NHK短歌 題「ゲーム」 2016.01.19


「NHK短歌」司会の剣幸です。
今日もご一緒に短歌を楽しんで下さい。
今日のゲストの方は俳優の細川茂樹さんです。
よろしくお願い致します。
よろしくお願いします。
細川さんといえばまず家電それからフットサルそれからホテル巡りたくさんのご趣味をお持ちなんですが短歌はいかがでしょうか?今日から趣味にしたいと思います。
きっかけは何か?僕がちょうど高校入った時ぐらいもう30年ぐらい前になるんですけれどもそのころ大ベストセラーの「サラダ記念日」という俵万智先生の本が書店に出ましてそれを買って授業中にこっそりね「サラダ記念日」を読みながら授業を。
授業中にですか。
やっぱり出身地が岐阜県という事で松尾芭蕉がね。
大垣市…ね。
むすびの地という事で多分他の方々よりもやっぱり身近な感じはあるかもしれません。
よかったですね栗木さん来て頂きたかったんですよね。
短歌とご縁のある方だと思ってました。
そういう家電の次の趣味が短歌という細川さんにはこんな形で番組に参加して頂きたいと思います。
これからは五七五七七で必ず皆さんと話をしますよ。
うわ〜楽しみですね。
はいおっしゃいましたね。
ではえりちょす!はい!アシスタントのえりちょすと申します。
よろしくお願いします。
札をお願いします。
今から栗木さんに選んで頂いた入選九首ご紹介するんですけれどもその中でこれが一番いいこれが一席だと思うものを我々3人で予想したいと思います。
事前に見て頂けてますね?もちろんです。
それでは一番いいと思った歌のあとにこの札を挙げて下さい。
了解しました。
それでは今週の入選歌のご紹介です。
栗木さんが選んだ入選歌はこちらです。
一首目です。
これはお孫さんの様子を見てねちょっと落ちつきないわとかって言うんじゃなくて孫の指の爪が自分とよく似て平らであるというねそこに着目したところがいいんですよね。
それによって見守る温かさが感じられる歌になりましたよね。
細川さんいかがでしょう?よく見てらっしゃるというかかわいくてしかたがないんでしょうね。
なかなか爪まで見るっていうのは。
そうですよね。
独身の頃は女性陣がネイルやっててきれいな爪だねなんて言うのはありましたけどそれ以上に愛情を感じてらっしゃるんでしょうね。
隔世遺伝ってうれしいんですね。
似てるからうれしかったんですね。
では次です。
作者はビル建築のお仕事で数々の実績を積んでこられたんでしょうけれどもクレーンゲームというのはゲームセンターにあるつかんで持ってくるあれはまた難しいんでしょうね。
「基礎から崩す」というところに自信がガラガラと音を立てて崩れた感じがあってこのユーモアの感覚がねいいなと思います。
ものすごく大きなクレーンを操ってガンガンやってらっしゃった方がこれぐらいできるだろうと思ったらあれ?つかめないつかむ事すらできない。
おやじさんのお仕事の大きさもこの中から伝わってきますよね。
では次です。
はい。
まずゲームって聞いた時に今のゲーム社会でずっとスマホとかみんないじってるというイメージのゲームしか考えられなかったんですけどこういうふうなゲームの捉え方と看病をしてらっしゃるものすごく大変な歌だと思うんですがそれが満月とかおはじきとかってすごく円いものをとってもやわらかく温かく希望が見えるふうに作っていらっしゃるのかなという気がしました。
どうでしょう?満月もおはじきも円いものだというすごく細やかないい読みですね。
いや教えられました。
「癒ゆる日あれな」という最後の願望の優しさですよね。
ここがね心に染みますよね。
ゲームというのはおはじきでゲームをしてるって事ですか?はじいてピュンとおはじきを当て合ったりしてね。
では次です。
これ最後まで読むとああゲームの世界の事だったんだと分かってちょっとほっとするんですけれどもその一方でゲームに入り込む危うさみたいなのもありますし現実とゲームの世界がねひょっとして反転してしまうんじゃないかという怖さも感じられてなかなか複雑な心境を詠んだ歌かなと思いますね。
