軽井沢のバス事故、ブレーキ踏むも減速せず【政治家の目線】


 

 

亡くなられた方に哀悼の誠を捧げます。ご家族をはじめ、ご友人を失われた方の悲しみはいかほどか。
怪我をされた方も多数おられます。早くよくなって頂けるようご祈念いたします。

多くの尊い命が失われた。若者が多数を占めることにも胸を痛めております。
さて、事故直前のバスの映像が公開されました。
国土交通省が提供したもので、事故現場より250mほどの地点。
この映像を見られた方も多いかと思いますが、少し思うところがございます。

 

 

 

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(OGP画像)

 

 

 

 

安かろう悪かろう
メディアでも取り上げられておりますが「安かろう悪かろう」の行き過ぎに警鐘を鳴らしたい。
サービスが安価であれば、人は飛びつくものであります。恥ずかしながら私もその一人と恥じ入るばかり。
安ければ安いほど良い、購入する際にはそう考えてしまいます。
果たしてそうなのでしょうか。

安価な価格設定は、「価格破壊!」として良い方向に取り上げられます。
実際、カルテルのように高い単価で高止まりすることは、良いことではありません。
また独占禁止法もございます。

良い面ばかりに光があてられますが、忘れてはならないことは「そこには人がいる」ということです。
不当に利得を得て、異常な蓄財をなすための行為は責められるべきですが
なにごとにも「最低限」はございます。

人件費に避けなくなれば高速代をけちったり、
結果的には整備面での不足が出てきてしまいます。
業界内においても「やってはならぬ」部分や、「きってはならぬ」部分を犠牲にしてまで、安価な価格設定をした場合、どうなるのでしょうか。

私を含め、大衆は「安い方に飛びつく」のは前述の通りであります。
この点も反省したいと思います。
ゆえに「そのような傾向」があるがゆえに、法規制があり、それが現実の実態に即していることを確認し続けるために政治はあるのだと考えています。

これがいわゆる「規制」であり、行き過ぎた規制緩和は良い面ばかりではありません。
規制緩和がなされれば、サービスは安価になる傾向にあり業界も喜ぶことが大半です。

しかし、例えば車検制度がなくなれば(非常高額な出費で、私も「うっ」となるのですが)交通事故は激増するでしょう。
あの金額設定が正当かはさておき、利権の温床のような気もしますし、ただし制度としてはやはり必要なのだろうな、と思う次第です。

 

 

 

事故直前の映像
国土交通省が提供したもので、事故現場より250mほどの地点。
この映像を見られた方も多いかと思いますが、見ていない方は見てください。

 

バス転落事故直前の監視カメラ映像がヤバ過ぎる 【軽井沢スキーツアーバス】

 

 

私が着眼したのは、「ブレーキランプが点灯」している点です。
これはブレーキスイッチと言って、フットブレーキの下部にSWが組み込まれております。
少なくとも普通車の場合は、ほとんどの車種がこうなっております。
ゆえに、前提して言えることは「運転手はブレーキを踏んでいる」ということは、映像より(ほぼ)断定して良いと考えます。

 

実は、過労などを原因とした、運転手側のヒューマンエラーだと考えておりました。
人的なものに起因する「過失」なのではないか、と。
しかし、これは人的なものと呼ぶことは、少し難しくなるのかも知れません。

 

運転手には「減速の意思」が明確にあると推定され、
しかしながら機械的にそれが受け付けられなかったと見るべきではないでしょうか。
必死のステアリング操作により、センターラインを割り込みつつ、大きな車体を揺さぶりながら、
それでも運転手は、必死に車体を立て直そうとしているように思うのです。
少なくとも、映像からは。

その上で、法的には「過失」が運転手には認められるのでしょうけれども、主たる事故要因として挙げられるかは、私にはわかりません。

 

 

 

バスと制動能力
実は、私も大型免許を持っております。
実家の旅館の手伝いのためで、旅客業を主とせず付随サービスのため白いナンバーのマイクロバスを運転しております。(法人が有するバスであっても、合法的に白ナンバーの場合がございます。)

