(女王)問題なんて絶対ない!そ…そんな〜!問題あると思うんだけどな〜。
生き物の不思議を解き明かす「生物基礎」へようこそ。
私たちが暮らす日本は豊かな森林に囲まれた国だ。
今日はさまざまな樹木が形づくる日本の森林とその変化に適応して暮らしてきたヒトとの関わりに迫りますぞ。
こんにちは八田亜矢子です。
今日も楽しく「生物基礎」を勉強していきましょう。
よろしくお願いします。
東京アヴァンギャルドの丸沢丸と…。
綾瀬マルタと…。
森のイケメンミドリ君です。
ミドリ君の名前であいうえお作文。
「ミ」みんな大好き。
「ド」どんな時も。
「リ」理科の時間。
よろしくね〜。
よろしくお願いしま〜す。
さあ今日のテーマは…バイオームについては前回学習しましたが覚えていますか?はいはい!はいはい!じゃあまずは丸君。
はい。
地球上にはさまざまな環境がありますが…はい。
そして主に…よく覚えておったのう。
では今日は君たちが暮らしている日本のバイオームについて見ていこう。
ずばり!森林…。
…ですか?では丸君今日のキーワードを出してくれたまえ。
はい。
ジャン。
(丸)「日本の森林は個性豊か」?はい。
今日は主に私たちが暮らす日本の多種多様な森林について学んでいきましょう。
ではこちらをご覧下さい。
これは年間の平均気温を横軸に年間の降水量を縦軸に取った世界のバイオームの分布図なんですが日本のバイオームはどの辺に当たると思いますか?え〜っとポイントは森林だって言ってたからきっと何とか林と書いてあるこの辺りじゃないですかね。
はいそうですね。
年間の降水量が1,000mm以上そして年平均気温が−5度以上のこの地域では樹木の生育が良好で森林が発達します。
私たちが暮らす日本は高い山や海岸湿地などの一部を除いてほとんどの地域がこの条件を満たしているので…え〜!?3分の2も?日本ってそんなにたくさん森林があったんだ。
ねっ。
はい。
では実際に日本のバイオーム森林の様子を見てみましょう。
冬の寒さが厳しい北海道の東北部や本州の高山地域にはトドマツエゾマツシラビソなどの針葉樹林が分布している。
樹木の特徴は小さく針のような形の葉だ。
北海道南部の低地から東北地方本州中部の高山地域にはブナミズナラなどの夏緑樹林が分布している。
夏緑の大きな葉を広げる木々は秋には色づき冬には葉を落とす。
関東から四国九州地方までの冬の寒さが緩やかな地域にはスダジイアラカシなどの照葉樹林が分布している。
冬にも落ちない葉は光が当たるとキラキラ光るので照葉樹と呼ばれているのだ。
九州の南端から沖縄まで高温で雨の多い地域にはアコウガジュマルなどの亜熱帯多雨林が分布している。
この森林の中には板根という地上に盛り上がった根を持つ背の高い木々が生え河口付近にはマングローブが広がっている。
日本には北から南までいろんなタイプの森林があるんですね。
そうなんです。
日本には……という4つのバイオームがある事が分かりましたよね。
(マルタ)バイオームによって植物の背丈や葉の大きさ形も違うんですね。
はいそうですね。
冬の凍結や乾燥強い風から身を守るため小さな針のような葉をつけ春雪が解けたらすぐに光合成を行えるように一年中葉は落としません。
そして…春夏秋と盛んに光合成を行うために大きな葉をつけ寒さの厳しい冬にはその葉を落とします。
そして…雪が積もらない地域なので一年中葉は落とさずその葉は冬の乾燥に耐えられるように表面がコーティングしたように硬くなっています。
