?大丈夫や大丈夫。
ええ大丈夫自分で…。
あっ…。
大丈夫やて。
痛〜っ…。
それからしばらくして榮三郎は店の働き手たちを集めました
(榮三郎)みんなのおかげで加野屋はついに銀行の…加野銀行の看板を上げる事に決めました。
3年後の開業を目指します。
いよいよ長い事両替商としてやって来た加野屋の新たな船出だす!
(男衆)よっ八代目!
(さち)旦那様ええお顔したはりますなぁ。
(よの)ほんまになぁ。
(雁助)ええか?みんな。
八代目はなこれから旦さんいうのやのうて頭取いう呼び方にならはります。
頭取さんや。
みんなよう覚えときや。
(一同)へぇ!おおきに雁助。
あ…お姉さんもひと言どうぞ。
え?うちだすか?
(新次郎)言いだしっぺはあさだすがな。
ひと言挨拶しなはれ。
へぇ…ほな。
おおきに。
えっと…みんな新しい事が始まるいうてちょっと心配になってはるかも分かりまへんな。
せやけどうちたちはこののれんを守りたいからこそ時代に合わせて変わっていかなあきまへんのや。
もちろん両替屋から銀行になったら新しなる事もぎょうさんあります。
正直言うて銀行になって成功してるのは今のとこほんの一握りしかあらしまへん。
(弥七)やっぱりそうなんや…。
(ため息)加野屋はこれからその一握りにならなあかんのだす!大丈夫だす。
畑違いの炭坑の商いと違て銀行は今まで奉公してくれたみんなの腕前と年季が大いに役に立つ商いだす。
どうか気張っとくなはれ!
(一同)へぇ!あ…すんまへん!ちょっともひと言やありまへなんだな。
いつもの事だす。
ああそれから加野銀行の設立と同時に石炭の商いを切り離して正式に一つの会社にしよ思てます。
へ?はぁ相談いうのはそれだしたんやな?へぇそのとおりだす。
え〜とにもかくにも新しい加野屋の始まりだす。
みんなこれからもよろしゅう頼みましたで!
(一同)へぇ!よろしゅう。
よろしゅうな!銀行が出来たら出ていくつもりだすやろ?は?ハッ。
そら分かりますがな。
そないすがすがしい顔して。
いつももっとガ〜ッとこない眉間にしわ寄せてますがな。
ハッハ…。
新次郎さんほんま変わらはりましたなぁ。
は?あないにお店の事には興味のあらへんお人だしたのに。
そうだすか?そないなつもりあらへんのやけど年取ってしもたさかいなぁ。
「アホボンアホボン」言われてたけどもうボンいう年でもあれへんよってな。
銀行になったら両替屋の加野屋はしまいだす。
ほんまわてはもうお役御免だすのや。
う〜んそやろか…。
へぇ。
ハハッ。
石炭の商いもなぁ向こうにいてた時はそれなりに根詰めて励んでみましたんやけどなどっかおもろありまへんのや。
やっぱりわては石やのうて銭金いう目に見えるようでえたいの知れんもん扱うのが好きなんだすわ。
雁助は「銭金」好きいうのとはちょっと違いますやろ。
あんたが好きやったんはお父ちゃんに教え込まれた「信用」いうもんやあらしまへんのか?ご明察だす。
お大名や堂島の商人らは信用でけた。
そやけどどこの誰かも分からん成功するかどうかも分からんような者にお金貸すやなんてわてにはでけしまへん。
そやけどおあさ様にはでけますのやろなぁ。
ん…せやなぁ。
両替の加野屋がのうなってしもたらわてには奉公するもんはあらへんのだす。
榮三郎さんが不足や言うてんのとは違いますのやで。
あのお方はまだ若い。
奥さんにたきつけられたらどんどん伸びるお人だす。
わてみたいな頭の固い者がそばにおったらかえって足引っ張る事になるかも分かりまへん。
そないな事決してあれへん!けどなぁもう自分以外の者の事は考えんかてええのと違うか?自分がどないしたいんかよう考えてもらいたいんや。
自分が…?そうだす。
自分の事だけ考えてそれでいてくれる言うねやったらそらありがたいこっちゃ。