なぜここから導入したかわからない方もいるかと思いますが、私は「大型二種」はもっておらず「大型一種」を保持しているためです。これは営業用の大型車を運転できる免許ではないため、あとで「一種免許なのにバスを運転?」と妙な責めを負わぬために説明させて頂きました。

主に乗るのは、マイクロバスと言われる、バスとしては小型のものです。
前振りが長くなりましたが、一言、申し上げたいのは「大型車は制動能力が不足しがち」ということです。
いわゆる自家用車、普通車に比較し、まったくと言っていいほどブレーキは効きません。

 

これは構造的なもので、正直、仕方ないのです。
ゆえに大型免許は別個に設けられていると思うのですが、あの車体サイズ・重量に対してブレーキは不足せざるを得ません。
フットブレーキは、タイヤ・ホイールと共に回転している「ブレーキローター」と「パッド」の摩擦力で制動能力を発揮しているのですが、大きいほどブレーキはよく効きます。
この大きさはホイールのサイズを上限としているのですが、バスとは言え普通車に対して「凄まじく大きなホイール」は装着されておりません。

結果的に、フットブレーキは能力不足となります。
うえに「排気ブレーキ」というものがあり(全車かはわかりませんが)不足しがちがフットブレーキを補助しております。ご存じない方もいると思うので少し書いておきますが、ウィンカーの操作レバーとは別個に、ステアリング上にレバーとして設置されている例が多いように思います。

変わった用語かと思いますが、シンプルに言えば「強めのエンジンブレーキ」です。
それが手元で操作できる、と。それだけの機能です。

 

排気ブレーキは、通称「エア」と呼んでおりますが、これを使わないとどうなるか。
能力不足のフットのみに頼った場合、ブレーキローターが過熱、真っ赤に焼けてしまい摩擦力を発揮できなくなります。長いくだり坂のような場合は、エアを併用して走行すべきであります。

特に大量に人を乗せている場合はなおさらです。
意外に思うかも知れませんが、人の重量は馬鹿にならず、50~80kgほどありますから満載となりますと「フットじゃ無理!」となります。

私も経験があるのですが、長いくだり坂などでエアを併用しない場合、あっさりとブレーキは加熱します。明確にペダルの感触が変化してしまうのです。それぐらいフットが弱い。

 

同じく先ほどの「エンジンブレーキ」も重要です。
フットのみでは確実に容量不足ですから、各種のブレーキを併用する必要があります。エアのみならず、エンジンブレーキも大切です。
低いギアを選択し、減速させていく機能です。

高いギアを選択したり、ニュートラル(ギアを原動機と連結していない状態)では、くだり坂では加速してしまいます。

 

 

 

ブレーキは常に効くわけではない。
ブレーキランプが点灯していたことより、フットブレーキのペダルを踏んでいたことには違いないでしょう。
その上でブレーキが効かなくなる理由は、何点かあります。

一つには、ローターが過熱し摩擦力を生じることができない状態。
パッドの摩剤も高温に晒されると分解してしまいます。砥粒を接着剤のようなもので固めているのですが、それが分解してしまう。そのため高出力の車両、またはエンジン出力を向上させている車体は、ブレーキパッドを耐熱性の高いものに交換しています。ローターも熱に強いものに交換する場合もあります。ブレーキシューの場合も同様です。

次に、ブレーキラインの破損。これは油圧を介して動作するものですから、ラインが破損しブレーキフルードがなくなった場合、ペダルを踏み込んでも減速しません。回転するローターに、パッドを押し付けることで制動力を発揮するのですが、油圧がかからぬ以上、パッドが動かないからです。

意外に思うかも知れませんが、「速度がのり過ぎた場合」は、上記の機構が生きていても減速することはありません。くだり坂で、「加速」してしまっている場合、制動力の容量が不足しているのであれば、10加速するところ、5の加速に留まるという流れです。結局は加速してしまい、減速することはありません。

私はスポーツカーが好きですし、競技も好きです。結果的に車体価格の安価な、少し古い車両ばかりを乗り継いできました。まず触るのがブレーキ周りで、ブレーキラインをメッシュ性の強度のあるものに。パッドを耐熱性の高いものに変え、余裕があればローターも変えます。またブレーキのフルードも耐熱性の高いものに抜きかえます。これは強化というより補修に近いもので、それなりに距離を走っている車の場合が多く、どちらにせよ交換時期となっていることが多いためです。