そして亜熱帯多雨林も同じく…照葉樹林と同じ特徴の木々が多いのですが冬の寒さや乾燥の心配もなくとにかく日の光をより多く集めるために背を高く伸ばします。
しかし亜熱帯では土壌が薄く根を深く伸ばせないため高い樹木を支えるために板根が発達するという特徴が見られます。
へぇ〜。
ふ〜ん。
森林の木はそれぞれの環境に適応して生きてるんだね。
うん。
丸君ももう少し適応できるといいよね。
お〜っとどういう意味ですか?ところでお二人さん…はい!おっ。
おっマルタさん正解です。
やった〜。
えっ気温ですか?じゃあ……といってもいいんです。
へぇ〜そうなんだ。
ではもう一つ質問じゃ。
もちろんえ〜っとその…それはですね…ミドリ君。
(マルタ)「はいは〜い」…
(丸)えっ!?緯度と標高で気温が決まる?はい。
前回学習しましたが基本的に…そうそう。
緯度が高い地域に行けば行くほど日が斜めに当たるようになるので日射量が減るんでした。
はいそうでしたね。
日本列島は南北に細長いため緯度の違いによる気温の差によって南北方向に異なるバイオームが分布しています。
これをバイオームの水平分布といいます。
う〜んなるほど。
緯度で気温が変わるっていうのは納得ですけどこの標高っていうのは何ですか?日本列島は南北に細長いだけではなく中央部に高い山々が連なっています。
これは日本の真ん中アルプス辺りの図ですが低地から高地にかけての温度差によるバイオームの分布が見られるんです。
これをバイオームの垂直分布といいます。
山に登ると標高が高くなる。
そうすると気温が下がる。
だからバイオームも山の麓から中腹山頂へとさまざまに変わっていくってそういう事ですね。
はいそういう事ですね。
そしてこの地域では標高2,500mが森林限界となりこれより標高が高くなると背の高い樹木が生育できず森林は出来なくなります。
ここではハイマツなどの低い木が分布していたり夏になると高山植物のお花畑が広がったりします。
ふ〜ん。
水平分布と垂直分布って横と縦の違いはあるけど…。
どちらも気温によるバイオームの分布という事なんだね。
ところで丸君マルタさん2人には身近な森林の調査を頼んでおいたはずじゃがどうなったかな?はい行ってきましたよ。
ご覧下さい。
丸と…。
マルタの…行ってきま〜す。
行ってきま〜す。
やって来たのはハイキングの人気スポット東京の高尾山。
先生今日は…。
(丸マルタ)よろしくお願いします。
(森広)よろしくお願いします。
案内してくれるのは日本の森林に詳しい…まず3人が見つけたのは冬でも葉を落とさない…確かにちょっと硬め硬い。
(マルタ)あっ先生ここ下にいっぱい落ちてます。
(森広)ウラジロガシが実って落ちてる最盛期です。
このドングリは動物が大好きでいろんな動物が食べますよ。
そうなんですか。
(マルタ)という事はおいしいんですかね?人間にはとても苦いんだけども水にさらすだけで抜けるんですよこの苦みが。
だから昔からドングリを食べてきた地方もありますよ。
(マルタ)そうですか。
更に進んでいくと冬には葉を落とす落葉広葉樹を発見。
あっ軟らかい。
さっきのは硬い感じがしたけど。
あとね何か薄い。
(丸マルタ)へぇ〜。
そしてここにもドングリが。
(マルタ)あっさっきより大きい実が。
(丸)大きいね。
先生何か出てます。
(森広)これは根っこですね。
コナラの場合は秋のうちに根っこを出して地面に伸ばしておくんですね。
先生芽が先に出るんじゃ?…ないんです。
根が先に出ます。
(マルタ丸)え〜!これから根っこを土に生やす訳ですね?