細川さんいかがでしょう?戦争を経験してらっしゃる方の言葉ですよね。
何となくですけど。
奥が深い言葉が随所に入ってるというかね戦争のゲームでよかったねというそこまで伝わるなという感じです。
「おかえりなさい」って本当は温かい言葉なのにものすごく恐ろしく感じてしまうというのがありますよね。
では次です。
起承転結のくっきりした歌で特に後ろの方の「愛犬ひと押し画面が消える」っていうこの場面の展開のしかたがてきぱきしていて怒るに怒れなかったんだろうなっていう作者の苦い表情も浮かんでくる気がしますね。
では次です。
エジプトといえばね古代文明発祥の地で何千年も前から文明が発展してきた。
そこに櫛とかゲームとか楽器があったというね。
この3つのものの選択に説得力がある歌だなと思いますね。
では次です。
はい!今やってるアイドルグループのメンバーの中でもこういった恋愛ゲームみたいなのが今はやってるんですけどゲームの中のキャラクターって理想そのものというか完璧なんですよ。
ゲームが終わった瞬間現実に戻るというかちょっとむなしくなるっていうか共感できるものがあったので選びました。
若い方々の中ではやってるんですね。
だから理想をどこまでも追求できる楽しさがある反面一瞬でその世界がゼロになっちゃうっていうそのむなしさもあってその2つともどもに伝わってくる歌ですよね。
では次です。
これ勉強と思うとつまんないんですけれどもゲーム感覚で向かえば楽しいというね歌ですよね。
サラ先生という方が気になりますよね。
どんな方でしょうという。
きれいな先生で教え上手なのかなと思ってね。
固有名詞の使い方もとても効果的ですね。
では九首目です。
もうですねやはりこの歌を聞くとですねまだ若いなと思うんですね。
僕なんかね。
なかなか使わない言葉…まだまだあります。
使わない言葉が随所に出てきて作られた方作者の言葉のセンスを非常に感じるという歌ですね。
過不足なく歌われていてでも余韻も残る歌ですよね。
米寿88歳の女性がパチンコ大好きになった。
それ元気でいいんだけれども家の人に言わずにこっそり行っちゃったというところに切なさもあってねいろんな事思わせる歌ですよね。
ありがとうございました。
以上入選九首でした。
それでは特選歌の発表です。
では三席をお願いします。
長谷川哲夫さんの歌です。
誰も挙げてないですね。
では二席お願いします。
上野克巳さんの歌です。
まだいません。
それでは一席お願いします。
松井正多さんの歌です。
当たりましたね剣さん。
当たりました久しぶりに。
本当はね満月の夜というところに幻想的な感じがあってちょっと寂しい歌ではあるんですけどね物語の一場面を見るような奥行きがあってそこもいいなと思いました。
続いては「入選への道」。
投稿作品にこうすれば入選に近づくというポイントを伺います。
今日の歌は?細川さんいかがですか?車内でパッと皆さん見るとゲームをしてるような感じに見えるのかもしれませんけれど実はそのゲームの内容というのは今オンラインで人とつながるつながれるゲームが数々あるんですね。
なのでひょっとするとゲームを通してですね人とつながってるという事も考えられるとなるともっと奥が深いような気はします。
おばさんはつながっちゃいけないという事になりますか?そんな事はないですけどただ単に画面上でゲームをやってるだけでは実はなかったりもする。
そこにメッセージも入ってたりとかできますからね。
家電にもメカにも詳しい細川さんならではの読みで「スマホ依存症車内感染」というね熟語を的確に使った表現が一種の定義づけしておられてそこが冴えてて感心した歌なんですが1か所ねちょっと変えるといいなと思う所があったのでこのようにしてみました。
これなら僕でももう読めますよ。
怒られそうですからね。