そやけどなもし出ていくて決めたんやったらのれん分けはでけへんけどどっかでお店出せるぐらいのお金用意さしてもらいますよって。
それが加野屋からあんたへのせめてもの恩返しだす。
なるほどなぁ…。
新次郎さんは大旦さんにまるで似てへんようでいてどっかよう似てはんのかも分かりまへんなぁ。
おあさ様も人を見る目があったという事か…。
へ?見る目?そら何の話だす?
(ツタ)新しい会社は誰が社長になりはりますのやろか?そらそれも榮三郎さんだすやろ。
いいや。
ひょっとしたらおあさ様と違うやろか?へ?おあさ様てそないな事…。
そうかて炭坑の事いうたら一番分かったはりまっせ。
そうだすけど…あっそないいうたら…。
回想
(福沢)あなたはいつかおなごの社長になりなさい。
まさか!あさはどこや?どこいてますのや!?どないしはったんだす?珍し血相変えて。
あ〜行ってもうた。
おれへんがな。
どこや!へぇ雁助さんの言わはるとおりだす。
新しい社長は旦那様だす。
はぁ?旦那様に加野屋の炭坑事業それからそのほかの商事の会社の社長になってもらおて思てます。
はぁ?な…何でわてが!?あ…あさがやったらよろしいがな!何言うてはりますのや。
おなごの社長やなんて政府が認める訳もございまへん。
それに旦那様は確かにふらふらしてはりますけどうちは旦那様ほど大阪の商人の皆さんに好かれてるお人を知りまへん。
はぁ好かれてる?へぇ。
顔も広いしうちなんかどっか行ったら「あっあの奥さんまた来たで」とか苦虫かみ潰したような顔される事もしょっちゅうありますのに旦那様やったら「おっ新次郎さんや!待ってました!」とか楽しそうに声かけられて…こら才能だす。
才能?へぇ。
めったにあれへん才能だす。
榮三郎さんもお母様もこれでちょっとはお商売に身ぃ入れてくれるかも分かれへん言うて賛成してくれはりました。
いいや。
その手には乗らしまへんで。
そないな事でお商売に身ぃ入れるやてわては金輪際あらしまへん。
へぇ。
それでもかましまへんのだす。
商いの事は今までどおりうちが一切やらしてもらいますさかい。
どうか加野屋の社長になっとくれやす。
いいや…承服でけしまへん。
五代様にも「ナイスアイデア」や言われましたんやで!へ?五代様が?どないに言うた?へぇそれが…。
はぁ…ほんまにもうトモちゃんめ!
(大声で)えらい事や!何や!どえらい事や!はぁ?
(三坂)大丈夫ですか?み…水水!水持ってきて。
五代さんど…どこが痛い!?五代さん!しっかりして。
五代さん…。
2016/01/20(水) 12:45〜13:00
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 あさが来た(93)「道を照らす人」[解][字][デ][再]

榮三郎(桐山照史)は、加野屋で働く者たちを集め、これからは銀行の看板を上げることを発表する。盛り上がるみんなにあさ(波瑠)は銀行運営の難しさを語り…。

詳細情報
番組内容
雁助(山内圭哉)は、内に秘めていた想いをうめ(友近)に打ち明ける。すると、うめは…。榮三郎(桐山照史)は、加野屋で働くみんなを集め、これから加野屋は銀行の看板を上げることを発表する。盛り上がるみんなにあさは銀行運営の厳しさを語り、気を引き締めさせる。そして、銀行以外の炭坑事業の社長には、新次郎が任命される。驚いた新次郎が五代友厚(ディーン・フジオカ)を訪ねてみると…。
出演者
【出演】波瑠,玉木宏,ディーン・フジオカ,山内圭哉,友近,桐山照史,楠見薫,柳生みゆ,竹下健人,梶原善,風吹ジュン,【語り】杉浦圭子
原作・脚本
【作】大森美香

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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