『The Last of Us』での経験が『Uncharted 4』にもたらしたもの「落ち着いた見せ場も可能と学んだ」
Naughty DogのディレクターNeil Druckmann氏が『Uncharted 4: A Thief’s End』について語り、『The Last of Us』での経験がどのように生かされるのか明かしている。
Neil Druckmann
『The Last of Us』は、私が初めてディレクターを務めたゲームだ。私がゲームの結果を任されていたので、当然ながらそこで得た経験の多くを『Uncharted』に持ち込んでいる。俳優やアニメーター、デザイナーとの仕事のやり方などだ。今では、自信を持って決断を下すことができるようになっているよ。以前はそこまで自信があったわけではないが、周りのみんなが支えてくれていたからね。加えて、『The Last of Us』――そして特に『Left Behind』――には、とても静かな場面が存在した。我々が作っているのはアクション・ゲームだったが、ひたすらアクションで埋め尽くさなくても良かったんだ。2人の女の子がハロウィーンのお店でマスクを着けたりしてじゃれ合っていても良かったんだよ。
自信を持ってそうした場面を『Uncharted』へと持ち込むというのは、Nathan Drakeの人間性を見せることができるので、とても興味深かった。冒険に出ていない時、Nathan Drakeは何をしているのか?それをどのようにアナログ・スティックに置き換えるのか?単にカットシーンで見せるのではなく、どうやってプレーさせるのか?その辺は、全て『The Last of Us』から直接持ち込んだものだ。
具体例というわけではないが、『The Last of Us』では任意の会話というコンセプトを導入した。足を止めて仲間への理解を深めることができる。これはプレーヤーに委ねられていて、やってもやらなくても良いんだ。
やることを選択したプレーヤーは、キャラクターの足を止めて会話を楽しめる。すると、2人の関係性を掘り下げることができるし、それぞれの個性についてもより深く知ることができる。そういった要素を、ゲーム全体に散りばめたんだ。
『Uncharted 4』には、カットシーンの会話で返答を選択できる場面が存在するが、これもキャラクターに深みを持たせることが目的だとDruckmann氏。
Neil Druckmann
ハッキリさせておきたいのは、我々は決して『Mass Effect』を作ろうとしているわけではないという点だ。『Uncharted』には決められた物語とエンディングがあり、それがこのフランチャイズを決定付けている。だが時折、台詞の選択肢がシーンに更なる深みをもたらすと感じたんだよ。SamがNateに過去の冒険について尋ねる場面では、Nate――つまりはプレーヤー――がどの物語を語るのか選べたら楽しいはずだ。台詞を選択できるようにすることで、シーンの深みやインタラクティブ性が増すと感じた場面が、他にも幾つかあるんだよ。
『Uncharted 4: A Thief’s End』では、スクリプト演出による派手な見せ場をカットシーンで繋いでゆく過去作の手法とは距離を置いており、そこにも『The Last of Us』での経験が生かされているという。
Neil Druckmann
最初の3作品は、ひたすらスケール・アップする軌道を描いていた。そうした軌道を継続することは望んでいなかったんだ。自己パロディになるのは避けたかったからね。そこで我々は、派手な見せ場は重要だが、物語上の個人的な葛藤を反映させるタイミングで挟み込まれるよう、見せ場と物語のつながりを改善するにはどうすれば良いのか考えた。だが同時に、見せ場の全てがド派手である必要はないんだと、『The Last of Us』で学んだ。小規模で落ち着いた見せ場も可能なんだ。それでもっと面白いことができるようになったし、過去の『Uncharted』とは異なるペース配分を導入することが可能になった。フォーミュラに変化をもたらす様々な方法を見つけようと、色々実験をしているんだよ。
ソース: Eurogamer