「おばさん」というのは親しみを込めておられるんでしょうけどちょっと砕けすぎてる感じなので敬意を込めて「熟年女性」になさってはいかがかなと思います。
そういうおばさんも作ってまいりました。
私は全然おばさんと言われる事に…。
永遠のアイドルですよ。
アイドル後ろにおりますから。
スターさんですから。
とんでもないです。
はいこれです。
どうしても今のゲーム世代の作品になっちゃうので私自分がゲームしないので何だかなっていうところもあるんですけれどもゲーム機の中って戦争したりとかどっちの道に行くかとか自分で選んでトントン進んでいくわけですよね。
そのドラマ手中にはあるけれども自分の人生なんて指では決められませんというつもりでちょっと作ってみました。
人生は手で決められないと。
足で行くんだと。
一歩一歩行けと。
すごいいい事言って下さいました。
ありがとうございます。
下の句で自分の人生に引きつけて詠んだ事によってね深みが出ましたよね。
とってもいい歌なんですけどあえてね1か所言えば「ドラマの行方は」の「は」と「指では」の「は」。
この2つの助詞の「は」の重なりがちょっと強く響くので「行方は」の「は」は削ってもいいかなと思います。
前もこう言われた事を思い出しました。
なぜ…?とても論理的にお作りになるので「〜は」とか「〜が」というのがね出てくるんです。
あっスムーズですね。
収まりがね。
なぜこれが最初からできないかと思いますが…。
すばらしい歌でした。
ありがとうございました。
また次回も作ってまいりますのでよろしくお願い致します。
続いては選者のお話。
栗木さんのテーマ…今ね仲間と一緒にいてもそれぞれが自分のゲーム機に向き合っているというねそういう時代になってきて機器が出てきてからゲームの形態も変わったなと思いますね。
この歌では作者は皮膚科のお医者さんなんですよね。
診察を受けに来る患者さんの中の子供たちには待合室ならともかく診察室に入ってからもゲームをやってる子がいるというねそういう事実が詠まれていてああここまで来てるのかというふうにちょっと驚きながら読んだ歌ですがただそれを嘆くだけではなくてこの子は内面はどうなんだろうというねそこまで詠んだ事によって作者のお医者さんとしての誠実さも伝わってきてとても印象深い一首でした。
細川さんどうでしょう?作者の方がいわゆる警告的な事をおっしゃってらっしゃるんでしょうけれども短歌の世界で五七五七七でまとめるとすんなり受け入れられるという優しい感じは受けますよね。
お説教するというんじゃなくてねとてもやわらかく説得されるとこありますね。
説得力がありますよね。
ありがとうございました。
それでは次のコーナーにまいりましょう。
栗木さん今回は?今回は助数詞というのについて勉強したいと思いますがえりちょす聞いた事あります?1個とか2個の「個」とあと1匹とか2匹の「匹」とか数のあとに付く言葉の事ですかね。
さすがよく勉強してる。
数量を表す語の下に付ける言葉の事なんですよね。
その助数詞を見れば何が数えられているのか分かるというそういう働きもありますがどうしてもね安易に1個2個1つ2つと数えがちなんですがここを細やかにあるいは独創的に表現すると自分だけの表現ができるというそういう効果もあります。
短歌では普通じゃない数え方というか独特の数え方をしても大丈夫?開発しちゃって大丈夫なんです。
また例のように穴埋め問題を考えながらみんなで考えたいと思いますがもう気楽にやって下さい。
まず一首目です。
4つとも同じ助数詞が入ります。
いや〜浮かばないですよ。
雲を何と数えるかっていう事ですよね。
普通1つ2つって言っちゃいますけれども秋の雲…。
難しいですよ先生これは。
もう自由に。
房!おお〜なるほど。
ぶどうみたいでおいしそう。
私は今カリフラワーとかブロッコリーを思い浮かべたんですけれども細川さん。
書くものが…ごめんなさい。
じゃあこれで。