その際に、制動系については徹底的に調査し、まずここからメンテナンスします。
ペダルを踏もうとも「絶対にブレーキが効く」わけではないからです。
私が飛行機が怖いのは、飛ぶ理由がよくわからないのと整備をしたことがないからです。油圧系は複雑だし、バイワイヤも非常に難易度が高い。余談になりますが、自動車用のCAN・LINのシステム開発を行い、この特許をもっている企業の技術者をしていました。(私の前職です。)

よくわからぬ機構に、身体を預けることに対し、理系なりの恐怖を感じるのです。
人間の操作、インプットに対し、常に機械がアウトプットを行うとは限らず、そのためには整備と定期的な補修が必要だと体に染み込んでいるからです。

 

 

 

ミッショントラブル
ブレーキランプが点灯しつつも、減速できていないとすると。
これはブレーキトラブル、制動系の破損をまず疑うように思います。しかし、それも違うように思います。

たった一つの映像のみで、私が事故原因を断定できる立場にはございませんが、一部の報道によると「ギアがニュートラル」であったと報じられています。

「なんでギアを入れてないんだ!」「そりゃ加速する!」と、皆様からも怒りの声があがるのでしょう。少しだけ思うところを書かせてください。

まず大型車は、エンジン(原動機)も大きい場合が常であり、つまりは出力・馬力も大きくなります。また自重が大きいこともあり、大きなトルクを必要とします。これはオートマでの制御が難しいことを挙げておきます。ATとは、トルクコンバーターを介して駆動力を伝達する仕組みです。油の剪断力(せんだんりょく)を用いたもので、油の粘性といいますか、摩擦力をイメージして欲しいのですが、そのようなものを利用しています。オートマは、大きな出力や大トルクに耐えることができません。そのため変速機は、大きな馬力の場合は特に、オートマは採用されにくいのです。

 

最近では、ミッション車に乗る方も減ったため、イメージしにくいかも知れません。
実は、超高速状態になった場合、ギアを落とすことは困難です。はすば歯車を用いた変速機だと思いますが、高速で動作する変速機に対し低いギアを選択するためにはいくつかの操作が必要です。

クラッチを切り、アクセルを踏み込んでエンジンの回転数をあわせたうえで、低いギアにシフトダウン。これをせぬとシンクロの問題で、ギアは入りません。ギアさえ入れてしまえば、あとは半クラでもいいので無理やりつなげばいいのですが、なかなか慣れていないと難しいと思います。

恐怖を感じる高速領域において、クラッチを切る(エンジンブレーキをカット)必要があります。
次に、そのような速度域において、アクセルを踏み込む必要があります。ディーゼルでしょうから回転数の上昇速度は緩く、言い換えれば「べた踏み」で回転数を上げる必要があります。

この場合、「①ブレーキペダルを全力で踏む」(フットブレーキ)状態で、「②アクセルもべた踏みで踏む」ことが必要です。さらに「③クラッチも切る」必要があります。番号を振りましたが、3つのペダルを同時に操作する必要があります。足は二本でありますので、ペダルの本数のほうが多い。そこでブレーキを右足の爪先で踏みつつ、かかとでアクセルを操作します。爪先とかかとという意味で、ヒールトゥと言います。

 

今回、報道では「ギアがニュートラル」であったことが指摘されています。これがいつからニュートラルであったかを調査中と報じられていましたが、恐らくエンジンブレーキを効かせようと「シフトダウン」しようとしたところ、ギアが入らなかったのではないかと。

運転手は、エンジンブレーキをカットするためにニュートラル(加速させてしまう)にしたのではなく、ギアを下げるために変速を試みたが、回転数があわずギアを入れることができなかった。もしくは、機械的な問題(例えば油圧トラブル)が生じ、操作不能に陥ったのではないか、と。

 