(森広)そうです。
もし土に生やす事ができなかったらそのまま乾燥して死んじゃうんですね。
(丸)あっそうなんですか。
うわっちょっと頑張れ!ごめん。
ごめんごめん。
ごめんよ。
頑張って。
先生ドングリたくさん見ました。
もうドングリだらけですね。
そうなんですよ。
日本のこのくらいの高さの森は…照葉樹林でも夏緑樹林でもドングリのなる木が主役なんですよね。
先生今日は…。
(丸マルタ)ありがとうございました。
ありがとうございました。
お疲れさまでした。
何か楽しそうでしたね。
はい森は楽しいですよ。
うん楽しいね。
ところでさっきから気になってるんですけどこれ何ですか?気になる。
気になります?では見せてあげましょう。
ジャ〜ン。
(丸マルタ)お〜!これは日本各地のドングリです。
黄色のプレートが落葉樹緑のプレートが常緑樹のドングリです。
(マルタ)大きいのから小さいのまでいろいろありますね。
(丸)このオキナワウラジロガシなんてすごい大きいですよね。
亜矢子さん日本にはドングリは何種類ぐらいあるんですか?…あるといわれていてブナやミズナラなどの落葉樹だけではなくウラジロガシやスダジイなどの常緑樹にもドングリは出来るんですよ。
あれっ?亜矢子さん間違ってクリが入ってますよ。
丸君クリもドングリの仲間なんですよ。
えっそうなんですか?はい。
だったらドングリもおいしくたっていいのにね。
おっほん!丸君マルタさんなぜドングリをつける木が日本中に広がって森林を作るようになったのか分かるかな?はい!丸くて転がりやすかったからあちこちにどんどん転がって広がってったって事ですかね?違〜う。
そんな事じゃない!はい。
なぜ日本にはドングリをつける木が多いのか。
それは動物と関係があるんです。
リスやネズミがドングリを冬の食料として貯蔵しようとせっせと運んで土の中に埋めたんです。
その結果日本各地にドングリの木が広がっていったと考えられています。
へぇ〜。
植物が動物にドングリを食料として提供して動物がそれをあちこちに運んでくれたんだ。
植物と動物の持ちつ持たれつの関係がドングリの森林を広げていったんですね。
これまで日本のバイオームについて学んできましたがバイオームは環境つまり気温や降水量が変わると変わっていくんです。
ふ〜ん。
という事は今僕たちの周りにある森林も…。
環境が変わるといつか違うバイオームになってしまうという事ですか?そうなんです。
これはさっき見た日本の現在のバイオームの図です。
このほんの少しの青い部分には高山植物が分布しています。
(マルタ)本州の高山と北海道だけですね。
このように今では日本のごく一部にしか繁殖していない高山植物なんですが…。
これはおよそ2万年前の氷河期の日本とそのバイオームの様子です。
日本の形自体も今とは少し違いますが高山植物は今より広く分布していたといわれています。
そして針葉樹林も日本全国に分布していました。
これは…気温が変わるとこんなに変わるんですね。
先生こんにちは。
(山藤)八田さんこんにちは。
どうぞ。
はいありがとうございます。
今日は日本のバイオームについて学習してきましたけれども何か質問ありますか?はい。
日本の気温の変化とともにバイオームも変化してきたという事でしたが私たち…はい。
こちらを見て下さい。
約2万年前は今よりとっても寒かったのでこのように針葉樹林と夏緑樹林の広がるバイオームでした。
当時このバイオームに適応していた大型の動物を人々が狩りをして食料にしていたと考えられています。
ところが縄文時代になると今より暖かい気候になって大型の動物は生息場所を奪われて絶滅していきます。
日本は夏緑樹林と照葉樹林の広がるバイオームにだんだん変化して現在につながるドングリの森が広がっていったと考えられているんです。
という事は…はいそうなんです。
バイオームの変化とともに食生活も動物などの狩猟中心の生活からドングリなどの植物性の食料が大きな比重を占めるようになったんです。
遺跡の研究から……とも考えられてるんですよ。
またですね……って考えられてるんです。
…ってすごい事ですね。
そうですね。
では亜矢子さん今日の「実になる一言」お願いします。
今日の「実になる一言」はこちら。
(丸マルタ)「ヒトは自然と共にある」。
私たちヒトは遠い昔から自然と共に生きてきました。
バイオームの変化が私たちの文化を作るきっかけになってきたと考えると森林と私たちの関係ってとっても深いものだといえますよね。
う〜ん。
自然は大切にしていきたいよね。
あ〜痛たたた。
ミドリ君僕の事も大切にしてよ。
丸君は自然っていうより不自然だからね。
え〜!痛たたた…。
2016/01/19(火) 14:40〜15:00
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 生物基礎「日本のバイオーム」[字]
生物を学ぶ事は自分自身を知る事です。ヒトとはどんな生物なのか?体のしくみや健康に暮らすための知識等々、本格的に「生物」を学ぶ前に「生物基礎」でその準備をします。
詳細情報
番組内容
日本は森林の国です。日本の森林では、ある地域の森林を構成する植物の特徴には共通性が見られます。その原因は、長い年月の中で、その地域の環境に適応した植物が現在の森林をつくっているからです。また、その地域に生きる動物とも密接な関係があります。環境が変わり植物の種類が変われば、動物の種類も変わっていくのです。 【出演】八田亜矢子、東京アヴァンギャルド【講師】山藤旅聞
出演者
【キャスター】八田亜矢子,【リポーター】東京アヴァンギャルド,【解説】都立両国高等学校・付属中学校教諭…山藤旅聞,【語り】増谷康紀
ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
趣味/教育 – 生涯教育・資格
バラエティ – その他
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