じゃあ私からいいですか?出して…。
「船」。
なるほどねいいですね何か広がりがあってね。
空を海に見立てたわけだ。
一生懸命書いてらっしゃいます。
いろいろと。
これにしましょう。
先生短歌の世界は自由ですよね?自由でもう。
じゃあこれでお願いします。
ああすごい!細川さんでなければできない世界!さすがです!浮かばないんです。
ごめんなさい。
全ていいですけどね。
いや〜全部独創的。
作者の表現は「ふわ」でした。
一ふわ二ふわ…。
「一ふわ二ふわ三ふわの雲」。
秋の雲なんで羊雲だったんでしょうね。
もこもこという感じが。
剣さんの「房」というのに近いですけどね。
それぞれ自分の世界が…。
面白いですね普通に数えるよりものすごく雲の雰囲気が伝わってきますね。
アンペアっていうのもいいな〜作者喜びそう。
電力も自由になるんでね。
そうですね。
では二首目いってみましょうか。
「深宇宙」っていうのは地球から遠い所にある宇宙の果てみたいな意味でしょうかね。
普通まなこ…目って1つ2つって数えますけどね。
2人いるので4つ目があるんですけど。
子供の目の数え方をどう言うかって事ですね。
瞳の数え方。
「粒」。
なるほど。
僕はこれにしました。
美しい宇宙って感じ。
剣さんと全く一緒になってしまうんですけど。
これは正解がおられます。
四粒四粒…四つぶと読んだ方がいいでしょうかね。
ぶどうからの連想で割合素直に。
真珠とかの粒っていう感覚?星とそうするとつながりますね。
「四星」もいいですね。
粒は僕も浮かんだんですけれどもあえて…。
ちょっとひねりを。
ではねもう一首いきましょうか。
ちょっと応用問題になりますが…。
佐佐木幸綱さんの歌で空欄が2つあるんですけど最初の空欄は助数詞が入ってあとの空欄は鶴を何かに例えてるのでその言葉が入ります。
ですからその後ろの方を先に考えると助数詞が自然と導き出されるかなと思うんですけどね。
先出していいですか?これお花かなって思ったんですけどここの花を何にするかちょっと思いつかなくてすごい字余っちゃったんですけど…。
すいません私は鶴自体じゃなく全体的に考えてしまいました。
絵画にしようと思ったけど絵画の数え方がよく分かりませんでした。
細川さん。
先生これどうでしょう?みんな視覚的できれいですね。
えりちょすがね半分合ってます。
何か可憐な…。
頭赤いから何となくそういう…。
なるほど!いろいろやってきましたが…。
楽しんで頂けたでしょうか?ほとんど電気とかの事が。
電灯もそうだ。
茶化しに来たみたいですみません。
いかがでしょうか?短歌に触れてみて。
これもね日本の文化というんですか時間の中で伝えていくっていうね。
(終了前のチャイム)時間の中で…時間がなくなってしまいました。
今日はありがとうございました。
こちらこそ。
栗木さんまた次回よろしくお願い致します。
それでは来月またお目にかかります。
2016/01/19(火) 15:00〜15:25
NHKEテレ1大阪
NHK短歌 題「ゲーム」[字]

選者は栗木京子さん。ゲストは俳優の細川茂樹さん。今回は、短歌初心者の細川さんと共に助数詞の使い方を学ぶ。助数詞とは一個の個、一匹の匹など数の後ろにつく言葉。剣幸

詳細情報
番組内容
選者は栗木京子さん。ゲストは俳優の細川茂樹さん。今回は、短歌初心者の細川さんと共に助数詞の使い方を学ぶ。助数詞とは一個の個、一匹の匹など数の後ろにつく言葉。助数詞を見ればどんなものを数えているのか、どういう形状のものなのかがわかる。【司会】剣幸
出演者
【ゲスト】細川茂樹,【出演】えりちょす,栗木京子,【司会】剣幸

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 文学・文芸
趣味/教育 – 生涯教育・資格

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