油圧トラブルは恐ろしいもので、ブレーキラインとクラッチは同じ油を使っています。車種によっては、油圧ラインも元は同じだったりします。(普通車はだいたい併用しています。)事故車両を救援した際に見たのですが、リアブレーキにおいてブレーキラインが破損。油圧が低下し、制動力が低下。ここでペダルを踏み込んだため、フルードが一気に社外に放出。完全にブレーキが効かない状態に。慌ててギアを落とそうとしたそうなのですが、「フルードが空」のためクラッチの操作も効きません。完全に回転数を合わせれば、シンクロを用いずにノークラシフトも可能ですが、ギアも落ちない。

先ほどは「事故」と書きましたが、この事例の場合、運転手が意図的にガードレールに接触。極めて浅い角度で車体をこすりつけ、物理的に減速させたため事なきを得ました。もう少しで信号に突入する直前でした。とは言え、このようなことができるのも勾配のない平地、かつ速度域が低いからできたのです。ボディの損傷もたいしたことありませんでしたから、なぜか常備していたブレーキフルード(若い頃は、だいたいの油脂類を持ち歩いていた。)を追加し、破損したブレーキラインをカット。破断箇所以前に、何か忘れましたが充填し、ペンチで折り曲げて応急処置。交通量の多い場所でしたから、僅か数十メートル、車体を動かすだけでしたが緊張しました。(当時の私は、バイト先がディーラーだったので車両に工具を満載していました。ただ、余り良い修理方法ではないため、あくまで交差点から離れるための応急)

 

事故の例に戻ります。
もしかしたら、という話ばかりで申し訳なく思うのですが、運転手は最後まで頑張ったように思えてならないのです。無論、大型二種を保持しつつ、守るべき乗客を死傷せしめているのですから、その点は私も強く批判する立場ではあります。

ですが、居眠りしたり、過労でいい加減な運転をしていたとか、それとは違うのではないか、と。
機械的なトラブル、操作を受け付けない中で、最後の最後まで必死の操作を試みたように思うのです。あれだけ大型の車体が、あれほどの高速に加速してしまった中、センターラインをはみ出しつつとは言え、なんとか車体を制御下に納めようとしているように見えます。

もう一度、ご覧ください。

 

バス転落事故直前の監視カメラ映像がヤバ過ぎる 【軽井沢スキーツアーバス】

 

もしかしたら峠の段階で、ブレーキがエアを噛んでいたとか、またはクラッチの油圧系統にトラブルを抱えていたとか、原因は人間というより機械に思えてならないのです。それは整備不良であり決して誉められたものではありません。むしろ強く強く批判されるべきです。冒頭において車検制度の必要性や機械的な構造について述べたのはこのためです。

 

最後まで操作を試みた、そう思った理由。
事故現場にはブレーキ痕が残っていたと記憶しています。そうであるならば、最後には急減速ができていたということになります。ブラックマークは、タイヤがロックして道路に残るものであります。ロックさせては、ステアリング操作を受け付けませんから悪いことなのでありますが、「制動力は発揮された」わけです。

動画を見る限り、フットは効いてないように思いますから、どうやって制動力を発揮させたのかはわかりません。最後の最後で、ハンドブレーキ(サイド)をひいたのかもしれません。または、踏み続けていたフットブレーキが回復したのかもしれません。もしくは・・・、もしくは、最後の最後にギアが入ったのかもしれません。

そのため、あのブレーキ痕がある以上、そしてブレーキランプが点灯しつつも減速できていない動画がある以上、運転手が悪かったのか、機械トラブルなのかはわからない、と考えています。冒頭において法的責任は問われるであろうと述べつつも、いわゆるヒューマンエラー、具体的には居眠りや過労による操作ミスではないのではないか、と述べたのはこのためです。
 

 

 

整備は高い。
部品代だってタダではありません。
最近では何でもかんでもアッセンブリーで交換するため、コストはさらに跳ね上がっております。また人件費も乗るため、工賃だって安くはありません。

ディーラーの整備部門をサービスと言いますが(サービス工場と言います)決して安い値段ではありません。私は整備に関する資格を持っておりませんでしたから、ただの洗車係りに過ぎず、資格が必要な分解整備を有償で行ったことはありません。ですが、ボルト1本の締め付けトルクに、人の命がのっていることだけはわかります。

