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気づいた時は借金地獄…これが韓国「スチューデントプア」の実態、「金さん」と「金博士」では雲泥の差に
韓国の青年労働組合の2012年の調査では、在学中の大学生にかかる費用は授業料約2800万ウォン(約317万円)、就活で必要な専門学校の授業料や語学研修費などで1470万ウォン(約166万円)。親が裕福で資金力がある学生は就活でも長期戦に耐えられるが、低所得の学生はわずかな仕送りとアルバイトの収入で家賃の安い狭い下宿に住み、食費を切り詰めても足らず、借金に頼らざるを得ない。
「金さん」と「金博士」では雲泥の差
日本ではどうか。就活の学生を支援する全国大学生協協同組合連合会の担当者は「就活のためのスキルアップで、将来返済に困るほど借金をする学生は聞いたことがない」と語る。貧富の差はあっても、日本の就活生はアルバイトで稼いだ金を交通費や宿泊費に充てる程度。面接重視の企業が多い中、基本的な能力が身についていれば、大企業に入れるチャンスはあると指摘する。
一方で、韓国の大企業が求める人物像について、韓国の毎日経済新聞が次のように紹介している。
例えば、サムスングループは、語学力とともにグローバル感覚の有無が重要な判断要素になり、人文学と工学の知識を備えた統合型の人材を欲している。LGグループは履歴書に語学成績や資格を書く欄をなくし、マーケティング実務のインターンシップやソフトウエア開発で必要なプログラム入力を行うコーディングテストなどで実務能力を重視する。また現代自動車グループは歴史観や人文学的な深さなどがある人を求めている。
なぜ、韓国の学生たちが借金をしてまで大企業を目指すのか。韓国出身の評論家で拓殖大の呉善花教授はこう指摘する。
「韓国人は周りからどう見られるかという体面を重視する。大企業に入れば結婚相手も見つけやすく、待遇もいいので周りから持ち上げられ、人生の勝ち組になった気になれる」