工具ひとつだって安くはない。繰り返しの使用に耐えうる、精度の高い工具は、スパナ一本で数千円。ラチェットのコマだけはスナップオンを使っていましたが、ひとつ数千円、セットでは数万します。

「安かろう悪かろう」の話をしましたが、スピード車検や一日車検が横行する現状を憂いています。足回りをちゃんと調査し、打検(専用ハンマーでネジ頭を叩き、音で緩みをチェックする)を行い、タイヤから油圧から、しっかり見たら一日でやれというのは無理です。

便利なことは、素晴らしいことです。車があると便利です。
特に田舎では、必須の道具となっています。だけど、数トンの重量物があれだけの速度で行きかうことを考えてください。

その整備は、決して削ってはいけない部分だと思います。それすらも段々と形骸化、確かに最近の新車は全くと言っていいほど壊れませんし、パッドも10万キロ交換になったりしています。

何もかもが手軽になり、簡単になっていく。
かつてはシンクロなんてついていませんでしたから、ダブルクラッチでギアを落としミッションを保護することなんて常識でした。私の10個ほど上の方までは、だいたいの方ができたと思います。私の同世代までは、商用車がミッション主体であったため男はMTで免許をとる方も多かった。

運転も簡単になり、ブレーキをかけてくれたり、自動運転の実験もされています。
素晴らしいことだと思いますが、「手軽さ」が人を錯覚させているように思えてなりません。

最後の最後、「簡単だ」とナメてかかった場合、機械に裏切られる日がきます。
偉そうなことを書きましたが、私だってオイル管理が甘くてエンジンをブロー(壊して)しまったり、油温上昇に気付かず部品を破損させたことがあります。そのたびに機会に対して真剣ではなかった自分を恥じ、悔しい思いをして今があります。最近では年をとったためか、自分で工具を握る日も減りました。元気の良い後輩たちにお願いすることも増えました。

機械が高度化し、人の操作は減りました。
だけど、そこにある「重み」は何ら変わりないのです。
そのことを忘れてはならぬと思います。
コストは、かけるべきものには、かけねばなりません。

 

 

 

今回、楽しいはずの行楽、大学時代の一コマとなるべき旅行において、このようなことになってしまいました。
歪んだ車体を見るに、そこで失われた命を思うに、心を痛めるものであります。

過労などに起因した居眠り、操作ミスだろうと運転手をひどく責める思いで報道を見ておりました。その可能性も否定できないのでありますが、運転手自身が整備できるわけではありません。もし万が一、まともな整備を受けることができていなかった車両において、機械的なトラブルが発生、必死の操作を試みるもこのような結果となったのであるならば、運転手のみを責めても仕方ないように思うのです。もしそうならば、さぞかし無念だったろうな、と思うのです。

無論、整備もしっかり行われていた可能性はあります。それはあくまで可能性の話でありますから。営業に供する車両とは酷使されるものですから、なんらかの部品寿命だってあるでしょうし、高速道路上での飛び石での破損だって考えられます。

死人に口なしではありますが、この動画を見るにある想定もでてきます。高速道路を走行中、車体に異常を感じたのではないか、と。万が一の危険を感じ、早めにインターを降りて一般道で次の目的地に移動したのではないか、と。あそこでインターを降りても、そんなに費用が変わるわけではないためです。あそこで降りたことが不思議でなりませんでした。

その車体異常、もしくは違和感が軽微であったため、無理をして走行。峠道で深刻な機械トラブルに。あとは動画の状況・・・こうであれば、私はわからなくもないのです。無論、乗客の安全を守る立場でありますから、二種免許を持つ以上、その場で運行を停止。これが正しい判断です。

法的にもそうですから、政治家としては責める立場であります。とは言え、実態は難しいでしょう。そんなことでバスを停めてしまえば、乗客からは大ブーイング。もし軽度のトラブルであれば、会社に何を言われるかわかりません。

整備士の地位も、低下してしまいました。
運転手の地位も、とてもとても低下してしまいました。
昔は、運転自体が難しかったため、運転してくれている人に(一般車であっても)一定の敬意が払われたように思います。
ですが、いまは車は動く子供部屋のようになっており、運転することは「低レベルの労働」のような扱われ方で、できて当然のような風潮。DVDも見れる「部屋」を動かす奴隷扱いかのようです。

 

学校の先生の地位も低下しました。
整備士の地位も低下、そして運転手の地位も低下しています。
特に二種免許を持つ方を「運転士」と、かつては呼んでおりました。

実際のところ、「車体に異常を感じたため、ここでバスを停めます」と運転手は言えるのでしょうか。
言える運転手もいるのでしょうが、そういう運転手はどんどんクビになっていくような社会です。
自らの命を預ける対象として敬意をもって接するわけではなく、あたかも部下のようにこづきまわす社会。
整備だってそうです、「どうでもいいけど、一日で終わらせて?」と鍵だけ、ぽーん。

 

事故原因も判明していない中、このような切り口でBlogを書くことには躊躇いもありましたが、本当に悪いのは何かを考えていった場合、「あいつが悪い!」「こいつが悪い!」「もっと、こうせよ!」「ここが気に食わない!」「あれを安くしろ!」と騒ぎ続けてきた、日本の社会全体が悪いように思えてならないのです。

色々と麻痺してきてしまって、削ってはいけないものを削ってきたのは、
実は日本社会そのものではないのでしょうか。

 

ちょっと異色のエントリになってしまいましたが、このような考えもあんだな、と思って頂ければ幸いです。
報道の在り方が、余りに稚拙であり自動車も何もかもをバカにしているように思えてなりませんでした。素人くさいというか、いい加減と言いますか。

それは、この事故事態を、犠牲者をも愚弄するように思えてならなかったのです。
そのため私なりにしっかり書かせて頂きましたが、「ちゃんと書く」とはこの程度の文章量が必要なのです。

 

 

 

 

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最後に。
Facebookのアカウントと、FBのファンページを紹介させてください。
記事を書くたび、こちらでも投下します。
FB個人アカウントは5000名の上限となってしまいました。実際の知人、議員の方のみの承認とさせて頂きます。
ファンページでコミュニケーションをとらせて頂けますと幸いです。

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Twitterアカウント  行橋市議会議員 小坪慎也

 

 



 

以下は余談です。
気軽に「もっと短く」とか「もっと簡単に」と言う方もいるかと思います。

知識を有している私の後輩に対してのみであれば、僅か数行で終わっております。「あー、ギア、入らんかったっちゃね?」「これブレーキ踏んどるやん」「運転士もこわかったろー」「インター降りたんが、実はわからんかったんよ、値段がそんなに変わる区間やないけん。」「なんか異常あったんやろ。で、客に言いきらんかった、と。」「でもメカトラブルなら運転手も悔しかったろうな。」

報道よりも、しっかりと。分野外の方にちゃんと伝えようと思えば、丁寧に伝えようと思えば、こう書くよりありませんでした。
もしこの内容が難しいと思った方がおりましたら、車という存在自体が難しいのだと考えを改めてください。私の書き方が下手なのかも知れませんが、そんなに簡単なことではないのです。複雑なことを簡単に書くことは、簡単ではありません。

長い長い文章をお読み頂いた上で、その上でお願いのようで申し訳ないのですけれども、もし若い整備士にあったり、バスの運転士さんに会ったり、タクシー運転士に会ったりしたら。

その時、少しだけでいいので優しくしてあげてもらえないでしょうか。
ちょっとだけでいいので、敬意をもって接してあげてほしいのです。
命を預かる仕事なんだと、その誇りを持たせてあげて頂けないでしょうか。

それが私からのお願いです。


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軽井沢のバス事故、ブレーキ踏むも減速せず【政治家の目線】 への1件のフィードバック

  1. medakanoon のコメント:

    軽井沢のバス事故、ブレーキ踏むも減速せず【政治家の目線】 亡くなられた方に哀悼の誠を捧げます。ご家族をはじめ、ご友人を失われた方の悲しみはいかほどか。 怪我をされた方も多数おられます。早くよくなって頂け

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